甲子園2部制導入検討について思うこと(加筆修正あり)

前々から言われていた2部制、今夏から試験的に実施の方向という記事が出ていたので、考えたことをちょっとまとめておきたいと思います。

 

<報知の記事>

 

朝日では具体の分け方や日程、価格設定まで記事になっていたので、それを踏まえて加筆修正しました。

digital.asahi.com

個人的には、基本的に賛成

色々な課題はあるにせよ、何もせず手をこまねいているよりは、やってみるのはいいことだと思います。

選手・ベンチに関してはこれまでも様々な対策がなされてきましたが、熱中症はベンチで休むことのできない審判やボールボーイ(それとも試合途中で交代してるのか?)、アルプス応援団や一般客の問題でもある。2部制はそれら全てに対して一定に有効なわけで、かなり抜本的な対策になるだろうと思います。

一般客への影響が大きい…けどマイナスばかりじゃないかも

試験的実施の対象となるのは3試合日。これまでの例からすると、開幕日の第1日、1回戦と2回戦の境目となる第5日、2回戦最終日の第9日ですが、今回は3試合日を第1日~第3日にまとめるように全体スケジュールを組み替えています。3試合日の存在が、体力的な有利不利を生まないようにするために、前に持ってきたのかな?

午前・午後の区分けは、

第1日は開会式・第1試合/第2・第3試合

第2日&第3日は第1・第2試合/第3試合

個人的には第2試合の時間帯は元々かなり日差しがきついのと、第1試合終了が後ろ倒しになって更に過酷になる可能性もあるので午前の部は第1試合だけにしといた方がいいんじゃないか…って気もしますが、選手としては15時半とか16時開始より10時半開始とかの方がラクなんですかね。

第3試合は第1日が18時半、第2・第3日が17時開始予定なので確実にナイターになりますが、これまでも第4試合がナイターになることは珍しくなかったわけで、出場チームや応援団にとっては従来と著しく変わる、ということはなさそう。

しかし1日通しで観るのが前提だった一般客にとっては大きく変わることになる。

1日券で再入場可としてしまうと、午前・午後で入場者をスイッチする不正利用が頻発しそうだし、再入場不可で球場内待機はとても無理!なので午前・午後の入替制にするのは妥当だと思います。

価格設定が難しそうだな、単純に1試合と2試合だから1:2の比率で分けるのか、比率を変えるのか。通しで観られないことを考慮して安めの設定にするのか、まさかの割高設定か?とかいろいろ考えていましたが、1日券の半額より少し安めという無難なところに落ち着いたようです。

家族で来て屋根のある席で観たい、グラウンド近くで観たい、でも1試合だけで十分、というような場合はかなり助かるんじゃないでしょうか。死に席削減にも寄与するでしょうし。できるだけ門戸を拡げ、多くの人が少しずつでも生の試合に触れられるように、という観点からすれば、マイナスばかりではない気がします。そういう意味では、元々集客が鈍い午前の部なんかは外野無料自由席に戻すとかしてもいいんじゃないかと思う。

午前も午後も見たい観客(現地観戦するとしたら、私もここに含まれる)はちょっと困るけど、4~5時間もインターバルあったら梅田や三宮にでも出て飯食って映画観るなりプチ観光してきてくれ、って感じか…まあ1日2日ならそれもいいですけどね。午前と午後で観戦場所を変えてみるのも悪くないと思う。

午前の部と午後の部が同額なのは…第1日と第2日・第3日は同じ2部制でも分け方が違うし、そこを踏まえて更に価格設定を細分化するとかも面倒なので、今回は同額でもいいと思います。将来的にはある程度傾斜かけるのが妥当な気はしますが。

いずれにせよ、これまでの諸対策と違って観客にも影響が大きいので、実際にやってみた観客の感想・意見も幅広く聴いてもらいたいところです。要望通りにしろという意味では勿論ありませんが。

TV中継に関して

あと、これは今回変わらないようですが、第1試合/第2・第3試合という分け方をすれば第1試合開始を20~30分遅らせることもできるはずなので、試合開始からTV中継して欲しいし、その一方で第3試合が夕方~夜にずれ込んでくるのでサブチャンネル等を活用して予定時間延長による他番組放送休止・延期をなくすとか、これはNHKとの調整になるんだろうけど、考えて欲しい。

将来的には、他番組とのバランス、公平性にもっと配慮して、番組としてのあり方を再検討すべきじゃないかなと思っています。それが高校野球人気、ひいては高校野球そのものの未来に影響したとしても。

その先は…?

今回の措置が効果あり、イケるという結果になれば、一気に全日程とまではいかなくても、2部制の対象を拡大していくことになるでしょう。

しかし2部制は3試合日だから可能な話なわけで、4試合でやろうとすると第4試合終了が深夜になるか、第1試合の開始を早朝にする以外なく、それはそれで健康面の問題がある。

となると、1日の試合数を3試合に減らし、日程が緩くなった分、休養日を少し減らして全体日程の伸びを抑制するとかも考えられるかもしれません。

単純計算すれば1回戦1日、2回戦1日。3回戦1日、準々決勝1日で4日増。休養日全部なくすわけにもいかんから2~3日の延長は必要だし、そうなるとプロ野球との兼ね合いや滞在費増などもあって、そう簡単にはいかないと思いますが。

地方球場の問題

酷暑問題は甲子園だけの問題じゃなく、むしろ地方球場ではベンチの暑さ対策も甲子園のように至れり尽くせりなところは少ないし、スタンドだって屋根なしフライパンてとこもたくさんある。

地域によって気象条件も違うし、開催時期が早くそこまで酷暑じゃないという地区もありますが、多くの都道府県高野連が類似の対策を検討することになるでしょう。予算や人手も限られているだけに大変だと思いますが、今後に注目したい。そして、観客として不利・不便になったとしても、事故防止に繋がるものであれば、支持し受け容れていきたいと思います。あっ、もしかしてハシゴしやすくなるというメリットは生まれるかも?