20190504 春季埼玉県大会決勝 春日部共栄×浦和実業

昨秋の準決勝・タイブレーク寸前の延長12回サヨナラで共栄が勝利した一戦以来の対戦。昨日の準決勝からの連戦になりますが、対照的となった両チームの選手起用。

 

先攻:浦和実業

1ファースト秋山

2セカンド松村

3センター長谷川

4キャッチャー竹内

5ライト水谷

6サード後藤

7レフト遠藤光→吉村

8ピッチャー豆田→三田

9ショート吉田

昨日の準決勝で先発し6回1/3を投げている豆田君が先発。もちろん後にはエースの三田君が控えている。

 

後攻:春日部共栄

1センター黒川

2ライト木村

3レフト平尾

4ファースト村田

5キャッチャー石崎

6セカンド平岡

7サード片平

8ショート丸田

9ピッチャー齋藤→三枝→H舘→R石川→ピッチャー武藤→H森→ファースト

今大会3試合を完投しているエースの村田君は昨日に続き先発を回避。背番号11の右腕・齋藤君を先発に持ってきました。どこかで継投はあるのでしょうが、村田君以外の投手陣がどんなピッチングを見せてくれるのか。打線の方は平尾君がスタメン復帰、石崎君も5番に戻っている。

 

午後から日陰になる位置にいるからいいようなものの、初夏の日差しはかなり強く、熱中症が心配される季節。選手の皆さんも、スタンドを埋める観客の皆さんも、十分お気をつけください…でもやっぱり、今の時期の試合は、このくらいの日差し、このくらいの暑さがないと淋しい。

というわけで、きらめく光の中で、試合開始。

1回表。1死から2番松村君のセンター前、続く長谷川君のライト前がエンドラン成功で1・3塁、4番の竹内君のサードゴロが当たりが弱かったのが災いしてゲッツー崩れの間に3塁ランナーが還り、1点を先制される。

その裏。マウンドに上がった豆田君は、やっぱ速いなー。スコアボードの球速表示は130前半~中盤くらいなんだけど、もっと速く見える。その豆田君から1番黒川君はレフト前ヒットと盗塁でノーアウト2塁とチャンスを作りますが、後続は抑えられ、無得点。

2回表も送りバント阻止など好守もあって最小失点に止めてはいるものの、1点を失い0-2と差を拡げられる。3回表も失点こそなかったものの、やはり捉えられている感じで、4回表からは背番号20の右サイド三枝君がマウンドに上がり、この回は三者凡退に抑える。

一方の豆田君は初回こそ黒川君にヒットを打たれたものの、その後は4回まで死球でランナー1人出したのみ。特に4回裏はクリーンアップが連続三振にキャッチャーフライという打ち取られ方。うーん…打てる気がしない…でも連投なのだし、準決勝でも7回には捕まってたし、粘っていれば後半にはチャンスが来るはず。そういえば、追い込まれるまで振らないケースが割と多いのは待球作戦なのかな?その割には4回で54球くらいだからそんなに多いとも言えないか…豆田君そんなにボール球多くないし、ファウルで粘れないせいでしょうか。

そして5回表。この回もヒット2本で1点を失い、0-3となる。5回まで被安打7ですからかなり打ち込まれている感じですが、四死球が失点に絡まずシングルヒットが多いのとで何とか3点で済んでいる、という状態。

公式戦の経験のない投手陣が打たれながらも頑張ってるところ、何とか点を取ってあげたい5回裏。

先頭の平岡君が初めての、しかもストレートの四球で出ると、送りバントと内野ゴロで2死ながら3塁。ここで三枝君の代打に送られた舘君が見事期待に応え、ピッチャーの足元を抜くセンター前ヒット、1点を返す。打順はトップに還り、黒川君の打席で舘君の代走・石川君が2盗を決めると黒川君がセンターオーバーの3ベースヒットを放ち、2-3と1点差に迫る。ここに来てようやく豆田君を捉えてきました。

6回表。代打を送られた三枝君に代わり、昨日の山村学園戦で1失点完投の背番号10武藤君がマウンドへ。しかし今日ここまで7安打と好調な浦実打線は武藤君に対しても同様で、先頭の豆田君がレフトオーバーの2ベースを放ちノーアウト2塁。続く吉田君が初球をバントの構えからバットを引いたとき、豆田君のリードが大きかったのを見逃さなかった石崎君が2塁けん制でタッチアウト。ピンチを切り抜けたのも束の間、丸田君と1番秋山君の連打で1・3塁と再びピンチを迎える。

浦実はここでスクイズを仕掛けてきますが打球はピッチャー正面…!なのはいいけど大きく跳ねて武藤君が伸びあがって取ったほど。体勢的にホームはムリかと思いましたが迷わずホーム送球タッチアウト!ここも守備の力で防ぐ。しかしホッとしたのも束の間、2死2・3塁とピンチは続き、3番4番の連打で3失点、2-6と点差を拡げられる。1点差まで追い上げていただけに、ちょっと意気消沈しかねない展開。

6回裏。5回裏に2点を失った豆田君がそのままマウンドに上がります。三田君への継投かと思いましたが、点差が4点に開いたことももしかしたら影響していたかもしれません。しかしこの続投が思わぬ展開を呼ぶことになります。

共栄は打順よく3番平尾君から。平尾君は見逃し三振に倒れますが、かなりファウルで粘った末での三振だったのがこれまでにはなかったこと。続く村田君が四球を選ぶと5番石崎君のセンター前で1死1・2塁。6番平岡君は3球三振。しかし、続く7番の片平君はなんと、レフトスタンドへの3ランHR!初戦ではスタメン外れてた片平君が…思わぬ形で再び1点差に追い上げる。

更にショートゴロエラーと武藤君の代打の森君の四球で再び2死ながら1・2塁となると、ここで豆田君が降板、エース三田君がマウンドへ。連投で力尽きた2年生を万雷の拍手が包む。後半疲れが出たけど、ナイスピッチングでした。

三田君は1番黒川君には四球を与えて満塁としますが、続く木村君は三振で追加点は許さず、1点差のまま試合は終盤へ。

そして7回表のマウンドにはもちろん村田君。代打の森君は9番ファーストの定位置に納まり、ベスト布陣に。村田君は1死から6番後藤君にセンター前ヒットを打たれたものの、後続は抑えて無失点。7回裏にはショートの脇を抜くセンター前ヒットで出た3番平尾君を、2死から6番平岡君がライト前タイムリーで還し、同点!!

こうなると共栄としてはもう負ける気がしない8回表。いずれもファースト方向への難しいゴロでしたが、セカンド平岡君とファースト森君がうまく捌いて三者凡退に抑える。しかし8回裏の三田君も先頭の丸田君のヒットでノーアウトのランナーを出しながらも踏ん張り、無失点。

しかし9回表を三者凡退で抑えたその裏、今日はノーヒットだった先頭の村田君がライトフェンス直撃の2ベースでノーアウト2塁とすると、続くキャプテン石崎君も右中間への2ベースを放って村田君がサヨナラのホームを踏み、7-6で共栄が勝利、14年ぶりの春の県大会優勝を決めました。

センバツでは攻守に力を発揮できず、県大会でも初戦は村田君のノーヒットノーランはあったけれど打線は元気なくてどうなることかと思いましたが、後半に入り調子を上げて、準決勝決勝も村田君を先発させないという制約条件の中でも見事に勝ち切りました。おめでとうございます。

浦和実業は秋に続き1点差での惜敗でしたが、14安打と打線が良くなっていたのに驚きました。継投がもう1イニング早ければ、結果は違っていたかもしれません。

 

次は関東大会。埼玉県勢4校の活躍を祈り、他県の強豪チームを間近で見られるのを楽しみに待ちたいと思います。