過ぎし春

帝京を始めとする強豪が次々と姿を消し、波乱含みだった春季大会も日大鶴ヶ丘の初優勝で幕を閉じ、早いものでもう5月。

関東一は最終週、準決勝まで勝ち残り、第2シードを獲得。という形だけでなく、ここ最近、春は攻守が噛み合わないことの多かった中、久しぶりに秋以降のチームの成長が目に見えて感じられた大会でした。

だけど、準決勝、昨秋の雪辱を期して臨んだはずの日大鶴ヶ丘戦で思わぬ守備の乱れから四球も絡んで大量失点。攻撃も宮下君のソロ以外は長打が出ず、日鶴のエース岡崎君の要所を締める投球の前に2点に抑えられ、攻守共に秋以上の完敗。整列の時の皆の悄然とした様子や、クールダウンのときの井手君の悔しそうな後ろ姿が印象に残っています。

ファンとしても、最後に掴めるはずだったものを掴みきれなかったような、どこかすっきりしなくて、やっぱり悔しい春の終わりでした。

そしてまた、安定していると思えば揺らぎ、強いと信じ過ぎれば脆さがのぞく、そんな難しさを久しぶりに思い出した春でもあります(だから、この敗戦を残念に思う一方で、絶対に無駄にしないで、夏に活かして欲しいと願ってる)。

チームは確実に強くなったけど、それでもまだ、最後まで勝ち残るには足りないものがある。それが何なのか、技術なのか気持ちなのか、体力なのか判断とか戦術の類なのか、そのすべてなのか、私にはわからないけど。でもきっと、あの敗戦でチームの皆は悔しさと共にそれを感じているだろうから、夏にはまた一回り大きくなった姿を見せてくれると信じています。ガンバレ関東一!