20110406 春季東京都大会2回戦 関東一×修徳

大田スタジアムに来たのは、09夏以来2度目だったでしょうか。先週末の寒さが嘘のように、今日は素晴らしく春らしい陽気。今日は東京都大会の2回戦、関東一の初戦です。相手の修徳とは昨夏の東東京大会決勝以来の対戦。いわゆるひとつの因縁の対決なのですが、修徳は日曜日に明大中野八王子に17-16という何の試合かわからないスコアでサヨナラ勝ちで波に乗ってるし、スタメンには昨夏からのレギュラーも多く、おまけに震災の影響による一次予選の中止・本大会の規模縮小のために、当初の予定では3回戦のはずだったこの試合が初戦になってしまうという異例の事態。

試合前、震災の犠牲者のための黙祷がある。土日の神宮第二ではなかったことで、都高野連が途中で思い当たったか外から指摘を受けたのか。でも良いことだと思います。

そして節電強力のため、スコアボードも真っ暗で、イニングスコアもボールカウントも打順も一切表示なし。徹底しとる。というか、これはさすがにやり過ぎでは…草野球や練習試合でもスコアボードはあるように、無用の贅沢ではないと思うんだけどな。もちろん節電の必要性はわかるので、学校のグラウンドで使っているようなボードで表示するとか、ボールカウント・アウトカウントをアナウンスするとか、何か補う工夫があったら、すごくいいことだと思うんだけどなあ。もちろん、やる方にとってはたいへんでしょうが。夏は春に比べて観客もずっと多いからあれじゃ混乱するだろうし、さりとて電力事情は更に厳しくなるし、今後の課題になりそうです。

それはそれとして、この春の関東一のベンチ入りメンバー。

1皆川(3)

2石毛(3)

3小野寺(3)

4船越(3)

5河津(3)

6斉藤(3)

7伊藤(2)

8岸村(3)

9秋山(2)

10秋庭(3)

11上田(3)

12松谷(2)

13中島(3)

14木内(2)

15広瀬(3)

16吉江(2)

17佐藤(3)

18蔵野(3)

19難波(3)

20豊田(3)

記録員小畑(3)

メンバーの入れ替わりもあり、木内君や蔵野君が2桁番号になっていてどんな布陣になるのかと思いましたが、シートノックを見ているとファーストのノックを真っ先に受けたのは木内君。あれ??小野寺君は?とキョロキョロするとホームベースのとこにいるし、キャッチボールのときに遠目に見た先発は右腕だったのに、皆川君も秋場君もノックのお手伝い。じゃあ誰が??というわけで若干混乱しましたが、関東一のスタメンは、

1セカンド船越

2サード河津

3ショート斉藤

4キャッチャー小野寺

5レフト伊藤

6ライト蔵野

7ファースト木内

8センター岸村

9ピッチャー上田

関東一の先発は、右サイドスローの上田君。打順は3番4番は不動ですが、他はだいぶ入れ替わりがある模様。旧チームからのメンバーの岸村君と木内君が下位に回っているのが気になる。新メンバーがそれ以上の力を見せているからだとしたら、心強いのですが。そして一番のサプライズは小野寺君のキャッチャーでした(噂には聞いていたけど。)。

一方の先攻:修徳

1ライト藤井

2センター池田

3ショート三ッ俣

4レフト飯野

5セカンド伊藤

6キャッチャー大友

7サード鳥海

8ピッチャー高橋

9ファースト相原

という、初戦の明八戦と同じ布陣。

立ち上がり、上田君は落ち着いたピッチング、2死から3番三ツ俣君に上手く合わされセンター前に運ばれ、更に4番飯野君のセカンドフライを船越君が落球(上がった瞬間にヤバいと思う、太陽と仲良さげなフライでした)2死1・3塁となりますが、後続は抑えて、いきなりのピンチを切り抜ける。

1回裏、関東一の攻撃。修徳は今日も先発はエース高橋君。投球練習を見る限り、日曜日に比べて相当調子良さそう。いやむしろ、秋に見た菅生戦のことを考えると、これが本来のピッチングなんだろうなあ。でも、高橋君は、夏の東東京大会を勝ち進んでいく上では、打たなくてはならない相手。

その高橋君に対して、関東一は1死から2連続四球でチャンスを作りますが、4番小野寺君のピッチャーゴロダブルプレーで無得点。以後、序盤はランナーを出したり出せなかったりしながらゼロ更新。関東一はランナーは出すものの、総じて高橋君の球に押されているような気がする。一方上田君は、球威球速がそんなにあるわけじゃないけど、うまくかわしている感じ。

試合が動いたのは4回表。この回先頭の三ツ俣君に死球を与えると、続く5番飯野君は強攻、たたきつけられた打球が人工芝の内野で大きく跳ね、投手を始め内野陣がちょっと重なり合い譲り合い?でノーアウト1・2塁、更に送りバントで1死2・3塁。3塁は…間に合いそうに見えたのだけど、やっぱりムリだったのかな。次の大友君のレフトへの犠牲フライで1点を先制されます。しかし後続は抑え、最小失点で切り抜けてとりあえずホッとする。

すぐに反撃したい4回裏、4番小野寺君からですが、三者凡退。それも異様にテンポ良く8球で終わってしまったのがちょっと嫌な流れ。しかし上田君も負けてはおらず、5回表は三者凡退。5回裏は1死か8番岸村君がセンターへ抜けようかという当たり、セカンドの伊藤君がよく抑えましたが内野安打に。送りバントで2塁まで行きますが、1番船越君はセンターライナーでここも無得点。うーん、ランナーは出すんだけど、何かこう、要所を締められてる館がある。

6回表、修徳の攻撃は2番からでしたが三者凡退。そしてその裏、2番の河津君が四球を選び、初めてのノーアウトのランナーが!続く3番斉藤君の送りバント失敗でランナー送れず、1死1塁に…ああ虎の子のノーアウトのランナーが(泣)しかし斉藤君も次の小野寺君の打席で盗塁を決め、1死2塁にまで持ち込みます。カウントは2ストライクと追い込まれたところですが、小野寺君の打球はライト前に抜け、2塁ランナーの斉藤君が一気にホームへ。同点に追いつきます。正直、返球が逸れたからセーフになったものの、かなり危ないタイミングだったような(汗)ただ、今日の試合展開からすると点を取るのはかなり難しそうだったし、実際、後続は凡退で討ち取られたことを考えると、これで良かったのかな。

1死1塁から5番の伊藤君は三球三振(最後に見逃したストレートとか、本当に良い球だったと思います)。高橋君も見事なピッチングで、流れをこちらにくれません。次の蔵野君もショートゴロに倒れ、逆転には至りません。でもとにかく同点、試合は終盤へ。

ところが7回表、1死から6番7番の連打で1死1・3塁の大ピンチ。初めての連打、しかもどちらも合わされてる感じのバッティングだったのがイヤだな~と思っていると、1塁側ベンチに動きがあり、ここでピッチャー交代。皆川君がマウンドへ。昨秋の世田谷学園戦でも終盤リリーフしながら制球が定まらず、早々に降板した皆川君、ここも終盤で同点でこのピンチでの登板、だだだ大丈夫?気が気じゃありませんが、何とか抑えてくれ!(でも同時に、ここは大量失点するよりは、1点は仕方ないとも思う。)

ここでバッターボックスには8番高橋君。ライト前に運ばれ、1-2と再び勝ち越され、なおも1死1・2塁。でもまだ1点差、ここを切り抜ければまだじゅうぶんチャンスはある。皆川君も次の相原君は三球三振、次の藤井君もショートゴロに打ち取って、1点でピンチを切り抜けます。

すぐに追いつきたい7回裏、7番木内君が死球で出ると、8番岸村君が送りバント…なのですが、1球めがファウル、2球目がもろにピッチャー前の小フライ!!(思わず悲鳴)。しかもピッチャー高橋君が打球が落ちるのを待っての2塁送球でダブルプレー、あっという間に2アウトランナーなし。チャンスの少ない展開で終盤1点ビハインド、貴重なノーアウトでのランナーだったので、悔いの残るミスでした。

しかし8回表は皆川君が先頭打者を四球で出し、送りバントスコアリングポジションに進められながらも、その後は連続三振で抑えて踏ん張る。

8回裏、先頭の船越君がセンター前に抜けるライナー性のヒットで出ると(完全に捉えた当たりだったと思います)、送りバントで1死2塁とした後、斉藤君は止めたバットに当たったっぽい不運なピッチャーゴロで2アウト。しかし続く4番小野寺君はライトオーバーの2ベース!!さすが!!再び同点に追いつきます。この回ヒット2本、いずれもクリーンヒットで、ようやく捉えられたかな?先制されてからこの方、修徳にペースを握られていたこの試合ですが、後攻だし、次の9回表を抑えれば、こちらのペースに持ち込めるはず!

その9回表は6番大友君から。大友君はサードライナーで1アウト。続く鳥海君も討ち取ったあたりではありましたが三塁よりのいやらしいピッチャーゴロ。これに皆川君が足を滑らせて転倒、しかも(間に合わないタイミングでしたが)1塁に送球……が高く逸れ、ランナー2塁。投げたい気持ちは痛いほどわかるけど、でも、どう見てもムリだったよな……この試合、逆に間に合いそうなのに投げなかったケースもあって、それが素人観客の思い過ごしならいいけど、そうでないなら、勇気を持って投げるべきところとそうでないところのギリギリの判断ができるようになって欲しいし、ムリなら周りが止めるとか…(ムリかな)

そして迎えるは8番のピッチャー高橋君。でも前の打席でもタイムリー打ってるように、油断ならない。8番9番のピッチャーって、8番9番の打力じゃない人がよくいるのが恐い(汗)

その高橋君は三遊間を抜くヒットで1・3塁からスクイズで再び勝ち越され、送りバント後に1番藤井君に(この展開からすれば)決定的とも言えるセンター前タイムリーを浴び、4-2、9回裏も三者凡退に抑えられ、関東一の春は、初戦敗退に終わりました。

初戦でいきなり強敵との対戦、調子の問題もあったのかもしれませんが、攻守共に、特に打線が高橋君の投球に力負けした試合だったと感じました。展開的にも接戦ではありましたが、終始リードされ、追いついてもすぐに取り替えされるという相手ペースの苦しい試合。

でも、先発した上田君の好投や、今度は望みを繋ぐリリーフを見せた皆川君、盗塁がことごとく決まっていたのも嬉しかったし、2度追いつく粘りも見せたし(8回の小野寺君のタイムリー2ベースには痺れました)、ミスもありましたが、夏までにはまた力をつけて、見違えるような姿を見せてくれると信じてます。

震災、そして原発問題の影響で大揺れだった今年の春。夏もその影響は必至で、全チームノーシードのフリー抽選によることが既に決まっています。今後は節電の要請も更に強くなり、日程や試合開始・終了時刻にも影響するかもしれません。周りを取り巻く環境も、常に非常事態と隣り合わせ、戦後世代にとってはこれほどの不安な日々は初めてなのではないでしょうか。でも、だからこそ、その中でも野球ができること、見られることの喜びをみんなで噛みしめることの出来る夏になって欲しいと祈っています。