20190429 春季埼玉県大会準々決勝 春日部共栄×埼玉栄、花咲徳栄×東農大三

県大会も折り返し点を過ぎ、今日は準々決勝。休日とはいえ、春の準々決勝だし…と甘く見て、少しゆっくりめに出て県営についたのは試合開始の30分ちょっと前だったのですが、チケット売り場に見たこともない長蛇の列が!!3塁側のチケット売り場前まで伸びていました。とっくに開門しているはずなのに、どうしたんだ一体…確かに好カードではあるけど…係の方たちもちょっと慌てたようすで、予想以上の人出だったのかもしれない。入ってしまえばキャパ的にはまったく問題ない程度の並びなのでいいのですが、どうして?という疑問は拭えない。あるとすれば、例年なら準決勝が春関出場権がかかる一番の山場だけど、4校出場の今年は準々決勝がヤマだということでしょうか。「これで共栄がセンバツで活躍してたら、並びもこんなもんじゃすまなかったよなあ」と列の近くで慨嘆する声に、ちょっと複雑な気分。

 

◆第1試合 春日部共栄4-3埼玉栄

昨秋は県大会優勝&関東大会準優勝で22年ぶりのセンバツ出場を果たした共栄と、昨秋は県内ではほぼ無敵だった花咲徳栄を延長の末破ってベスト8に進出した栄の対戦。

まずびっくりしたのが共栄のメンバー発表。キャプテンでキャッチャーで5番の石崎君がスタメンどころかベンチにも入ってない…急病とか何かアクシデントがあったのでしょうが(※翌日のスポニチの記事によれば体調不良で欠場)、強敵相手に要を欠いた状態で挑むということになってしまいました。とにかく、急遽代役となった上原君をはじめ、皆で頑張ってもらうしかない。

 

栄は左腕エースの北村君、共栄はもちろん村田君が先発。

1回表。先攻の共栄は、1番黒川君がレフト前ヒットで出ると、2番木村君の打席で盗塁を決め、3番平尾君のライトへの良い当たりのライナーでしたが栄のライト江城君がキャッチ…してから黒川君は3塁へスタート。ところが直後に江城君が落球、黒川君は3塁ベースを回って一気にホームへ!捕球自体は認められたので2アウトにはなりましたが、これで1点を先制。ナイスラン♪

ところが1回裏。村田君は立ち上がりを突かれ、1番の北口君に右中間への3ベースヒットを打たれると、2番庄司君にもセンター前を打たれてあっという間に同点に追いつかれる。しかし3番清水君の打席で今日初スタメンの上原君が2盗見事刺して1アウトランナーなし。清水君にはセンター前ヒットを打たれますが4番和田君はショートゴロダブルプレーに打ち取り、1点で止める。

その後、3回にも共栄が1点入ると5回裏に栄が1点返し、試合はシーソーゲームの様相を呈してくる。双方もっと点の取れるチャンスはあったのですが、互いに盗塁死や牽制死でチャンスを潰したり、決定的なあと一本が出ない、という感じでしょうか。

しかし7回表に栄が、前の回に3死四球を出した先発の北村君に代えて背番号11の左腕田村君をマウンドに送ると、少し流れが変わる。

簡単に2アウトを取った田村君ですが、2番木村君がレフトオーバーの2ベースで出ると、3番平尾君は四球で歩かせ、バッターボックスには4番の村田君。今日はノーヒットの村田君でしたがここでは左中間に走者一掃のタイムリー2ベースを放ち、ようやく2点を勝ち越す。

8回裏には栄も3番清水君のレフト前、4番和田君のレフトオーバーの2ベースでノーアウト2・3塁と一打同点のチャンスを迎えますが、ここは村田君がふんばりセンターへの犠牲フライ1点に止める。

結局9回も双方無得点で、4-3のまま試合終了、共栄が準決勝進出&関東大会出場を決めました。おめでとうございます。

 

今日は村田君の調子が今一つ、栄も上位打線中心に活発で(捉えた当たりは鋭くてさすが!)ピンチも多かったのですが、上原君が盗塁を2つ刺したり、守備陣もノーエラーで支え、何とか逃げ切った形になりました。攻撃の方は牽制死2つなどもあったし、まだまだこれから…!なのでしょうが、準決勝まで少し日が空くこともあり、今後に期待です。石崎君が体調戻して無事復帰できますように。そして村田君もこれで3試合完投なので、準決勝では誰が先発するのかも気になるところです。

【試合スコア】

共 栄 101 000 200 4 H10 E0

埼玉栄   100 010 010 3 H11 E1

共 栄:村田ー上原

埼玉栄:北村(6)、田村(3)ー庄司

 

◆第2試合 花咲徳栄5-7東農大三

昨秋県準優勝の東農大三と、久々のノーシードとなった徳栄の一戦。ノーシードと言っても徳栄の打力には圧倒的なものがあり、東部地区予選からの3試合はいずれも二桁得点のコールド勝ち。大会屈指の好投手・飯島君がどれだけ抑えるかが注目の的だったわけですが…

先攻の徳栄に対し飯島君は三者凡退と上々の立ち上がり。

1回裏には徳栄の先発・背番号11の左腕・和田君に対し、1番畔上君がライト前ヒットを放ちますが後続は断たれ無得点。

2回表、先頭の4番・井上君は1-2と追い込まれ、外角低めの球に泳いだ感じでしたがセンター前に落ちるヒットで一気に3塁へ!!いやー驚いた。空振りするかなと思った球に腕が伸びて届いてしまうのも、野手の間にボールが落ちる隙をついて一気に3塁まで行ってしまうのも。やっぱ凄い…

続く羽佐田君はサードを襲う強い打球、これがサードの畔上君のグラブをはじいた…かと思ったら後ろや横に逸れることなく、そのまま畔上君のグラブに収まり、3塁ランナーは釘付けのまま1塁送球で1アウト。更に6番近藤君は三振で2アウトまで漕ぎつけますが、7番中井君の強い打球がまたまたサードへ。畔上君はこれもよく止めましたが1塁送球が逸れる間に3塁ランナーが生還、徳栄が1点を先制。

しかし2回裏。先頭の5番・飯島君がショートへの難しい当たり、韮澤君もよく捕りましたが送球が逸れ、ランナーは2塁へ。送りバントで3塁に進めた後、7番松本春君の打席で1-1からランナースタート。松本君はサードゴロでランナー生還、東農大三がすぐに1点を返す。

更に3回表を三者凡退に抑えたその裏、ヒット2本と四球で1死満塁となったところで5番飯島君がレフトオーバーの走者一掃のタイムリー2ベースを放ち3点を追加、更にショートゴロエラーと7番松本春君のスクイズ(ナイスバントでした♪)で更に1点、5-1とリードを拡げる。

しかし徳栄も中盤に入り5回6回と、集中打はないものの1点ずつをあげ、5-3と2点差に追い上げる。

しかし直後の6回裏東農大三は、前の回から和田君をリリーフしたエース左腕の中津原君に対し、8番の田島君が右中間へのヒット、9番の西山君の送りバントを中津原君が拾えずノーアウト1・2塁。送りバントで2・3塁とした後、内野ゴロと3番加納君のレフトオーバー2ベースで貴重な2点を追加!再び4点差とします。

ところがさすが徳栄、7回表にヒット3本を集めてすぐに2点を取り返し、7-5と再び2点差に迫る。

8回表。徳栄は打順よく3番の韮澤君から。韮澤君はファーストへの痛烈!なライナーでしたがファーストの井口君が好捕、1アウト。続く井上君は変化球に空振りの三振。ここであれっと思ったのは、ベンチに戻ろうとする井上君をキャッチャーの小島君が追っかけてってネクストの手前辺りまで来てタッチしてたこと。ダメ元で1塁へ走っても良かったんじゃないかな…はっきりこぼしていたか微妙だし、タイミング的には到底間に合わないだろうけど、もしかしたらって可能性はあったんだし。

その後は飯島君にも疲れが出たのかストレートの四球が連続して2死ながら1・2塁のピンチを迎えますが7番中井君はライトライナーに倒れ、無得点。

その後も双方無得点で7-5のまま試合終了、東農大三が徳栄を降して準決勝進出&関東大会出場を決めました。おめでとうございます。

 

試合終了直後、抱き合って喜ぶ、東農大三ナイン。夏の埼玉大会4連覇中、2017年の全国制覇も記憶に新しい徳栄を破った喜びはひとしおだったと思います。徳栄の打線に対するのは本当にプレッシャーあったと思いますが、飯島君ナイスピッチングでした。打線も徳栄の8を上回る11だし、3回に4点を挙げて握った主導権を、プレッシャーに負けて手放すことなく最後まで戦ってました。攻撃も普通に打って取った点もあればランナー3塁でのエンドランとかスクイズとか、多彩でしたね。関東大会にも期待してます(てちょっと早いですが…)

個人的には1番のサード畔上君。小柄な2年生で昨秋は9番だったと思いますがこの試合では1番を任されて打っては4打数3安打、3バントも綺麗に決めたし、守っても好守(悪送球もあったけど)と見ていて楽しくなりました。

徳栄は飯島君のピッチングに抑えられ(って言っても5点も取ってるわけですが)守りでもエラー4とちょっと元気なかったように思いますが、それだけに巻き返しが怖い…夏に徳栄を倒すのは容易ではないと思いますが、この試合が東農大三だけでなく、県内の他校にも勇気を与えるものになればいいなと期待してます。

 

【試合スコア】

花咲徳栄 010 011 200 5  H8 E4

東農大三   014 002 00x 7  H11 E1

花咲徳栄:和田(4)、中津原(4)ー菅原

東農大三:飯島ー小島

 

それにしても、これで共栄、農三、浦実、山村学園と、ベスト4が出揃ったわけですが、秋と比較すると立教新座が山村学園になっただけで残り3校は変わらない。浦学と徳栄がノーシードだっただけに、大幅に入れ替わると予想していたのですが、やや意外な結果になりました。そういえば東京でもここ数年、秋の都大会の決勝進出校がそのまま春も決勝進出していて、何か理由があることなのか、それともたまたまなのか、興味深いところです。