20190715 東東京大会3回戦 帝京×実践学園、紅葉川×日大一、成立学園×雪谷~シード校初戦突破~

朝方は結構降ったものの、定刻通り試合開始する頃にはほぼ雨も上がり、昨日に比べれば状態は良いのかな、という感じの神宮球場。三連休最終日の今日は、第3シードの帝京、第4シードの紅葉川と雪谷が揃って登場します。梅雨が終わってないのは仕方ないとして、長袖の上着着て水筒にはホットコーヒーとか、春季大会より寒いのはもう勘弁して(泣)いざ梅雨が明けて急激に気温が上がったときの、選手や観客の体調も本当に心配だし。

 

 

◆第1試合 帝京×実践学園

帝京は初戦、実践は初戦をコールド勝ち、2回戦は共栄学園を8-5で破って2勝をあげてこの3回戦に臨んでいる。

後攻の帝京は背番号10の長身左腕田代君、先攻の実践はエースの右腕松岡君の先発で試合開始。

2回表、実践は先頭の5番久保君が四球でノーアウトのランナーを出すも、続く6番加川君の送りバントが転がらずキャッチャー浜崎君のすぐ前に。すかさず2塁送球→1塁転送でダブルプレー。これで2死ランナーなし。次の鳥居君がレフトオーバーの2ベースだっただけに、勿体なかった…浜崎君の守備も良かったし、グラウンド状態の影響でボールが上手く転がらなかった不運もひょっとしたらあるのかもしれませんが。田代君は続く8番紺野君に死球を与えて1・2塁となりますが後続は断って無失点で切り抜ける。

直後の2回裏。帝京の先頭、4番の小松君が内野安打で出ると、実践は続く5番の藤波君の3バントをファウルに仕留める。しかし6番武藤君は2ストライクからライト前ヒット、7番加田君は四球で1死満塁。続く浜崎君のショートゴロエラーで帝京が1点を先制。ゲッツーコースだったので勿体なかった…

3回裏にも2死1塁からの2盗に対するキャッチャーの2塁送球が逸れてセンター前に抜け、ランナーが一気に3塁へ。四球で1・3塁となったところで5番藤波君の左中間まっぷたつの2ベースで更に2点。

その後は双方ランナーを出し、何度かピンチも迎えますが良く凌ぎ、3-0のまま試合終了、帝京が4回戦進出を決めました。

エラー絡みで勝敗が決した感もありますが、締まったいい試合でした。実践の5回裏のライトライナーを好捕→1・2塁間に返球→1塁に帰塁しようとしたランナーにそのままタッチアウトでチェンジや6回裏の2死1・2塁からのセンター前→ホームタッチアウトには観客席も湧いていたし、帝京もエラーやバッテリーエラーがありながらも慌てず後続を抑えているのは、ここしばらくの帝京とは違う感じがしました。田代君はそんなに凄い速い、という感じではないと思うのですが(少なくともこの試合では)、アウトコース低めを打ち返すのは簡単じゃないような気がする(汗)

【試合スコア】

実践 000 000 000 0 H6 E2

帝京    012 000 00x 3 H8 E1

実践:松岡ー柘榴

帝京:田代ー浜崎

 

◆第2試合 紅葉川×日大一

ショッキングピンクの日大カラー3塁側スタンド。1塁側の紅葉川はチームカラーは真紅で、応援団ももちろん真紅なのですが、チアのコスは明るい黄色。校名に相応しい配色が素敵 ♪

後攻の日大一は左腕の岩瀬君、先攻の紅葉川は右スリークォーター気味の砂川君、共にエースが先発。

日大一高は1回戦・2回戦共にコールド勝ち。第4シードの紅葉川は今日が初戦。グラウンド状態も濡れて良くないし、試合の入り方が心配されましたが、前半は静かに試合が進みます。4回までは紅葉川のランナーは四球のランナー1人のみ。日大一は四球やヒットでノーアウトのランナーが3回出ますがいずれも紅葉川が無失点で切り抜ける。特に、4回裏は先頭にヒットを打たれた直後のボークでノーアウトランナー2塁のピンチを迎えながらも後続は抑えてランナー2塁に止めたまま無失点で抑えます。

そして直後の5回表、1死から、それまでノーヒットに抑えてきた岩瀬君から6番和田君、7番菅澤君、8番砂川君と下位打線の3連続長打で紅葉川が2点を先制。ちょっと球が高くなってたような気がするなぁ…そして連続四死球で1死満塁となってからのレフト前で更に2点を追加、4-0。尚も1死1・2塁となったところで背番号11の右サイド梅村君にピッチャー交代。代わった梅村君は3番藤川君をセカンドゴロに打ち取りますがゲッツーを狙った1塁送球が悪送球となる間に2塁ランナーが生還。紅葉川がこの回一挙5点を挙げます。

大量リードをもらった紅葉川の砂川君は、5回6回7回をノーヒット、四球1つに抑えます。イレギュラー気味に跳ねた打球を上手く処理したショートの藤川君をはじめ、内野陣の守備も軽快。そういえば5~7回は外野に飛んでない…

そして8回に2点を追加した紅葉川が裏を無失点に抑え、7-0の8回コールドで4回戦進出を決めました。

日大一としては後半はほぼノーチャンスだっただけに、前半ノーアウトのランナーを出せているうちに活かせなかったのが痛かった…でもそれも紅葉川の守備陣がキッチリ守り抜いたから。快勝というに相応しい試合だったと思います。

【試合スコア】

紅葉川 000 050 02 7 H7 E0

日大一    000 000 00 0 H3 E1

紅葉川:砂川ー鈴木

日大一:岩瀬(4 2/3)。、梅原(3 1/3)-入江

 

◆第3試合 雪谷×成立学園

成立学園は、3年生のベンチ入りはわずか6人という若いチームですが、1回戦2回戦を大勝のコールド勝ちで勝ち上がってきている。

後攻の成立は背番号1の大澤君、先攻の雪谷は背番号18の1年生・村田君が先発。ともに右腕です。

試合は1回からいきなり動き、1死から2番横尾君のライトオーバーの2ベース、バッテリーエラーと四球で1・3塁としたところで4番松下君のセンター前に落ちるヒットで雪谷が1点を先制。その裏、成立の1番和田(虎)君が左中間への2ベースを放ち、送りバントで1死3塁と同点のチャンスを作りますが3番4番か連続三振!

その後も試合は雪谷ペースで進み、3回に2点、6回にも1点を追加。成立としてはバッテリーエラーやエラーなど守備のミスが絡んでの失点だったので勿体なかったかな…成立もヒットや四死球、エラーとランナーは出るのですが、なかなか打線がつながらず、3本の長短打を集めた4回裏に1点を返したのみ。

そして7回表、今日は2打数2安打、しかも2ベース1本3ベース1本の2番・横尾君の右中間への2ベース(成立の外野も完全に抜かれたわけではなかったけど、ナイスランでした)を皮切りに、直後の四球で交代した成立の2番手・背番号11の田中君からも3本の長打を放ち、一挙4点。8-1とします。

それにしても、初回からここまで成立は一度もタイム取って亡いような気がする…どこかで取っても良かったと思うけど…それとも私の見落としか?

ところがどっこい、コールド点差が付いた7回裏、背番号11の右腕・穂積君にピッチャー交代すると雲行きが怪しくなる。先発の大澤君も120球近くなっていたし点差もあったので交代は潮時だったと思いますが、やっぱりキッチリコールドの点差がついていたことが、成立はなんとか1点もぎとろうとするし雪谷(特にピッチャー)はこの回で終わらせたいと思うだろうし、双方に微妙に影響したかもしれません。

先頭の和田(銀)君にセンター前ヒットを打たれると、続く岸君には四球、4番の関君はファーストファウルフライに打ち取り1死としたものの、その後はショートゴロの守備で足を滑らせた内野安打に連続バッテリーエラーが続いて成立が2点を返す。その後も連続内野安打で1点を追加、成立が4-8とコールド負け寸前から追い上げ、なおも2死満塁で1番和田(虎)君。残り2イニング、これ以上返されると雪谷としても苦しい展開だったと思いますが、和田君はファーストライナーで4-8で8回表へ。

成立の3番手・背番号19の左腕・青木君は8回表を四球は出しながらもノーヒット、無失点に抑えます。

そして8回裏。穂積君が先頭の2番和田(銀)君にストレートの四球を与えると、雪谷もここでピッチャー交代。3番手に背番号10の深田君をマウンドに送ります。投球練習が始まるとスタンドにざわめきがおこる。深田君はアンダースロー。10年くらい前は結構見かけたアンダースローですが、今は滅多に見かけない。もともとアンダースローは打ちづらいと言われているしアンダースローを打つ機会も少ないはずなので、ここで出されるのは成立としてもイヤでしょうが、スピードはそんなにないし、上手くコントロールできなくて死球になってしまうことも結構あるので雪谷としても(4点差あるとはいえ)この場面でマウンドに送るのは勇気が要るはず。逆に言えばそれだけ信頼もあるということなのでしょうか。

その深田君は期待に応え、3番4番をショートゴロとセカンドフライに打ち取り2アウト。その後はヒットと四球で満塁となりますが後続は断って無失点で切り抜ける。

9回も双方ランナーを出しながらも無得点に終わり、8-4で雪谷が勝利、4回戦進出を決めました。

共に2ケタ安打、ヒット数はむしろ成立の方が多いのですが、雪谷の11安打のうち長打が6本と長打攻勢が印象に残る試合でした。そして追い上げられた終盤を無失点で守り抜いたアンダースローの深田君も…

【試合スコア】

雪谷 102 001 400 8 H11 E1

成立 000 100 030 4 H14 E1

雪谷:大澤(6)、穂積(1 0/3)、深田(2)ー永江

成立:村田(6 0/3)、田中(1)、青木(2)ー藤田

 

 

 

シード校が力を発揮して初戦を突破した3試合でしたが、相手の3校、特に実践学園の守りと成立の攻撃は、やっぱり力あるなーと感じさせるものでした。