20191002 茨城国体決勝 関東一×海星

いよいよ決勝。前回出場した2010年の千葉国体では雨で途中打ち切りになったように、天候に恵まれないことが多い国体ですが、今回は連日真夏のような強い日差し。今日もすっきり晴れてます。

決勝とはいえ和やかな雰囲気もあり、試合前、ベンチ前で元気よく気勢を上げる海星ナインにスタンドから拍手がわきおこると、釣られて(?)1塁側の関一ベンチの皆も拍手しとる…いいんかい(笑)

 まだ都大会以外で優勝したことのない関一もそうですが、海星も勝てば初優勝、という顔合わせ。

先攻:海星

1センター松尾悠

2サード坂本

3ショート松尾倫→ピッチャー

4ファースト大串

5キャッチャー太田→H福田→植木

6セカンド高谷→ライト→セカンド

7ライト宮原→H繪柳→セカンド溝口→ショート

8レフト村上→金色

9ピッチャー柴田→江越→H西川→ライト

履正社戦に続き、エース右腕の柴田君が先発。昨日7イニング投げているので、どこかで背番号11の江越君への継投があるのでしょうが…野手のスタメンは昨日と同じ。

 

後攻:関東一

1センター大久保

2ライト藤松→ピッチャー土屋

3ショート渋谷

4ファースト平泉→ライト

5キャッチャー野口

6レフト根崎→平川

7サード金森→H長嶋→サード

8セカンド村岡

9ピッチャー谷→H藤原→ライト→H谷口→ファースト

こちらも昨日5イニングの谷君が先発。土屋君は昨日登板なし、市川君も2イニングだけなので、関一の方が少し余力あるかもしれません。

 

1回表。先頭の松尾悠君のショートゴロが内野安打となり、初っ端からランナーを背負う立ち上がりとなりましたが、2番坂本君のところでエンドラン空振りだったのか三振+盗塁失敗で2アウトランナーなし。3番松尾倫君のレフト前ヒットで再びランナーを出しますが、4番大串君の打席で再び2盗を刺して切り抜ける。どちらも野口君の素晴らしい送球でした ♪ 谷君もヒットは打たれてるけど、昨日よりは落ち着いたピッチングに見える。

1回裏。先頭の大久保君がレフト前ヒットで出ると、2番藤松君の打席でボークがあり2塁へ。藤松君のセンター前ヒットで生還して1点を先制。ホーム送球間に藤松君も進塁してノーアウト2塁とチャンスが続きますが、後続は倒れ1点止まり。うーんもう1点くらい欲しかったかな…柴田君はちょっとスリークォーター気味かな?という感じの右腕。スピード表示も130出ないくらいですが技巧派で、昨日の履正社もランナーは出すけど結局かわされて点が入らない…という展開が続いていたので二の舞にならないか、ちょっと心配。

でもとにかく1点先制したんだし!と臨んだ2回表。4番5番を打ち取り2アウト、6番高谷君も2ストライクと追い込みますが、バントの構えで揺さぶってヒッティングに来る高谷君にフルカウントまで戻されてファウルで粘られ、甘くなったところをバントの構えからレフトスタンドへのホームラン!すぐに同点に追いつかれる。ナ、ナイスバッティング…

2回裏。先頭の根崎君がレフト線への2ベースで出ると、続く金森君は3塁方向への送りバント、ピッチャーが打球を拾いますがサードも出ていたため3塁ベースカバーなく、1塁も間に合わずオールセーフ、ノーアウト1・3塁。さらに直後の村岡君の打席の初球2盗で2・3塁とチャンスを拡げる。

ところが村岡君のレフトライナーがやや浅く、ランナーは動かず1アウト。続く谷君はファーストへの高いバウンドのゴロでしたが大串君が上手く捌いてホームタッチアウト。大久保君もセカンドゴロに倒れ、絶好のチャンスを逃してしまいます。

初回といい、ちょっと嫌な雰囲気。しかし3回表は谷君が三者連続三振!

そしてその裏、1死から3番渋谷君が初球を叩いてレフトスタンドへのホームラン!再び1点を勝ち越した興奮もさめやらぬなか、続く平泉君の打球もレフトスタンドへ…願ってもない二者連続本塁打で、3-1とリードを拡げます。

4回表。海星の先頭、2番の坂本君が左中間へのヒットで出ると、続く松尾倫君の打席でバッテリーエラーが出てノーアウト2塁、セカンドゴロで1死3塁。4番の大串君も三振にとりますが、ここもボールが大きくこぼれて3塁ランナーは生還、ファーストも間に合わず1死1塁。3-2と1点差に追い上げられ、次の太田君の打席でもバッテリーエラーで1死2塁。それでも何とか後続は抑えて同点は許さない。バッテリーエラーがなければ無失点で追われた内容だったので、ちょっと勿体なくはあるけど…

そういえば甲子園での熊本工業戦でも突然バッテリーエラーが連発したことあったよな…そういうのは何も関一に限ったことじゃなく、他のチームでもときどきあること。これってキャッチャー側の疲労とか緊張とかもあるんだろうけど、ピッチャーの球が急にキレてきたっていう要因もあるのかな…と今更ながら思ってみたり。

4回裏の海星は、背番号11の江越君にピッチャー交代。初戦・準決勝とリリーフ登板していずれも無失点の江越君から、関一打線は追加点取れるか。

この回先頭は8番村岡君から。初球を叩いてセンター前ヒットで出ると、続く谷君はストレートの四球、大久保君のセーフティバント成功でノーアウト満塁。江越君の立ち上がりを攻めて大チャンスを作ります。

そして1死から渋谷君が粘って押し出し四球を選び4-2、4番平泉君がサードファウルフライに倒れ2死となりますが5番野口君はセンター前に2点タイムリーを放ち、6-2と更にリードを拡げる。序盤は大チャンスを作っても、なかなか点に結びつけられなかったけど、ここではアウトを重ねられながらも繋いで着実に3得点。これなら…!

6回からは昨日登板のなかったエース土屋君がリリーフ。6回表は三者凡退、7回8回もテンポ良いピッチングで、ヒットでランナーを出しながらも併殺で切り抜ける。

攻撃では7回8回にもそれぞれ2点ずつ追加し10-2で迎えた9回表。

ショートゴロと三振で2アウトとしたところで、バッターボックスには4番の大串君。空振りとファウルで2ストライクと追い込み、最後はストレートで見逃しの三球三振でゲームセット!おめでとう!!

(球場ではわからなかったけど、後でダイジェスト動画見たら、最後の一球のサイン出されたとき、土屋君がマジ?って感じで笑ってた…確かに3球勝負で最後はストレートなんてベタなのは、このバッテリーではあんまなかったかもしれない。ナイスリード&ナイスピッチング!)

昨秋は戦績も内容もお世辞にも良いとは言えなかったチームがついに日本一。土屋君谷君のダブルエースと野口君のバッテリーと守備陣、切り込み隊長大久保君や平泉君たち中軸を中心とした打線の繋がり。どれも完璧とか絶対とかいうのではないけど、全員の力が噛み合って補い合い、チームとしてここまで力を発揮できたのを最後まで観られて、ファン冥利につきます。最後までこのチームらしい戦いでした。

 

【試合スコア】

海 星 010 100 000 2 H7E0

関東一 102 300 22x 10  H16E0

海 星:柴田(3)、江越(4)、松尾倫(1)ー太田(6)、植木(2)

関東一:谷(5)、土屋(4)ー野口

 

夏までとは違った和やかな雰囲気の中で行われた国体。この決勝も両チーム初優勝を目指して真剣ではありながらも楽しい試合だったと思います。スタンドが静かな分、普段は聞こえにくいグラウンドやベンチの声も耳に届いて面白かった。海星の「インコースだーインコースつけー」という声援の直後にアウトローが来ちゃったりすることが何度かあったのとか、いかにも過ぎて可愛かった(笑)

試合後の両チームの笑顔を見ても、来てよかったとしみじみ思える大会でした。

これで旧チームの公式戦はすべて終わり、3年生は完全に高校野球を引退して次の進路と最後の高校生活へ、下級生は新チームに戻り再び甲子園を目指すことになる。この1年間がそうだったように、これからも困難で苦しい局面もあると思いますが、(米澤監督の勝利インタビューでの言葉を借りれば)「全力で楽しく」、それぞれの道を進んで行って欲しいなと思います。お疲れさまでした!

 

ところで、球場では無料のドリンク提供があって本当に助かりました。特に初日や2日目は、朝買ってきたペットボトルはすぐにカラになるかホットになり、自販機は売り切れ出店はどこも行列…という感じだったので、あれがなかったら日干しになるところだった…ありがとうございました。