秋季東京都大会過去10年~雨天中止の歴史など~

また雨天順延ですよ…しかも江戸球の試合は明日の立川に移動…立川って遠いし見づらいし…というのはいち観客の些末な事情に過ぎませんが、変更に次ぐ変更は選手をはじめ大会に関係する全ての方にとって大きな負担で、本当に大変だと思います。お疲れさまです。それにしてもここ最近、秋の日程がグダグダに崩れることが多い印象あるよな~

 

というわけで、暇になってしまった今日は、実際に秋季大会の日程がどの程度雨にたたられてきたのか、過去10年を振り返ってみることにしました(以下、東京都高野連HPの過去の大会のトーナメント表に基づいて記載。引き分け再試合による日程変更は省略)

 

 

【2009(H21) 10/3(土)~25(日) 変更2回 参加48チーム 優勝:帝京】

球場:7球場(神二、江戸球、上柚木、駒沢、立川、八王子、府中)

変更2回(10/3 雨天中止、10/7台風接近)

<コメント>

帝京が13-1の大差で菅生を破って優勝した大会(ちなみに翌春のセンバツには準決勝で帝京と接戦の末に敗れた日大三高も選出され、準優勝の成績を収めた)。

この年から、本大会出場校を24チーム→48チームに増枠。試合数も増えたが神二・江戸球・立川のみだった使用球場に八王子・上柚木・府中・駒沢を加えて序盤戦を乗り切り、前年までと同じく10月中に収めた。ただし、体育の日の3連休に2回戦3回戦が詰め込まれ、わずかな変更があっただけでも連戦が生じやすい日程となった。

 

【2010(H22) 10/2(土)~24(日) 変更2回 参加48チーム 優勝:日大三】

球場:6球場(神二、昭島、一本杉、江戸球、上柚木、駒沢)

変更2回(雨天中止※中止日の記載がないがおそらく10/9、10/10の降雨によるもの)

<コメント>

日大三高が国学院久我山を4-0で破り優勝した大会。三高は神宮大会でも優勝し、久我山は翌春のセンバツに神宮枠で選出されることとなった。基本的な日程は前年度を踏襲。

 

【2011(H23) 10/8(土)~30(日) 変更2回 参加48チーム 優勝:関東一】

球場:6球場(神二、昭島、一本杉、江戸球、上柚木、府中)

変更2回(10/15雨天中止、10/22雨天中止)

<コメント>

関東一が帝京を2-0の完封で破り優勝した大会。日程的には(国体への参加に配慮してか?)10月第1週を外して体育の日の3連休の開幕となった。3連休中に1・2回戦の2試合が組まれたブロックと、翌週の土日に2・3回戦が組まれたブロックがあり、ブロックによって試合日程が大きく異なる櫓になっている(これは前年の組み方の方が公平感あったと思うなあ…)。10/22の雨で、土曜日の準々決勝が月曜日の昭島に飛ばされてしまったのはそれまであまり記憶になく、個人的にインパクト大だった。

 

【2012(H24) 10/6(土)~28(日) 変更1回 参加48チーム 優勝:安田学園】

球場:8球場(神二、昭島、一本杉、江戸球、上柚木、駒沢、立川、府中)

変更1回(10/7雨天中止)

<コメント>

安田学園が早実を2-1で破り優勝した大会。翌春のセンバツには両校が選出された。日程は前年度を踏襲。雨天中止による日程変更も小規模なもので済んだ。

 

【2013(H25) 10/12(土)~11/10(日) 変更2回 参加48チーム 優勝:関東一】

球場:9球場(神宮、神二、昭島、一本杉、江戸球、上柚木、駒沢、立川、府中)

変更2回(10/20雨天中止、10/26雨天中止)

<コメント>

関東一が二松を延長10回7-6で破り優勝した大会。ベスト8入りを果たした小山台が21世紀枠で選出され、関東一と共に翌春のセンバツに出場した。

この年から、準決勝・決勝の使用球場が神宮球場となる。このため準決勝・決勝は東京六大学秋季リーグの日程終了後の11月上旬に後倒しになった。これで序盤戦の日程をきっちり空けることになったかと思いきや、2回戦・3回戦は1週空いたものの、1・2回戦はやはり体育の日の3連休に詰め込まれ、逆に準々決勝と準決勝までが2週空くことに…妙な日程に思えたが、たまたまなのか都高野連の慧眼か、昨秋に引き続き雨にたたられた準々決勝が空いていた11月第1週に丁度良く収まった。去年の月曜昭島の悲劇(その方が良かった人もいるだろうけど、まあ多くの人にとって)を繰り返すことなく。

ちなみに、第二球場をメイン球場としていた東都大学2部リーグも、神宮球場からの要請を受けてこの秋をもって神宮第二から撤退しているし、神宮大会での使用も2013年が最後となった。神宮第二球場との別れの始まりとも言える秋。

【2014(H26) 10/11(土)~11/9(日) 変更0回 参加48チーム 優勝:東海大菅生】

球場:6球場(神宮、神二、一本杉、江戸球、立川、八王子)

変更なし

<コメント>

菅生が二松を3-2で破り優勝した大会。翌春のセンバツには両校が出場した。天候に恵まれ終始順調に進行した。

【2015(H27) 10/10(土)~11/9(月) 変更3回 参加48チーム 優勝:関東一】

球場:6球場(神宮、神二、一本杉、江戸球、立川、八王子)

変更3回(10/11雨天中止、10/17雨天中止、11/8雨天中止)

<コメント>

関東一が二松を4-3で破り優勝した大会。準優勝の二松は2年連続での選出はなく、翌春のセンバツには関東一のみの出場となった。3回の変更があるが、10/11は小規模で、成立×関東一の1回戦が順延になったのみ。しかし決勝が順延になったのは関東一が初優勝した2007(H19)以来のこと。うーんやっぱこういうところに雨男ぶりが…

 【2016(H28) 10/8(土)~11/3(木) 変更2回 参加64チーム 優勝:早稲田実業】

球場:7球場(神宮、神二、一本杉、江戸球、上柚木、立川、八王子)

変更2回(10/8雨天中止、10/9雨天中止)

<コメント>

壮絶な打撃戦の末、早実が8-6で三高を破り優勝した大会。センバツには両校が出場した。

この年から、本大会出場校を48チーム→64チームに増枠。櫓の不整形がなくなり、どのチームも優勝するためには6つ勝たなくてはならなくなった。1回戦の試合数が増えたことで3連休は1回戦消化だけで終わり、2回戦は翌週末となったので序盤戦の日程は大幅に緩和された。ところが決勝は珍しくも11/3文化の日と前倒しになっており、その分準々決勝・準決勝は10/29・30の連戦に。10月中なので準決勝で神宮は使えず神宮第二、準々決勝は1日でこなすために神宮第二と八王子で同日開催。これは観客としては残念至極(64試合は初めてだったし何があるかわからないから、お尻に余裕を持たせたのはやむを得ないと思うけど)。

結果的には3連休の雨で1回戦に多くの順延があったものの、単純に火曜日・水曜日に延びただけだったので2回戦以降の日程には影響なし。2回戦での対戦校同士の1回戦からの試合間隔も概ね公平性が保たれていた。

【2017(H29) 10/7(土)~11/5(日) 変更5回 参加64チーム 優勝:日大三】

球場:9球場(神宮、神二、昭島、一本杉、江戸球、小野路、上柚木、八王子、府中)

変更5回(10/7雨天中止、10/15雨天中止、10/17コンディション不良、10/21雨天中止、10/29台風接近)

<コメント>

三高が佼成学園を11-5で破り優勝した大会。三高はすべての試合を大差で勝ち抜き、センバツには1校のみの選出となった。

日程の組み方は基本的に前年を踏襲したが、11月上旬の土日を準決勝・決勝に充てる日程に戻る。しかし相次ぐ天候不順で櫓は原形を留めないまでに変更された。10月上旬から下旬までずっと酷い天気だったのが特徴。

【2018(H30) 10/6(土)~11/4(日) 変更0回 参加64チーム 優勝:国士館】

球場:8球場(神宮、神二、昭島、一本杉、小野路、上柚木、立川、八王子)

変更なし

 <コメント>

国士館が菅生を4-3で破り優勝した大会。接戦の末に敗れた菅生は翌春のセンバツには不選出で、国士館のみの出場となった。日程は前年を踏襲したが、前年とは打って変わって天候に恵まれ、順調に消化された大会。

【2019(R元) 10/12(土)~11/10(日) 変更5回(10/22現在)参加64チーム ※開催中】

球場:9球場(神宮、神二、昭島、一本杉、江戸球、小野路、上柚木、立川、八王子)

変更5回(10/12雨天中止、10/13計画運休、10/14雨天中止、10/19雨天中止、10/22雨天中止)※10/22現在

<コメント>

当初日程は前年を踏襲したものだったが、稀に見る大型台風の襲来により3連休がほぼ吹っ飛んだ。大災害だったのでそれ自体は致し方ないことだったが、なまじ22日がイレギュラーな祝日だったためにそこを利用しようとしたらまた飛んでしまった…みたいな。そして、2回戦の錦城学園×久我山もそれに近かったけど、3回戦では片や連戦片や1週間空き、という日程の公平を欠くカードが幾つもできてしまった。疲労回復にしても相手を研究する時間にしても、差が大きくなり過ぎる…もちろんそんなことは運営側の都高野連だって「んなこたぁわかってんだよ!(泣)」て感じで、どうにも都合がつかなかったんだろうけど…

 

まとめ

なんか見直しているといろいろ懐かしい…というのはさておき。

天候だけでなく、参加校数や日程、使用球場も諸事情により移り変わりがあり、大会運営にあたる都高野連のご苦労が偲ばれます。

雨天順延は以前からそれなりにありましたが、最近は天気悪い期間の幅が広くなり、秋が深まってもずーっと悪天候が続く傾向が強くなっています(2015、2017、今年など)。移動性高気圧に覆われてさわやかな晴天が多くなると言われる10月ですが、近年の気候変動の影響でか、それも当てにならなくなってきてるようです。試合数も増えたから、その分身動きも取りづらくなってるし…(東京は一次予選では公営球場を殆ど使えないので、本大会出場校が増えたこと自体は良いことだと思ってますが)

10月の天候不順は今後もないとは言えないし、来秋からは雨に強い神宮第二も使えなくなる。できる限り各チームに負担少なく、公平に大会を進めるためには、開幕時期の前倒しなど、何らかの見直しが必要なのではないかと改めて思います(そういえば来年は体育の日が特例で7/24に移動させられるから3連休もなくなる。1回戦32試合を3連休で消化する、という手法は採れない。新しい日程を試すのには良い機会かも)

 そして、ゴルフ場こと神宮第二での最後の試合となる11月3日の準々決勝。天候に恵まれ、無事行われることを心から祈ってます。