20201025 秋季東京都大会2回戦 城北×関東一

 

1 秋の朝、駒沢オリンピック公園

雲はやや多めながら青空とのコントラストも美しい、日曜の朝。先週は初っ端から順延だったわけですが、今日は天気の心配はないようです。

オシャレな雰囲気の漂う公園の中に入ってしばらく歩くと、今は無人のスケボー場(10時オープン)の後ろに、去年新装オープンしたばかりの駒沢オリンピック公園野球場があります。他とは違う高級感の漂う(言い過ぎ)球場に入り、バックネット裏に出てみると、既に両チームのアップが始まっていた。

雲間から漏れる日差しが純白のユニに映える。ああ、いいなー。関一のユニにはこういう朝の光がよく似合う(実績を見れば、伝統的に雨男なんですけどね)。アップの様子を見ると、今日も手堅く市川君先発でいく模様。

対する渋いグレーのユニは城北高校。初戦で昨夏西東京代表・國學院久我山を12点差を跳ね返す大逆転で降してきているし、旧チームは今夏の東東京大会で、昨年一昨年と2年連続準優勝の小山台も破っている。更に昔の話をすれば、2013秋に前回対戦したときも、それまでずっと上位進出がなかったのに実力校を次々と降して勝ち上がってきていた。怖さと同時にどういう試合になるのかという興味も深いチームです。得点も多いが失点も多い城北の勝ち上がりを見て打撃戦になるのではと予想したのですが…

 

2 試合経過

関東一は市川君、城北は島田君、共にエース右腕が先発。

関東一は今日は先攻、打順は初戦で9番サードだった染谷君に変えて田中君が5番サードでスタメンに入り、以降の打順がひとつずつ下がっている。初戦では打線の繋がりがあまりよくなかったけど、この組替えはどう働くのでしょうか。

 以下、イニング毎の感想です。飛ばしたところもあるので詳細は一球速報様へどうぞ。※感想は自分のスコアブックを元にしているので、違うところがあるかもしれません。

baseball.omyutech.com

 
1回表

城北のエース島田君。181㎝の長身右腕ですがそんなにすごく速いわけじゃない……のはいいんですが逆に、ものすご~く緩い変化球を投げてくる。駒沢のガンがちょっと辛いのかもしれないというのはあるにしても、1回表はスコアボードの故障で表示されなかったけど試合を通じて80キロ代はザラ、80割ってるのすら1,2球あった。何しろ見ている方がじれったくなるくらいなので、バッターボックスではどんなにか…ストレートの球速表示が最速120前後なので緩急差も大きい。1番2番とファーストゴロに倒れ、3番初谷君がその緩い変化球にタイミングを外され、空振り三振に打ち取られる。

1回裏

そんなわけでちょっと嫌な予感の初回攻撃でしたがマウンドに立った市川君は、1番2番を連続で三球三振(見逃し)!3番の大西君も空振り三振、わずか10球で三者三振に打ち取ります。さすが!と思うと同時にそんなに最初からトバして大丈夫なのか?とそれはそれで不安になったり。何しろ球速表示が(1回裏にはスコアボードが直っていた)出だしは130前後だったのに2番3番への最後の球とかは140出てましたからねぇ…ただ2回以降は最後まで130中盤~後半で安定してたので、ペース配分考え直したのか、あるいは最初からそのつもりで、初回はあえてトバして行ったのか。

2回表

1死から連続四死球で1・2塁として7番岩見君の打席でバッテリーエラーがあり2・3塁(ただこのとき岩見君、ストップのジェスチャーしてなかったっけ?タイミング的には危なかったような…)。しかし岩見君もあの緩い変化球に空振りの三振、次の市川君もサードゴロ(おそらく1塁アウトになる打球)…を処理しているサードに2塁ランナーが交錯し、守備妨害でアウト。結構もろにぶつかってしまった…次からは気をつけてくれ~。もらったチャンスを活かせません。

2回裏

先頭の4番・加藤君に対してはボール先行、3-1からの加藤君の打球はやや詰まりながらライト線ギリギリに落ち、ノーアウト1塁。続く5番の井奥君は送るそぶりもなくヒッティングでしたがショートゴロゲッツー、後続も断ち無失点。

3回表

エラーで出たランナーを送りバントで2塁に進めた後、2番五十嵐君のセーフティバントが決まり1死1・3塁。これだよコレ!初戦ではなかったのでやっぱ嬉しい♪そして続く初谷君の打席ですかさず2盗で2・3塁とし、高めに入った球を初谷君が見逃さず右中間を破る3ベースで2点を先制し、なおも1死3塁。しかし続く井坪君は初球であの緩い変化球に崩されてファーストファウルフライ、田中君はストレートを見逃し三振。先制してチャンスが続いていただけに、ちょっと勿体なかった。

4回表

先頭の6番楠原君は、2ナッシングと追い込まれながらも1塁側に上がったファウルフライをファースト・ライトがお見合い気味で取れずに命拾いし、次に打った打球もライトフライかと思いきや手前に落ち、ちょっとラッキーな感じの出塁。

次は岩見君ですが最初からバントの構え。やっぱここは送りだよね…マウンド上の島田君は警戒してか球が上ずり、2ボール。そしてこのとき楠原君が2盗でノーアウト2塁。当然ヒッティングに切り替えてくると思いましたがなんと、バントの姿勢は崩さず。城北ベンチからは「バスターあるよ!」みたいな注意喚起も聞こえてくるのですが、果たして…しかし結局、あとの2球も高めに外れ、ストレートの四球でノーアウト1・2塁。2ボールになったとき、どうするつもりだったのかなー。気になる。

続く市川君も当然バントの構え…ですがここもストレートの四球でノーアウト満塁。

(ここで城北ベンチから伝令)

タイムが解け、バッターボックスには9番・立花君。立花君もバントの構えで揺さぶりますが、島田君も落ち着いてストライクを入れてきたのを見てヒッティングに切り替え、追い込まれながらもレフト前に鋭い当たりを放ち、2点を追加しなおもノーアウト1・2塁。

更に打順はトップに還り、1番鎌倉君のバントヒットで再びノーアウト満塁に。

2番五十嵐君のセンターフライはやや浅くランナーそのままで1死となり、続く初谷君のライトへの当たりはライトが好捕、しかし犠牲フライとなって3塁ランナーが生還し1点を追加……したのはいいが、3塁を狙った2塁ランナーがライトから綺麗に中継されてボールが還ってきたのを見て慌てて2塁に戻り、3塁への送球の間に2塁を狙おうとした1塁ランナーが戻り切れず1・2塁間でタッチアウト(汗)城北の連携もよかったけど、1塁ランナーの判断はちょっと遅れたかな…

3回に続き、この回も点は取れてるんだけど崩しきるチャンスを潰してしまってる感じが勿体ない。

それにしても、この場面に限らずランナーが若干前がかりになってるのか、結果オーライではあったけど、3塁コーチャーやバッテリーミスの際のバッターのGO/STOPの指示に従ってないっぽい場面があった(見間違いや勘違いだったらすみません)のがちょっと気になる。そういうのの徹底とか判断の精度とかもこれから経験積んで修正していくのだと思いますが。

4回裏

2死から4番の加藤君にライトオーバーを打たれ、加藤君は2塁を回って3塁へ!しかしこちらも負けず見事な中継を見せ、3塁タッチアウト。やった~ナイスプレー!

5回表

先頭の井坪君が初球の緩い変化球を打って力のないセカンドゴロ。田中君がライトフライ、楠原君が初球をセンターフライ。わずか7球で終わる。もう少し粘りたかった…

5回裏

この回から、4番レフト井坪君に代えて三浦君、5番サード田中君に代えて染谷君が入ります。初戦では送りバントのための代打として登場した三浦君、もちろん井坪君とはまったく違うタイプですが、今日は初谷君が当たってる感じなので繋ぎの役割ということなのでしょう。

こちらも9球で三者凡退。捉えたライナーもありますが、ショートの初谷君がナイスキャッチ!今日は好守備を幾つも見せてくれます。

6回表

先頭の石見君がストレートの四球で出ますが、続く市川君がショートゴロゲッツー。結果的に3人で終わる。次は前の打席ヒット打ってる立花君だし送ってもよかったのかもしれないけど、点差もあるし打線に火をつけたいという気持ちもあって強攻にしたのかな。もっと僅差だったり城北がもっと市川君を捉えていたら、送りだったかもと思いました。

6回裏

1死から9番磯崎君がレフト前ヒット、続く1番中島君は三振にとりますが2番濱谷君はライト前ヒットで1・3塁。しかし3番大西君はサードファウルフライに打ち取り、無失点でしのぐ。

終盤

7回以降、関東一は毎回ヒットでランナーは出すもののいずれも単発に終わり、城北も終盤に入っても安定している市川君のピッチングとバックの好守の前に、エラー(ヒットでもおかしくないと思いましたが)のランナー1人出したのみ。5-0のままゲームセット、関東一が3回戦進出を決めました。おめでとう!

島田君ナイスピッチングでした。5点の差はあったけど、ほとんどのイニングは投手戦としか言いようのない内容でした(逆に関一としては点とった後のイニングを投手戦にさせちゃいけなかったんだろうけど、それができなかったのは島田君のピッチングとバックの守りがあったからこそ、なのでしょう)

 

3 3回戦

3回戦の相手は日野。エース木下君を擁し、2回戦では城西大城西を延長で破ってきている。タイプは違えど好投手ばかりで厳しい戦いが続きますが、ここまで来たら最後までずっとそうだもんね。相手打線も上に行けばそれだけ強く、上手くなるわけだし、これまで以上に打線の援護が必要になるはず。ヒット打つのもだけど、ここぞというところを逃さず相手を楽にさせない、いい意味での厭らしさが出てくるといいなあ…いろいろ修正すべきところはあるのでしょうが、次の試合も楽しみに待ってます。