20120407春季東京都大会2回戦 共栄学園×関東一

夏のシード16校が出揃う2回戦。昨日の8試合で決まった夏のシードは東3西5と西優勢。今日はどういう決着になるかわかりませんが、ここ、江戸川区球場第一試合の関東一と共栄学園の一戦は、2回戦唯一の東同士の試合ということになります。

 

今日の関一は先攻。

1センター鎌倉→H長堀→R井上

2セカンド立花

3サード初谷

4ショート楠原

5ファースト津原→H高田→ライト

6レフト滝川→H染谷→レフト

7キャッチャー石見

8ライト五十嵐→ファースト

9ピッチャー成井

※9回裏も選手またはシートの交代があったはずですが、アナウンスの途中で試合終了となってしまったのでわかりませんでした。すみません…

 

1回戦から中2日、市川君の先発はないだろうと思っていましたが、やはり背番号10の成井君が先発。昨秋の本大会はすべて市川君が先発完投だったので、今日先発を任された成井君のピッチングは非常に大切。

野手はスタメン自体は1回戦と同じですが、打順はかなり入れ替わっている。

 

 

共栄学園は埼玉の春日部共栄の姉妹校。沿革的には共栄学園の方が本家本元ですが、共学になったのは21世紀に入ってからなので、野球部としては春日部共栄の妹分ということになる。その春日部共栄に激似の真紅のユニがカッコ良く、埼玉の共栄ファンとしては嬉しいようなこそばゆいような(もっとも共栄ユニも、本多監督の母校・高知高校のユニのデザインをそっくり受け継いでいるわけですが…)。

近年急速に力をつけてきている新鋭チームで、今大会は城北を2-0の完封で降してきている。初戦を完封で飾ったエース東野君が今日も先発です。

後攻:共栄学園

1ライト池田

2サード梅田

3ショート石黒

4ファースト山崎

5センター尾崎

6レフト渡部

7セカンド早川

8ピッチャー東野→H安藤

9キャッチャー島谷

 

 

試合開始。マウンドの東野君はやや小柄な右のオーバースロー…なのですが、綺麗なワインドアップから、173㎝57キロの細身とは思えない力ある球を投げてくる。

1回表。1死から2番立花君が左中間への2ベースを放ちますが後続はなく無得点。

 1回裏。成井君も立ち上がりよく三者凡退。2番3番はストレート見逃しと変化球空振りの連続でイイ感じ。

 2回表。1死から6番滝川君がライトオーバーの2ベース!7番石見君のライトフライで3塁に進み、2死ながら3塁にランナーを置き、8番五十嵐君。五十嵐君に対する1球めははっきりとわかるボール。……と、1塁側ベンチから選手が出て来て球審のもとへ。何とここで、申告敬遠です。五十嵐君は2番を打つことも多いバッターだし、次はこれまでほとんど登板のなかった=打席に立つこともなかった2年の成井君だし…五十嵐君に対する1球めが思った通りに投げられてない感じだったので、甘く入って打たれるよりは、成井君を力で抑える方が、という選択だったのでしょうか。確かに、成井君の1球めのスイングを見るとそうかもなという気もする。そしてやはり、2球めは力のないショートゴロ。見事に作戦が当たってしまった、かと思われましたが、ボールが手につかず、送球できない!その間に3塁ランナーが生還し、1点を先制します。

高校野球で申告敬遠が導入されてからこの1年ほど。私も何度か見ましたが、やっぱ勝負どころで中軸迎えて、みたいなケースが殆どだったのでこういう使い方は新鮮でした。序盤であっても1点もやりたくない、と考えていたのか、あるいはこういう申告敬遠の使い方で失点を防ぐという作戦そのものに試合を優位に進める意図もあったのか。作戦としては当たっていただけに、気になる…。それはともかく、待望の先制点!

その後は4回まで、両投手の好投の前に、打線は双方沈黙したまま試合が進む。成井君はここまで奪三振6、ランナー1人も出さない完璧なピッチングですが、東野君も3回4回は三者凡退に抑える。捉えた当たりもあるけど、全体的には合ってない感じ…

しかし5回表。先頭の8番五十嵐君が右中間へのヒットで出ると、成井君がきっちり送りバントを決め1死2塁。1番鎌倉君はレフトへのファウルフライに倒れ、2死となりますが続く立花君が左中間を割るタイムリー3ベース!2-0とします。3番初谷君も四球で2死ながら1・3塁となおもチャンスが続きますが、後続はなく1点どまり。

5回裏。前の打席で良い当たりのセンターフライを打っていた4番の山崎君から。慎重になったのか疲れもあるのか、山崎君に対してはストライクが入らず3ボール。フルカウントまで戻しますが最後は四球で初めてのランナーを出す。送りバントを狙う尾崎君に対しても2ボールとなりハラハラしますが1度小フライになりかけたファウルの後のバントが今度はピッチャー正面に転がり、ダブルプレーに。後続も断って無失点で終える。

しかし6回裏、先頭の7番早川君の綺麗なピッチャー返しがセンター前に抜け、共栄学園は初ヒット!ノーアウト1る…と思いきや、後逸でランナーは2塁へ。

続く東野君は初球を打ってショートゴロ、1塁送球で1アウト。しかしランナーは3塁へ。この場面、キャッチャーからサード!って指示が出てたように聞こえたし、捕球時点でのランナーの位置からすると3塁間に合いそうにも見えました。ただサードの初谷君の体勢的にリスクあったような感じも確かにあったので、安全優先で正しい判断だったと思います。2点リードしてるわけだし。ただ、歴代の先輩方がああいう場面で安全安心安定のプレーで2塁ランナー3塁タッチアウトにしてるのをしばしば見てるので…三遊間の今後に更に期待。

9番島谷君に対しては、1-2と追い込みますが、低めの変化球がワイルドピッチとなり、3塁ランナーが生還、2-1と追い上げられる。

すぐに取り返したい7回表でしたが三者凡退。しかしその裏の成井君も変わらぬナイスピッチング、2番3番4番をわずか5球で抑える。

8回表。先頭の初谷君が四球で出ると、4番の楠原君ですがここは送りバント。これが小フライ気味になりますがサードの前に落ち、サードの手に着かずノーアウト1・2塁と願ってもないチャンスが訪れる。ここで5番津原君の代打に高田君が送られ、無事送りバント成功で2・3塁。続く滝川君にも代打が送られ、染谷君。染谷君は見事期待に応え、レフトオーバーの2点タイムリー2ベース!なおも1死2塁としますが後続は倒れ4-1で終える。

8回裏も三者凡退に抑え、最終回の攻撃。先頭の成井君(ということは9回完投ですね!)はショートゴロに倒れ1アウト。

1番の鎌倉君にも代打が送られ、バッターボックスには長堀君。強打者という評判は聞いていたけどなかなか出場機会がなくて、少なくとも私は初めて見る。わくわくしながらスコアブックに名前書き込んでいる隙に打球音が!目を上げると速い打球がセンターへ抜けていくところだった…初球ヒッティングで、ノーアウト1塁。ここでバッターボックスには初戦に引き続き好調、今日も長打2本の立花君。立花君はここでもレフトオーバーの2ベースを放ち(流石!)、1点を追加。3番初谷君はセンターフライで2死となりますが、4番楠原君もレフトオーバーの2ベースで、この回2点、6-1とここに来て大きく突き放す。

9回裏も成井君が三者凡退に抑え、関東一が6-1で勝利、3回戦進出&夏のシードを決めました。おめでとう!

 

攻守の柱・市川君なしで戦うこととなった2回戦。東野君の好投の前に、終盤まで苦しみましたが、それでも序盤からリードを保ち、最後の最後で突き放せたのは良かった!今日は成井君をはじめ、控え選手の活躍が目立っていました。特に成井君の被安打1失点1の9回完投。ピンチの場面でもほとんど制球を乱さず、終始向かっていくピッチングにグッと来ました。もともと継投が多いチームだっていうのもあるけど、下級生の先発9回完投勝利なんて、記憶にないくらい。もしかして、1年秋の阿部君以来?そして終盤の代打攻勢。これが当たりまくるのも久々な感があって、これも本当に嬉しい…もちろんスタメンが序盤から力を発揮しまくってくれる展開もあって欲しいですけど。

共栄学園の東野君も終盤は疲れもあったと思いますがナイスピッチングでした。申告敬遠については考えさせられたし、(ユニも共栄ユニだし)、夏もまた見たいチームです。

 

3回戦は帝京、岩倉と降してきている日本学園と。これまでの2試合を活かしてどういう戦いになるのか、今から楽しみです。

 

 

【試合スコア】

関 東 一    010 010 022 6 H9 E1

共栄学園  000 001 000 1 H1 E1

関東一 :成井ー石見

共栄学園:東野ー島谷