20210424 春季東京都大会準決勝 東海大菅生×関東一

明日からの緊急事態宣言を控え、何とか滑り込んだ準決勝。関東一にとっては5年ぶりの春関出場がかかるだけでなく、昨夏昨秋と東京連覇中の王者に挑む、そして昨秋の準決勝の雪辱を期した重要な試合です(中止にならなくて本当に良かった…)。ベンチ前を見ると、髪が極端に短い頭もちらほら見えるし、声もひじょーに出ていて、相当に気合入ってる感じ。

 

先攻:関東一

1レフト染谷

2セカンド立花

3サード初谷

4ショート楠原

5ファースト津原

6センター鎌倉

7キャッチャー石見

8ピッチャー鈴木→市川

9ライト五十嵐

 

なんと、背番号11、右サイドスローの鈴木君が先発。今大会では初戦の文京戦で1イニングのみの登板だったのでこれは意外。準々決勝の小宮山君に続く、意表をつく先発です。ただ市川君はフォームの改造中ということであまり調子が良くないし、昨秋の菅生戦で投げているので、変則の鈴木君を持ってきたということなのかも。野手は多少の打順の入替はあるものの、スタメンは準々決勝と同じ。

 

後攻:東海大菅生

1レフト榮

2ショート小山

3センター千田

4サード堀町

5ライト鈴木悠

6ファースト多井

7キャッチャ―福原

8セカンド橋本

9ピッチャー鈴木泰→H沼澤→櫻井→H岩井→松永→H山田

菅生はセンバツの頃から調子が思わしくない本田君の登板は今日もなく、センバツでも活躍し、今大会主戦級の働きを見せている2年生・鈴木泰君が先発。

 

1回表。マウンドの長身右腕・鈴木泰君は140キロを超えるストレートをビシビシ低めに投げてくる。

初回の攻撃を三者凡退に抑えられた1回裏。関一の鈴木君はやや小柄な右サイド。菅生の鈴木君とは対照的な軟投派です。

先頭の榮君いきなり初球センター前ヒット。2番小山君の打席で初球バッテリーエラーがありノーアウト2塁…早くもピンチを迎えますが小山君の送りバントがピッチャー前に転がり、3塁送球タッチアウト!

3番千田君はファースト後方、ライン上ギリギリのフライ、4番堀町君は鋭い当たりでしたがショートゴロに打ち取り、何とか無失点で切り抜ける。しかしこの響き渡る叫びは誰なんだ。方向的にはセカンドの立花くん?この後もずっと声出しまくり鼓舞しまくりでした。

2回表は2死から、今日は6番に上がった鎌倉君の打球がマウンドの鈴木君に当たる強襲ヒット!鎌倉君のヒットは初めて見るくらいな感じで嬉しいのですが、鈴木君は…(汗)しかし投球練習1球見ると、大丈夫なようでホッとする。次の石見君の打席で盗塁で2死ながら2塁としますが岩見君は140キロを超える低めのストレートに合わず、空振り三振で無得点。それにしても鎌倉君やっぱり脚速いな~出塁できるようになれば、これが必ず活きてくるはず。

2回裏。先頭の5番鈴木悠君の左中間へのヒット、送りバントで1死2塁とされて、7番福原君のレフト前で1・3塁(汗)ここでキャッチャーの石見君がマウンドに行った後の8番橋本君の打席は、ちょっと嫌ったっぽい感じのストレートの四球。次は9番ピッチャーの鈴木君だしな…と思っているとやはり鈴木君には迷わずストライクを放ってきて三球三振。トップに還って1番榮君も良い当たりのレフトライナーでヒヤッとしますが染谷君が無事キャッチ!初回に続き大ピンチを切り抜ける。

振り返って見ると、この序盤を持ちこたえたのが大きかった…この時点ではいつ決壊してもおかしくないように思えましたが。

3回表。先頭の8番鈴木君から。鈴木君はファウルで粘りまくりますが最後は見逃し三振(でも凄く良い打席だったと思う)、続く五十嵐君は捉えた当たりだったと思いますがファーストライナーに倒れ2アウト。1番染谷君がセンター前に落ちるヒットで出ますが、2番立花君は左中間よりのセンターフライで無得点。うーん、結構捉えた当たりしてると思うんだけど、菅生の守備もいい。

3回裏。先頭の2番小山君を空振りの三振に取ると、3番千田君は強い当たりでしたがショートゴロ、4番堀町君のサードへの打球も変な跳ね方でヒヤッとしますが初谷君が上手く捌いてサードゴロ、初めての三者凡退 。リズム出てきた ♪

4回表。1死から、4番楠原君のライト線深いところへの打球、ライトが追いつきましたがグラブからボールがこぼれ、2ベースに。ここから津原君のセンター前、鎌倉君のサードの頭を超えるレフト前、そして石見君の左中間を抜く3ベース(これは素晴らしい当たりでした♪)と、目の覚めるような4連打で3点を先制、なおも1死3塁。いやびっくりした…8番鈴木君は浅いセンターフライで2死となりますが、続く五十嵐君の打席で初球バッテリーエラーがあり3塁ランナーも生還、この回一挙4点。

点とった直後の4回裏もわずか7球で三者凡退。いいぞ~

しかし5回表は鈴木泰君も立ち直り、2番3番4番と三者凡退。

5回裏。2死から1番榮君に3塁線を抜く2ベースを打たれますが後続は抑え、ここも無失点。

6回表。5回裏に代打を送られた鈴木泰君に代えて、背番号10の櫻井君がマウンドへ。櫻井君は左サイドということもあって鈴木泰君ほどスピードはないですが、変化球主体のピッチング、菅生の守りもよく、三者凡退に抑えられる。

6回裏。先頭の3番千田君が初球を叩いてレフト前ヒット。2回以来のノーアウトのランナーが出ると、続く堀町君の打席でけん制悪送球でランナーは2塁へ。

それでも堀町君はセンターフライに打ち取り、5番鈴木悠君もセンターフライ。しかしこちらはかなり深く、2塁ランナーは3塁へ。このとき3塁返球が逸れてヒヤッとしますがカバーに入った鈴木君がきっちり抑えて事なきを得る。しかし結局この進塁が効いて、6番多井君のレフト前ヒットで1点を返され、4-1。

7回表。先頭の鈴木君がそのままバッターボックスへ。ということはまだ続投。市川君も準備してはいるのでどこかで継投になるとは思いますが…

鈴木君そして五十嵐君と三振に倒れ2死となった後、1番染谷君がレフトオーバーの2べーうを放ちますが、後続はなくここも無得点。

7回裏。先頭の8番橋本君は四球でノーアウト1塁。四球は2回に同じく橋本君に対して出したの以来ですが、歩かせてもいいか、ぽかった2回と違い、上ずってストライク取るのに苦労してる感じで気が気ではない。球数も70球超えてるし、菅生相手に投げてるんだし、そりゃ疲れるよね…続く9番櫻井君の代打・岩井君はセンターフライ、1番榮君の打席では盗塁で1死2塁とされますが榮君はフルカウントから三振。2番小山君も四球で1・2塁とされますが3番千田君はレフトライナー。苦しい場面でしたが何とか凌ぎ切る。

8回表。菅生のマウンド3人目はセンバツでも活躍を見せた左腕の松永君。本田君抜きでも、凄いピッチャーがどしどし投入されます。甲子園もそうだけど、力のある投手をどんどん繋いでいく継投も珍しくなくなってるし、どれだけ早く適応し攻略できるかというスピードも、今後ますます大事になってくるんだろうな…

8回表は三者凡退に終わり、裏からはエース市川君がマウンドに上がります。

今大会あまり調子のよくない市川君は、1死から5番鈴木悠君を四球で歩かせると、続く多井君には死球で1・2塁とする苦しいピッチング。

そして7番福原君の打席。低めの変化球を石見君がこぼしたところ、2塁ランナーが3塁を狙いますが、これは石見君が落ち着いて3塁送球しタッチアウト、2アウト1塁。た、助かった…後逸ではなくボールも手元近くにあったので、3塁はちょっと無理かなというタイミングに見えました。

これでだいぶ落ち着けたのか、福原君はセカンドゴロに打ち取り、無失点で切り抜ける。

9回表。6番7番と打ち取られ、2アウト。ここでバッターボックスには市川君。市川君はライト線への大きな飛球を放ち、ライトが追いついたかと思いましたがボールはグラウンドに転がり、3ベースとなって2死ながら3塁。普段は中軸を打つ市川君にちょうど打席が回っってきたのは8番の鈴木君に代わったから。ここで追加点取れれば上手く行き過ぎでしたが後続はなく、3点差のまま。

それでも9回裏は連続三振にセカンドゴロと、危なげなく三者凡退に抑え、4-1で関東一が勝利、昨秋の雪辱を果たし、決勝進出を決めました。やったーおめでとう!皆も凄く嬉しそう(笑)よかった…

 

昨夏昨秋と全東京連覇中でセンバツでもベスト8と今の東京の№1チームであり、昨秋の準決勝で対戦して敗れた菅生に勝ったというそのこと自体も嬉しいけど、実力や実績の上回る(本田君出てないことを差し引いても)相手に対して最初から最後まで緊張切らさず緊張しすぎて決壊することもなく、凌ぎ切れた試合内容が何より嬉しかった(試合中は最初から最後までハラハラし通しでしたが)。もちろん打線をはじめ素の実力をもっともっと高めるのがまず第一なことなのでしょうが、実力や調子で常に相手を確実に上回るというのは無理な話で、東京でも甲子園でも、大会を勝ち抜いていくにはそういう要素も必ず必要になると思うので。

昨秋は投手は市川君頼み、打線はなかなか機能せず試合毎に打順やスタメンが大幅に入れ替わるという状態だったのが、この春は今日の鈴木君、共栄学園戦を完投した成井君、久我山戦でいきなり初登板初先発して3回0封の小宮山君と、市川君以外の投手陣も活躍してくれたのが心強いし、打線も個々人の好不調はあれど、ひとつの形が出来てた感じがするのもヨカッタ。と言ってもこれで終わりではなく、また競争もありチームとして高めていくところも多いのでしょう。夏にどんな姿を見せてくれるか、今から楽しみです。

 

今日から緊急事態宣言。決勝は関東大会後に延期され、その春関への参加も楽観視できない状況にあります。練習や練習試合も制約を受けることは避けられないでしょうし、日常生活での感染防止にも神経を尖らす日々、本当に大変だと思います。蔭ながら応援することしかできませんが、夏の甲子園目指して、頑張ってください。応援してます。まずは春関や決勝が無事やれること(できれば安心して観戦できる状態になることも)を祈ってます。

 

 

【試合スコア】

関 東 一 000 400 000  4 H8 E1

東海大菅生 000 001 000  0 H6 E0

関 東 一:鈴木(7)、市川(2)ー石見

東海大菅生:鈴木泰(5)、櫻井(2)、松永(2)ー福原