20161029 秋季東京都大会準々決勝 関東一×早稲田実業

準々決勝はこの秋初めてのダイワハウススタジアム八王子ネーミングライツを尊重して正式名称で記載w)。

 8時前に到着したときには、既に開門していたので、行列もなくスムースに入場。スタンドの混雑もまださほどではなくてホッとする。遠いとか屋根がないとかバックネット裏までシートが全部ベンチだとか、難点もあるけど混乱回避のためにはやはりこちらがいいのかな。2階席や1塁側のゴルフの打席(っては言わないか)に高さがあり、外野も座席こそないもののフェンスで外周を覆われている神宮第二に比べると、開放的で圧迫感が少ないのも良いところ。もちろんゴルフ場のあの異空間も嫌いじゃないですが。

 時間が空き過ぎて退屈するかなと心配したけど、スタジアム外周をぶらついたり、腹ごしらえをしたりしている間にいつの間にかキャッチボール&トスバッティングの時間になっていた。関東一は後攻の模様。

 続いて始まるシートノックを見ていると、悪くないとは思うんだけど、捕球時のミスじゃなくて送球しようとしたときにボールを握り損ねて落としたり、外野からの返球の中継に入った内野の送球が逸れ気味だったりとかがあったのがちょっと気になる。シートノックを常に集中して見ているわけじゃないから、これまで気づかなくて、大一番を前に神経過敏になってるから目についただけなのかもしれない。

 シートノックも終わり、両チームのスタメン発表。この頃になると内野スタンドはほぼ埋まっていた。

先攻:早稲田実業

1ライト西田

2センター横山

3ファースト清宮

4サード野村

5レフト小西→ピッチャー石井→H石川→ピッチャー服部→赤嶺

6キャッチャー雪山

7セカンド橘内

8ピッチャー中川→レフト福本

9ショート野田→白井

早実の試合はなかなか見る機会がなくて、結局甲子園での仙台育英戦以来になります。従って、スタメンで私が知ってる選手は清宮君だけなのですが、1年の野村君をはじめ、夏のベンチ入り選手が半数を占めている。

後攻:関東一

1ライト斎藤

2セカンド早坂→レフト→H小林→レフト→ピッチャー平川→H横山

3サード溝淵

4キャッチャー石𣘺

5センター増田

6ピッチャー高橋→小川→レフト

7レフト立崎→H浅井→セカンド柿澤

8ショート宮田

9ファースト石田

先発はもちろん高橋君。野手のスタメンは菅生戦の小林君から石田君に戻り、後は変わらずですが、菅生戦で2安打の高橋君を6番に上げ、4番だった立崎君を7番に下げるなど、4番以降の打順をかなり入れ替えてきている。これも打線の調子があまり良くないことを示しているようで、ちょっと不安。組み換えが奏功すればいいのですが。何しろこれまでの早実との対戦では、かなり打たれるのは必定で、それ以上に打ち返して勝ってきたのだから…

そんな不安の中で試合開始。

高橋君の立ち上がりはボールが高めに浮き、先頭の西田君を歩かせ、2番横山君にもストライクが入らず3ボール…期待(3塁側)と不安(1塁側)にざわめくスタンド。しかしここで高橋君も何とか持ちこたえて、送りバントはさせず、最後は見逃しの三振♪そしてバッターボックスには3番清宮君。清宮君に対してはストライク先攻で1-2と追い込みますがその後はボール球を続けて見逃されフルカウントとなりますが、最後は当たり損ねのセカンドゴロ。しかしゲッツーが取れる打球ではなく、2死2塁。ホッとしたいところでしたがそうもいかず、次は4番の野村君(汗)野村君に対してもストライクが入らず3ボール、そこからフルカウントまで戻すも、最後は外れて1・2塁。それでも2アウト、仮に打たれても単打なら1点で済む。落ち着いて攻めたいところでしたが、続く5番の小西君の打席でバッテリーエラーがあり2・3塁。その直後、小西君は左中間を破る大きな当たりで走者一掃、早くも2点を先制されます。

1回裏。早実のマウンドには背番号18の右腕・中川君。1年生です。早いとこ反撃してリズムを取り戻したいところですが、先頭の斎藤君はフルカウントから見逃しの三振、早坂君も悪くない当たりだったとは思いますがセンターフライで早くも2アウト。ここから3番溝淵君はライト前ヒット、4番石𣘺君の打席でバッテリーエラーで2塁に進んだ後、石𣘺君も死球で1・2塁としますが後続はなく無得点。

2回表、高橋君もだいぶ落ち着いてきたのか、この回は三者凡退で危なげなく抑えますが2回裏は同じく三者凡退に抑えられる。

となれば当然ゼロに抑えていきたい3回表でしたが、先頭の9番野田君はセカンドゴロ―エラー…1番西田君は見逃しの三振に取りますが、2番横山君の送りバントで2死ながら2塁に進められたところで清宮君。清宮君に対してはストライクが入らずストレートの四球、続く4番の野村君は2ストライクに追い込みながらその後はボール球をすべて見逃され、四球で2死ながら満塁のピンチで前の打席では先制の2点タイムリー2ベースの小西君(汗)。ここで高橋君の2塁牽制が悪送球となり(誰かの足に当たった模様)、ボールがこぼれる間に3塁ランナーが生還、小西君は見逃しの三振に打ち取るものの、エラーに始まり四球を挟んでエラーに終わるという、最も宜しくない失点で0-3と差を拡げられる。

うーん…既に2点先制されてるし、上位打線は完全に待球で来ているし、清宮君や野村君に対して甘い球は投げられないし、四球出すな打たれてもいいから思い切って投げろとか、言うのは簡単だけど、その通りできたら苦労はない。エラーもしたくてしているわけではない。でも、すべてやったら失点するのは必然なわけで。どこまでなら仕方ない、どこが最終防衛ラインなのか、そこがはっきりしないままじりじり押されて尻もちみたいな、ノーヒットの失点でした。

3回裏。取られたものは仕方ないとして何とかまず1点でも返したい。1死から1番斎藤君がレフト前に抜けるヒットで出ますが、続く早坂君は見逃し三振+斎藤君の盗塁も刺されて3人で終わる。うーん…

4回表。先頭の雪山君は鋭い当たりでしたがセンターの斎藤君が掴んで1アウト。ところが7番橘内君からの下位打線の3連打であっと言う間に1点を失います。どうなることかとハラハラしますが後続は何とか打ち取り1失点で凌いだ(…と言えるのか?)。

4回裏は先頭の3番溝淵君がセカンドフライ、石𣘺君は3球三振、増田君はライトフライとクリーンアップが三者凡退。下位打線の三連打で1点をあげた早実とは、あまりに対照的なイニングとなってしまいました。

しかし5回表は先頭の清宮君を見逃しの三振にとり、続く野村君にはセンター前に運ばれるものの後続は抑え、無失点。裏にはその高橋君がファウルで粘った末にセンター前ヒット。7番立崎君の代打の浅井君がきっちり送りバントを決め、宮田君の四球で1死1・2塁のチャンスを作る。5回で4点差の場面で代打を出してまで送りに行ったわけだから、何としてもここで1点返したい。しかし9番石田君は初球を叩いてサードゴロダブルプレーとなり、一瞬にしてチャンスが潰える。

6回表。先頭の橘内君の右中間への2ベース、送りバントで3塁に進められた後、野田君に1回は失敗させるものの、最後は3バントスクイズを決められ、0-5と更に離される。

6回裏。先頭の1番斎藤君がレフト線よりに落ちるヒットで5回に続きノーアウトのランナーが出ますが2番早坂君の代打小林君は右中間よりのセンターフライ、続く溝淵君の打席で1-2から斎藤君が2盗、エンドランだったのか溝淵君は空振りに倒れますが斎藤君は2塁セーフ!!かと思いきや、インターフェアをとられて3アウト…結局中川君はこの回を最後に交代になるわけですが、ここまで被安打4、すべてシングルヒットのみ。四死球も少ないし、ランナーを出しても要所を抑え、関一は3塁も踏めていない。ナイスピッチングでした。

7回表。関一はこれまで5失点、球数も120球を超えている高橋君に代えて、背番号10の小川君をマウンドに送ります。小川君は初戦の法政大高以来の登板。

小川君はまず3番の清宮君を3-1とカウント悪くしながらもレフトフライに打ち取り、1アウト。続く野村君には特大ファウルを打たれたりして肝を冷やした末、サードゴロに打ち取った…かと思ったらエラー(ちょっと難しい当たりだったかもしれませんが)で1死1塁。続く小西君のレフト前で1・2塁とされ、6番雪山君にもセンター前に弾き返されますが、センター斎藤君の返球が凄い勢いで返ってきて、2塁ランナーはホームタッチアウト。後続も打ち取り、なんとか無失点で凌ぐ。

7回裏。早実側もピッチャーが変わり、背番号16の左腕・石井君がマウンドに上がります。同時にレフトの小西君も交代で、5番の小西君のところに石井君、8番だった中川君のところにレフトとして福本君が入る。同じ継投と言ってもこちらは5点差があり余裕の継投。当然、明日の準決勝のことも頭にあるでしょうし。

この回の先頭は4番の石𣘺君。好投していた中川君が下がってくれたこともありますし、何とか突破口を開きたいところでしたが、セカンドゴロで1アウト。続く増田君は初球を打ち上げ、切れて1塁側スタンドに入るかな?と思いましたがなんと、フェンスギリギリのところでファーストの清宮君がぶつかりながら好捕、2アウト。ナイスプレーでした。ファーストゴロのときのくにゃっとしたグラブの動きとかでも思ったけど、不思議な柔らかさがある感じ。

ピッチャーの代わり端でこの展開、アッサリ押し切られそうな流れかと思いましたが小川君のショートゴロは悪送球で2塁まで進み、6回からセカンドに入っている柿澤君もストレートの四球で1・2塁。8番宮田君のセカンドゴロかと思われた打球が跳ねてライト前に抜けるラッキーなヒットでようやく1点を返し、尚も1・3塁。しかし9番石田君は当たりは良かったと思いますがショートゴロに倒れ、1点止まり。

8回表、先頭の8番福本君を四球で歩かせ、送りバントで2塁まで行かれますが、1番西田君のショートゴロでランナータッチアウト、ファースト送球でダブルプレーにとり、無失点で凌ぐ。

8回裏。ここで1点返せば3点差、2点返せば2点差。まだわからない。

先頭の斎藤君が内野安打でノーアウト1塁。しかし2番小林君はセンターフライ、溝淵君はレフトライナー、石𣘺君はショートフライに打ち取られ、ノーアウトのランナーを活かせません。

9回表。早実の先頭は2番の横山君から。横山君の打球はセカンド方向へのゴロでしたが何か変な風にバウンドしてセンター前に抜け、ノーアウト1塁。続く清宮君は2-1からの4球目のインコースの球が掠ったらしく、死球の判定。続く野村君は狙ったようなレフト前でたちまちノーアウト満塁。次はリリーフで入った石井君の打順でしたがここで石川君が代打に送られます。石川君は初球を叩いて打球はレフト線やや深いところへのファウルフライ。これをレフトの小林君が捕球したのを見て3塁ランナーがタッチアップ。1点を追加され、6-1。うーん…確実にファウルに見えたけどなあ…捕るべきだったのかなあ…前半だったら、1点やっても1つのアウトをとって3塁を空けて大量失点の可能性を下げるという選択肢もあるかもしれないけど、4点差の9回だったら、可能性は低くても、ノーアウト満塁を無失点で切り抜ける方に賭けてもよかったのではないかなあ…

 ともあれ、捕ってしまったボール、取られてしまった点は元には戻らない。せめて後続を抑えて5点差のままで終わらせたいところでしたが、逆に雪山君に右中間への3ベースを打たれて残りのランナーもきっちり返され、8-1。

ここで小川君に代わって背番号11の平川君がマウンドに上がります。平川君はこの秋からベンチ入りした小柄な右腕の1年生。これまでの試合でもブルペンに入っていることは度々あって、観たいな~とひそかに願ってはいたのですが、こーゆー形で見ることになるとは(泣)。そして裏の攻撃で打席に立たせるつもりか、小川君はそのままレフトに回し、レフトの小林君がベンチに下がります。平川君はまず橘内君をサードゴロに打ち取り、3塁ランナーは動けず2アウト、9番野田君もショートゴロで3アウトに漕ぎつける。

9回裏。早実は代打を送られた石井君に代わり、エースナンバーの服部君がマウンドへ。

関一の先頭は5番の増田君。増田君の打球はライト線への2ベース、初めての長打!!続く小川君はライトフライに倒れますが7番柿澤君のセンター前でまず1点、8番宮田君はライトフライで2アウトを取られますが、続く石田君はライト前ヒットで2死ながら1・2塁で打順はトップに還り斎藤君。

今日3安打の斎藤君は連続ファウルで2ストライクに追い込まれますが、最後は死球を受け満塁、更に2番に入った平川君の代打に横山君が送られますがこれまた死球で押出し、これで3-8。

ここで早実は服部君をあきらめ、背番号10の左腕・1年生の赤嶺君をマウンドに送ります。て言うか中川君も石井君もキャッチャーの雪山君も1年で、どう組んでも1年生バッテリーじゃありませんか。なんか凄い。

それはそれとして、赤嶺君に対してバッターボックスの溝淵君はすかさず初球を叩いてレフト前へ!4-8と詰め寄り、一発が出れば同点というところで4番の石𣘺君。しかし石𣘺君はライトフライに倒れ、4-8のままゲームセット。関東一は秋の都大会連覇はならず、準々決勝敗退、そして昨夏の東東京大会から続く都大会連勝記録も菅生戦の30をもって終わることとなりました。思えばセンバツから春季大会関東大会、東東京大会に選手権、新チーム結成後もU18で監督がチームを離れたときもあったし、忙しい、落ち着く間もない日々だったと思います。まずは、おつかれさまでした。

試合に関して言えば、今日は完敗。選手ひとりひとりの力量やその日の調子の違いもあったでしょうが、早実の方が良い野球、勝つためにどうすればいいかを考えた野球をしていたように感じました。それが凄く悔しい。試合後に高橋君たちが見せた涙も、試合に負けた、センバツへの道が閉ざされた、という以上に、思い通りにならない、自分たちのプレーの不甲斐なさへの悔し涙であったように見えました(違ってたらすみません)。

でも、今日も含めたここまでの試合であったあれやこれやを思いおこせば、これが今の力なのだと納得もするし、新チームの始動の遅さやメンバーの経験の浅さ(高橋君も小川君も夏は殆ど登板していないし、2年生の野手は誰も夏のベンチ入りがなかったし、石𣘺君や宮田君も(今のが本職かもしれないが)コンバートされてるし)などを考えれば、逆に、良くここまで来たとも思うのです。

この日、八王子から帰宅すると、何かの符牒のようなタイミングで、夏の甲子園の寄付へ返礼の手紙が届いていました。先輩たちから受け継いだ無敗記録は途切れて過去のものになったけど、先輩たちが果たせなかった甲子園での白星、そして更に勝ち進んでいくチャンスは、この先にある。

秋の戦績は準々決勝敗退、春は第4シード。それが今。

春、そして夏を楽しみに待ってます。ガンバレ関一!