20170406 春季東京都大会3回戦 関東一×駒込

初戦から一日置いて、夏のシード権がかかる3回戦。

駒込とは2013年の秋の初戦で対戦している。このときは終盤まで3点ビハインドの苦しい展開で、7回に大川君のランニングホームランでようやく1点を返し、8回に何とか逆転することができたのを今でも覚えている。この春はブロック予選から勝ち上がり、本大会では錦城学園、国分寺を降して3回戦にコマを進めている。

関東一は今日も後攻。

先攻の駒込のスタメンは、

1ライト小森

2センター遠山

3ファースト羽田

4ショート小林

5ファースト高橋

6レフト小向井

7サード堀部→H横田→サード→H橋本→R平野→サード

8ピッチャー國居→翠尾

9キャッチャー濱屋

4年前の立川球場以来、駒込の試合は何度か観ていますが、新チームになってからはこれが初めて。先発の左腕・背番号10の國居君はブロック予選で5回コールドの参考記録ながら完全試合を達成しているとのことですが、本大会では今日が初めて先発起用となっています。

代わって関東一のスタメンは

1ライト斎藤→H小堀

2レフト小林

3センター増田

4ショート溝淵

5ピッチャー高橋

6ファースト小川

7セカンド柿澤→R早坂→宮田

8サード石田

9キャッチャー横山

初戦で小川君が完投(7回)しているので今日は勿論高橋君が先発。考えてみれば今回のベンチ入り投手陣の中で、公式戦登板経験があるのは小川君と高橋君のみ。夏を考えれば他の投手にも経験を積ませたいところだとは思いますが、機会はあるのでしょうか。野手ではレフトを初戦の立崎君から小林君に代え、打順も少し入れ替えて来ている。

初回。高橋君の立ち上がりは、駒込の1番小森君にいきなりレフト前ヒットを打たれますが2番遠山君の送りバントは1塁側ファウルグラウンドにライナー気味に飛び、これを今日はファーストに入っている小川君がキャッチ!後続も断って無失点。

1回裏。駒込の先発國居君はちょっとフォームが独特なのかな?(バッターに対してだけでなく、この試合では一塁ランナーがリード取りづらそうにしている場面を何度か見かけました。)しかし1番斎藤君のショートへの深い当たりが内野安打になると、2番3番への四死球でノーアウト満塁、バッターボックスには4番の溝淵君。溝淵君の打球はセカンドゴロ。1塁ランナータッチアウト→1塁送球のダブルプレーで2アウトになる間に3塁ランナーは生還し、1点を先取、2アウトランナー3塁。1点入ったとはいえ、ノーアウト満塁からだったし、できれば3塁ランナーは返したい。バッターボックスには5番高橋君。

高橋君はサードゴロでしたが捕球したグラブからボールがこぼれ、サードもすぐに送球するも1塁セーフとなり、2点目。更に6番小川君はサードの頭上を越えるバウンドでレフトフェンスまで転がる2ベースで2・3塁、続く柿澤君も四球で2死ながら満塁となりますが後続は倒れ2点止まり。

2回表は危なげなく三者凡退で終え、2回裏。

先頭の横山君の当たりはショート正面のゴロでしたがファーストへの送球が高い!ノーアウト1塁。送りバントで1死2塁として、今日2番レフトに入っている小林君がセンター前に抜ける当たり!ここで2塁ランナーはホームを狙いますが駒込の中継が見事に決まりホームタッチアウト!後続もなく、貰ったチャンスを活かせずに終わる。うーん…1回が2点止まりだっただけに、確実に1点欲しかったところ、3塁で止まって1死1・3塁でクリーンナップでも良かったんじゃないかなぁ…中継が良かったから、結果論だと言われればそうなんですが。

振り返って見れば、1回2回にチャンスを貰いながら2得点だったことがその後の試合展開を大きく左右したように思います。チャンスは即ち相手にとってはピンチ、何とか切り抜けよう、点をやるまいと集中してくるわけで、毎回毎回思い通りに行くはずもないのですが、それができる確率というか頻度が高いチームが強いチームということになるのだと思う。

以後、3回から5回までは、高橋君は時折りヒットを打たれながらも四死球はなく無失点。でもあまり調子は良くなさそう…ヒットは捉えた当たりが多いし、後半がちょっと心配。

一方の攻撃は、立ち直ってしまった國居君の前にほぼ完璧に抑え込まれていましたが、5回に増田君のソロホームラン!!やったー!!

ところがそれも束の間6回表、1死から3番羽田君にセンターオーバーの2ベースを打たれ、4番林君は三振で2死としたものの、5番高橋君はショートへの内野安打(三遊間に抜けるかという当たり)、更にはバッテリーエラーで1点を返される。

すぐに取り返したい6回裏でしたが、依然として好投を続ける國居君の前に早くも2アウト。8番石田君のセカンドへの内野安打と9番横山君の四球で2死ながら1・2塁としますが、続く斎藤君の打席で1塁ランナーの離塁が大きくキャッチャーからの牽制タッチアウト…

7回表、こちらもショートゴロ2つで簡単に2死をとりますが(2つめの送球は低くて処理難しかったと思いますが小川君良く捌いてくれました♪)、1番の小森君はレフト前ヒット、そして続く遠山君は初球をレフトスタンドへホームラン……同点に追いつかれます。沸き返る3塁側スタンド。続く3番の羽田君はストレートの四球で更に何とも言えない雰囲気が漂いますが、続く林君はサードゴロに打ち取り、同点で切り抜ける。

7回裏。ここで駒込は好投してきた國居君に代えて、右腕のエース翠尾君をマウンドに送ります。意外な感じもしましたが、投球数は90球を超え、6回裏には初回以来の四球も出していたので交代になったのでしょうか。残り3イニング、高橋君の状態を考えると、もう攻略にそんなに時間をかけていられない。

翠尾君に対しては、先頭の斎藤君は三振に倒れたものの、2番小林君は駒込に負けじとレフトへのホームラン返し!!再び1点リードを奪います。やったぜー!とネクストでガッツポーズの増田君もピッチャー脇を抜くセンター前ヒットで続きますが、4番溝淵君はファーストフライ。5番高橋君は四球で1・2塁としますが、小川君のセカンドへの打球は駒込の羽田君が上手く捌いて3アウト。この回もソロホームランの1点のみですが、されど1点、すぐに取り返せたのは大きい。

8回表も高橋君の続投。1死から連続四球を出す苦しい投球でしたが何とか無失点で凌ぐ。

8回裏、先頭の柿澤君が見事!センターオーバーの3ベース!!ノーアウト3塁の大チャンス、何としても追加点が欲しいところ。続く8番の石田君も3塁線への良い当たりでしたが、前の回の代走からこの回サードに入った平野君が良く止め、こちらも代走の早坂君が慌てて3塁ベースに滑り込み、平野君は1塁送球で1死3塁。しかし続く横山君も右中間への大きな当たり!!これも3ベースとなり、1点を加えて2点差として、尚も1死3塁。

しかし駒込のエース翠尾君も踏ん張り、後続はなく2点差のまま9回表へ。でも、少なくとも國居君よりは翠尾君の方が合ってる…ように見える。

最終回も高橋君がマウンドに上がります。

駒込の先頭は今日3安打の1番小森君。ボール先行でフルカウントまで行きますが、最後は見逃しの三振に取り1アウト。前の打席でソロを放っている遠山君には左中間への2ベース(これも大きい当たりでした)を打たれますが、3番羽田君のショートゴロの間に3塁まで行かれますが2アウトまで漕ぎつける。3塁ランナーが還ってもまだ1点リードあるし、観ている方としてはこれでかなり気持ちがラクになった…のですが。

ところがどっこい、今日はノーヒットの4番・林君は2-2からの5球目を打って、レフトスタンドへの2ラン!!土壇場で試合を振り出しに戻します。3塁側のボルテージはもう最高(汗)夏でなくて良かった…夏にいきなりこれだったら、この熱狂に飲み込まれていたかもしれません。さすがに落胆は隠せない関一ナインですがこれで2アウトランナーなし、後続は抑えて9回裏へ。

9回裏は打順よく3番増田君から。今日はホームラン、そして7回に翠尾君から打ったセンター前の2安打という増田君はここでも左中間への2ベース!!4番の溝淵君も送りバントをきっちり決めて1死3塁としてバッターボックスには高橋君。さすがに延長に入っての続投はないでしょう。ここで決めてくれ!!

しかし高橋君は見逃しの3球三振。最後の球はボールだと思ったのかもしれないけど…1死からだから三振だったら2アウトになってしまうし、カットできずにフェアになっても、ランナー3塁でゲッツーの心配もない場面だし、一度もバットを振ることなく終わってしまったのはやはり悔いが残る打席だったように思います。

それでもランナー3塁。普通のシングルヒットはもちろん、内野安打でもエラーでもバッテリーエラーでも何でもサヨナラになる場面なのだ。バッターボックスには打撃も好調な小川君。

そして小川君の(いかにも内野安打になりそうな)セカンドへの当たりは1塁セーフ!!この間に3塁ランナーの増田君がサヨナラのホームを踏み、ついにゲームセット。追い縋る駒込を何とか振り切った関東一が勝利、4回戦進出と夏のシード権を獲得決めました。おめでとう!!

序盤の展開からはあまり予想できない苦しい展開になりましたがとにかく、勝てて良かった…駒込は、前回も良いチームだったと思いますが、攻撃力が凄く上がったなという印象(怖かった…)。先発の國居君も立ち上がりこそ得点できたけど、その後はなかなか攻撃の糸口もつかめないナイスピッチング。何度リードされてもあきらめない粘り強さも流石です。夏の櫓では近くに来てほしくない…

翻って関東一は、序盤や終盤のチャンスのときにあと一歩攻めきれなかったところとか、打たれるのはしょうがないとしても終盤に打たれた2本の2ランは仕方ないで済ませられるのかとか、この試合は勝てて良かった、だけど、連戦を勝ち抜いていくためにはやっぱりこれでは…などと考えてしまう一方で、高橋君の苦しいピッチングや、7回に再度勝ち越したときやサヨナラを決めたときの皆の喜びよう(ネクストにいたり3塁ランナーだったりの増田君が特に目についたw)を見て、このチームにとってはこういう経験は初めてだったんだな…と今更ながら思い出して、これで良かったんだという気にもなりました。接戦の連続、常に綱渡り状態だった旧チームからの経験者は少なく、今チームになったばかりの昨秋も、菅生戦は接戦ではあったけど、終始リードを保っての完封勝ちだったし、早実戦は完敗。ギリギリの勝ちも負けもなかった。そういう意味では今、これだけの苦しい接戦を経験して、それを制することができたことは、今後に活きる貴重な経験だったと思うし、活かして欲しい。

次はベスト8を賭けての日本学園戦。今大会では序盤リードを許しながら、終盤ひっくり返すという展開で勝ち上がってきている。危うくそうなりかねない展開だった駒込戦を乗り越えて、次はどう戦うのか、楽しみにしています。