20170416 春季東京都大会準々決勝 関東一×国士舘

土曜日は盤石の戦いぶりで早実と三高、センバツ出場校が準決勝進出を決め、日曜日の今日は、第1試合では帝京が東実を2回以降やや攻めあぐねながらも終盤には小刻みに点を重ねて7-0の8回コールドで降している。

準決勝最後のイスを賭けた第2試合は、早実に昨秋の雪辱を果たしたい同士の関東一・国士舘の対決。国士舘は昨秋に永田監督が大学の監督から高校の監督に復帰後、すぐに都大会ベスト4。新チームになってからの試合はまだ見ていませんが、今大会もコールドありロースコアの接戦ありの理想的な勝ち上がりです。シートノックの動きも良く、流石という感じ。

先攻:関東一

1ライト小林→レフト

2レフト立崎→R早坂→レフト

3センター増田

4ショート溝淵

5ピッチャー小川→ファースト

6サード泉→R石田→サード

7ファースト緒方→ピッチャー高橋

8セカンド宮田→H柿澤→セカンド→H小堀

9キャッチャー横山

今大会初めての先攻。まあ、永遠に後攻というわけにもいかないしねと思いつつもちょっと不安。前の試合でサヨナラタイムリーの泉君がサードで初スタメン。先発は前の試合に続き小川君。初戦も前の試合もコールドながら完投している小川君ですが、さすがに国士舘相手なのでどこかで継投があるかも。

後攻:国士舘

1ショート片岡

2センター眞崎

3ファースト水野谷

4ライト山本

5キャッチャー金澤

6レフト田中→H門間→ピッチャー草薙→深澤

7サード嶋崎

8セカンド上原

9ピッチャー石井→城田→レフト夏伐

背番号11の左スリークォーター石井君が先発。

久々の先攻だし、何とか先取点を取りたい1回表。1死から2番立崎君がショートへの内野安打で出ると、続く増田君がライト前、溝淵君は三振に倒れるものの、今日も5番に座る小川君がレフトへの3ラン!凄い当たりでした。興奮さめやらぬ中、打席にたった初スタメンの泉君もこれまたレフトへのホームラン!!この回4点を先取します。

1回裏。3ランを放った小川君がマウンドへ。内野ゴロ2つで簡単に2アウトを取り、3番水野谷君には2ベースを打たれ、4番山本君は四球で1・2塁とされますが後続は断って無失点。

しかし2回。無得点に終わったその裏、国士舘の攻撃で、1死から7番嶋崎君がお返しとばかりにレフトへのホームラン!さらに8番上原君、9番石井君の連打でもう1点、2点差に迫られる。

もう一度突き放したい3回表も三者凡退に終わったその裏は、前の打席で2ベースを打っている3番水野谷君をストレートの四球で歩かせると、4番山本君のエンドランはレフトライナーに打ち取るものの、1塁ランナーを刺すことはできず、続く5番の金澤君は右中間への2ベースで1点差。6番田中君は三振で2死としますが続く島崎君は今度は叩きつけた打球でサードの頭上を越え、早くも同点に追いつかれる。

4回表。前の打席でホームランを放っている泉君からですが、ここは初球を打ってセカンドフライ。続く緒方君は四球で出ますが8番宮田君の打席で、何かサイン違いでもあったのか、インコースの変化球を見逃した際のキャッチャーからの牽制に対してランナーが戻り切れず、2アウトランナーなし。宮田君もセカンドフライで打者3人で攻撃を終える。同点に追いつかれた直後の攻撃のミスでちょっと嫌な雰囲気が漂う。

4回裏、関東一のマウンドには高橋君。緒方君がベンチに下がり、ファーストには小川君が入ります。思っていたより早いけど、かなり捉えられてる感じだし、やむを得ない継投でしょうか。駒込戦以来の登板となる高橋君は、ここを見事三者凡退に切って取り、試合は後半戦へ。

5回表、先頭の横山君は高―く上がった内野フライでしたが所謂お見合い状態で誰も取れず落球、思わぬ形でノーアウトのランナーが。送りバントで2塁に進めた後、これまた微妙な当たりの内野安打と四球で1死満塁のチャンスとなってバッターボックスには4番溝淵君。溝淵君は3-1のカウントからの鋭い当たり!!でしたが打球は石井君のピッチャーグラブの中へ…ホームゲッツーで大きなチャンスを逃してしまいます。

そして5回裏。4番山本君のヒットで1死1塁となった場面で続く金澤君は送りバント。これがピッチャー前に転がり、2塁送球アウト!1塁もアウト!やったー!ゲッツー返し!!それにしてもバッターランナーの金澤君、1塁のずいぶん手前でアウトになったな…と思っていると、なんだか不穏な雰囲気。国士舘のランナーが1・2塁に居座り、4審判が集まって協議を始める。

ややあって、審判からの説明がありますが、ピッチャーとバッターランナーが交錯したため走塁妨害で1・2塁ともセーフで試合再開…ってどういうこと?ピッチャー前に転がった打球を2塁送球していた高橋君が、どうやったらバッターランナーと交錯できるんだ??チェンジと思ってベンチに戻ってきたときも、確かマウンド付近からだったと思うし…観客席でもみんなして首をひねる中、主将でもある高橋君が審判に確認に行き、試合はやや長めの中断となる。それを所在無げに見守る横山君の背中。こういうときは、ピッチャーが主将だと不便だなー。しかし判定は覆ることなく、1死1・2塁で試合再開となります。うーん…

公認野球規則のオブストラクションの項(6.01(h))を見ると、

「(1)走塁を妨げられた走者に対してプレイが行われている場合、または打者走者が一塁に触れる前にその走塁が妨げられた場合には、ボールデッドとし、塁上の各奏者はオブストラクションがなければ達しただろうと審判員が推定する塁まで、アウトのおそれなく進塁することが許される。」

とあり、さらに【注4】では、

「たとえば、走者一塁、打者が一ゴロしたとき、ゴロをとった一塁手は一塁走者をフォースアウトにしようと二塁へ送球したが、一塁に向かっている打者と一塁のベースカバーに入ろうとした投手とが一塁の手前で衝突したような場合」が挙げられ、

オブストラクションがフォースアウトの前にあった場合は一塁走者も生きて1・2塁となり、フォースアウトがオブストラクションより先に成立していたならば二塁のフォースアウトは取り消されない、とされています。

この【注4】を今回のシチュエーションに当てはめて考えると、高橋君が2塁送球後にバッターランナーと接触したなら(走路上に瞬間移動でもしない限りは)2塁フォースアウトは成立しているはず。バッターランナーが一塁ベースのだいぶ手前までしか来られていなかったことも考え併せると、打った直後に野手(位置的にたぶん、キャッチャーかファースト)と接触したため2塁に送球が達するよりもオブストラクションの方が先になってしまった、ということなのではないかと思いますが、訂正のアナウンスはなかったのではっきりしたことは結局わかりませんでした。この推測が当たっているなら、訂正のアナウンスはしてあげて欲しかったな。状況は変わらないにしても、名指しで言われた方は踏んだり蹴ったり状態でちょっと可哀想。

※もし事実関係や野球規則の解釈に誤りがありましたらご指摘いただければとても有難いです。すぐに訂正いたします。

ともあれ、おこってしまったことは元に戻らない。切り替えていきたいところでしたが、バッターボックスの6番田中君に対して高橋君の投球はボール先行、3ボールから何とかフルカウントまで戻しますが最後はセンター前、続く嶋崎君もレフト前に落ちるヒットで2点を奪われ、なおも1死1・3塁のピンチが続く。

ここで国士舘スクイズを仕掛け、ファーストの小川君はホーム送球するも間に合わず、もう1点。更にサードゴロの送球エラーで2死2・3塁となったところでバッテリーエラーがあり、この回一気に4点のリードを許す。走塁妨害+フィルダースチョイス+送球エラー+バッテリーエラーとこの回守りのミスのフルコース状態(泣)。もちろん最初の走塁妨害がなければここまで崩れることはなかったでしょうが、もしもミスが1つでも少なくて、1点でも失点を少なくできていたら、その後の展開もまた違っていたのではないかと思います。それにしても国士舘、3塁線に叩きつける打球といい、スクイズといい、こちらの内野守備の脆さを的確についてくる。流石です。

しかし試合はまだ中盤の6回表。1、2点返せば全然違う。

まず先頭の小川君が四球で出ると、6番泉君のセカンドゴロで2塁に進み、続く高橋君のショートゴロがフィルダースチョイスで1死1・2塁。しかしその後は連続三振で無得点。それにしても、2回以降クリーンヒットがなくて、良い当たりは好捕され、エラーかと思うような微妙な当たりしかヒットになっていないのが気になる。

6回裏は2番からでしたが立ち直った高橋君が三者凡退に抑えます。

7回表、こちらも打順よく1番の小林君から。小林君は初球を打ってセンター前へ!久々のクリーンヒット。送りバントで2塁に進めた後、増田君のライト前と溝淵君のセンターへの犠牲フライでまず1点。小川君の打席の途中から国士舘は背番号10の右のサイドスロー城田君にピッチャー交代。ここは何としてももう1、2点欲しいところ、小川君は投手交代もものともせず、見事!レフト前ヒットを放ち、6-8と詰め寄ります。続く泉君も四球で1・2塁としますが高橋君はレフトフライに倒れ、2点差のまま。

7回裏、先頭の金澤君はライトフェンス直撃の2ベースでノーアウト2塁。もう1点欲しい国士舘送りバントを試みますがこちらは3塁へは絶対やりたくない。2度バントをファウルさせて最後は三振!後続も打ち取り、無失点で切り抜ける。やった!

この良い感じを攻撃に繋げたい8回表。国士舘は早くもピッチャー交代3番手・左腕の草薙君。終盤にきてどんどん惜しげもなく投入してきます。しかもまだエースの深澤君が残ってる。この回の攻防次第ですが、最終回で深澤君に代えてくるかも。

草薙君に対して関一打線は8番9番が討ち取られ2アウトとなりますが、1番小林君がセンター前、途中代走からライトに入った早坂君のサードへの当たりも内野安打となり1・3塁、続く増田君がまたもライト前に抜けるヒットで7-8、1点差としてなおも2死ながらランナー1・2塁おチャンスが続きますが4番溝淵君はセンターフライ。

しかし同点にはおいつけなかったけど、最終回がまだある。1点なら!望みを繋ぐため、何としても無失点に抑えたい8回裏。先頭の途中からレフトに入った夏伐君を三球三振にとり、まず1アウト。1番片岡君は打ち取った当たりでしたがレフト前に落ち、1死1塁。2番眞﨑君は送りバントを失敗させ、最後は三振に取り、2死1塁まで漕ぎつけますが、3番水野谷君はショート深い位置へのゴロで内野安打で2死1・2塁。いずれも打たれた!という当たりではないのですが…そして4番山本君に対しては力んでしまってなかなかストライクが入らず、四球で満塁に。5番金澤君に対しても同じような投球でヒヤヒヤしますが2ボールからサードゴロ。泉君の代走からサードに入った石田君がしっかり捕球しますが、これも位置が深い!イヤな予感は的中、ファーストへの悪送球でランナー2人が還り、7-10と再び突き放される。

9回表、やはり最後に登場したエース深澤君の前に、1死から石田君がレフト前に落ちるヒットで出ますが後続は倒れ、7-10のまま試合終了。昨秋に続き準々決勝敗退となりました。

怪我などで出られないメンバーもいたようですし、投手も含めた複数ポジション制で、例年以上に神経使うというか、しんどい大会だったのではないでしょうか。まずは、お疲れさまでした。

今日は悔いの残る負け方だったし、今大会を通して考えても、歴代のチームの同じ時期と比べて脆さや未熟さがあるように感じました(素人が偉そうにすみません)。でもそれだけに、もっと強くなれる要素を残したチームだとも思うのです。そのための時間は決して長くはありませんが、最後となる夏、これが俺達の野球だ!って言えるとこまで、辿り着いて欲しい。ハンパで終わんな、ガンバレ関一!

余談ですが、今日は帝京東実関一国士と数年前までなら東東京大会か?という面子。バックネット裏の私の席の近くでは、たまたま帝京関一国士の年配OBの方々が陣取っていて、それぞれ気炎を上げておられました。もちろん面識はない同士で、それぞれ好きなように声援送ったり解説したり、ときたま互いに一言二言、笑いを交えつつ言葉をかわしたり。甲子園のかかっていない春ならではのゆるさなのかもしれませんが、今日はそれが時に五月蠅く、しかし楽しく、嬉しくもありました(試合には負けちゃったけど…)。準決勝は早実三高、共に非常に厳しい相手ですが、帝京国士舘の健闘を祈ってます。