20220925秋季埼玉県大会準々決勝 正智深谷×昌平、山村学園×西武台

9月もいよいよ最終週、見沼代用水沿いのヒガンバナもそろそろ盛りを過ぎ。久々のスッキリ天気のもと、埼玉準々決勝を観にレジデンシャルスタジアム大宮へ。

今日は雨で試合不成立となった19日分の代替チケットでの入場。観戦歴20年にして初めて貰いましたが、継続試合が導入されたことで今後はこういうケースも増えていくのかも。特に、今秋のように雨予報続きで明日に延ばせば大丈夫という保証がないときは。

 

【第1試合 正智深谷6-10昌平】

第1試合は緑対決。昌平は背番号18の佐藤君、正智は背番号10の木村君が先発。共に右腕で、佐藤君はオーソドックスな感じ、木村君は最近あまり見ないワインドアップのピッチャーです。

初回。昌平の佐藤君が三者凡退に抑え、正智の木村君も難なく2アウト。静かな立ち上がりか…と思いましたが3番五十木君がセンター前ヒットで出ると、エラーと死球で満塁。6番岩間君が逆らわないバッティングで右中間をやぶるタイムリー2ベース、7番平田君もセンター前で続き、この回4点。2回にも1点を追加し、3回には初回の死球で痛めたのか、5番の小林君の代打に送られた渡辺(暁)君が右中間をやぶる2ベース…うーむ昌平強し。しかしここで正智はエースの河村君がリリーフ。ピンチを迎えながらもなんとか無失点でしのぐ。

4回表。2巡目に入った正智打線は佐藤君を確実にとらえ、連打でノーアウト1・2塁とすると送りバントが内野安打となり、ノーアウト満塁。ここから6番中君のライト前ヒットでまず1点。三振で1死となった後、8番岩野君のスクイズで2点目。正智は2アウトとなった後も攻撃の手を緩めず、四球やエラーも絡んでこの回一挙5点で同点に追いつき、なおも2死2・3塁。しかし昌平もエース左腕の渡辺君を投入、この回の先頭、反撃の口火を切った3番笠原君を見逃し三振にとり、ピンチを凌ぐ。

昌平にとってはまさかの展開だったでしょうが、さすがだったのはその後。

直後の4回裏には四球でもらったランナーを4番斉藤君のレフト前タイムリーで確実に返し、再びリードを奪う。5回6回にも長短打を集めて2点ずつを奪い、突き放す。正智深谷も6回表に1点を返しますが7回以降は昌平のエース渡辺君の前に1人のランナーも出せず、10-6で昌平が準決勝進出を決めました。

怒涛の展開でしたが同点にされても変わらぬ昌平の打撃の迫力に圧倒されました。上位も下位も切れ目なく、6番岩間君は2塁打3本。正智はエラー4が勿体なかったけど、序盤の大量失点にめげず追いついたのはやっぱ凄かった。

【試合スコア】

正智深谷 000 501 000 6  H8 E4

昌  平 410 122 00x 10 H14 E1

 

【第2試合 山村学園9-7西武台】

昌平と並んで近年の埼玉トップクラスに定着した感のある山村学園と、実力校西武台の一戦。グレーのユニが渋い西武台ですが、あまりに印象的なくるぶしのレモン色?(夜道でも安全そう…)…前からこうだったっけ?

第2試合は両チームともエースが先発。

先攻は山村学園。西武台のエース・右腕の大山君に対し、初回に1点を先制すると、3回4回には2番今岡君、6番三上君のソロ2本で1点ずつ,5回には長短打を集めて3点、中盤までで6点をあげる。

守っては先発のエース鹿島君が3回までを四球1のみの危なげない投球。強力打線の西武台だけに、右サイドの鹿島君がハマるのかな~などと思っていると、なんと4回裏には突然のピッチャー交代。背番号17の西川君がマウンドに上がります。わかります。準決勝明日だし、1日置いてまた決勝or3決と超タイトな日程だから、リスク分散のためにはどのカードでも切れるようにしておきたい…とはいえまだ6イニングもあるし…

しかし2番手の西川君もボールとはっきりわかる球がやや多いかな?という感じはしますがやっぱイイ球だな~3イニングで四球2、内野安打1の無失点に抑える。

西武台の方は6回表から背番号11の右腕藤田君が好リリーフ。テンポの良い投球で6回表は三者凡退。

6-0のままで迎え得た7回裏、山村は再びピッチャー交代。背番号11の右腕青木君がマウンドに上がり、ここも危なげなく三者凡退に抑える。

8回表の山村も2死1・2塁のチャンスから2番今村君のセンターに大飛球を放ちますが西武台のセンター神杉君がナイスキャッチ!これでコールドはなくなりましたがあと2イニングで6点差、青木君も安定してるようだしこのまま終わるか…と思いきや。

8回裏、先頭の8番土田君が初球を叩いて左中間をやぶる3ベースで出ると、1死から1番太田君のセンター前ヒットで1点、続く神杉君も初球をレフト前にうまく運び、1・2塁。急に打たれ始めたことで動揺が走ったのか、3番金田君に対してはコントロールが定まらず、3番4番の打席で続けてバッテリーエラーがあったりして2点目、更に4番杉元君のライトオーバーの2ベース、5番渡辺君の2ランでこの回一挙6点。第1試合に続く、怒涛の同点劇。その後も四球とヒットで2死1・2塁のピンチが訪れますが青木君も踏ん張り、同点でしのぐ。

9回は共に無得点に終わり、試合は延長へ。

10回表、山村の攻撃。先頭の7番山崎君がレフト線深いところに2ベースを放ち、送りバントで3塁に進めた後、9番ピッチャー青木君が見事レフトへの犠牲フライを放ち、山村が1点を勝ち越す。

しかし10回裏にはふたたび西武台が反撃。先頭の3番金田君、4番杉本君が連続でライト前ヒットを放ち、ノーアウト1・3塁。5番渡辺君の犠牲フライで西武台が同点に追いつく。いや、凄いことになってきた…

なおも攻める西武台は、6番塚本君の打席で代走の虻川君が2盗、キャッチャーからの送球が逸れてランナーは3塁へ。塚本君も結局四球で、1死1・3塁。西武台サヨナラのチャンス。続く7番は今日好リリーフを見せた藤田君ですが、代打に森内君が送られ、バッターボックスへ。しかし、ここで山村学園は申告敬遠で塁を埋めます。

そして8番土田君は鋭い当たりではありましたがピッチャーライナー。ゲッツーでサヨナラはならず、11回の攻防へ。

(なんと、スコアブックが終わってしまった!ここからは裏表紙ウラ線引いてメモ)

11回表。代打を送られた藤田君に代わり、背番号10の大竹君が土壇場のマウンドへ。山村学園は先頭の途中出場の3番鈴木君から。鈴木君はレフト前ヒットで出ますが盗塁失敗で1アウトランナーなし。しかし4番加藤君は四球で再びランナーが出ると、5番田中君のファーストへの当たりが跳ねてファウルグラウンドに転がるヒットで1死1・3塁のチャンスをつくり、6番三上君の右中間越えの3ベースで2点を3度目の勝ち越し。

11回裏。西武台は1死から1番太田君がレフト前ヒットで出塁、2アウトとなりますがバッターボックスには前の打席でライト前ヒットを放っている3番金田君。金田君に対し青木君もボール先行、3-1となりますがなんと、ここで再び申告敬遠。同点のランナーが出て、2死ながら1・2塁で4番…なのですがバッターボックスには前の回に代走で入った虻川君。虻川君も何とか当てようとしますが最後は見逃し三振に倒れゲームセット、山村学園が激闘を制し、準決勝進出を決めました。

 

山村学園の鹿島君西川君のナイスピッチング、一挙6失点から何とか立ち直った青木君、終盤の西武台打線の力強さなど(評判どおりやっぱり力ある…春以降も見たいチームです)、見どころ多い試合でした。特に撃ちあいとなった後半戦は目の離せない展開でしたが、やはり終わってみて一番強く感じたのは選手起用の難しさ、綾みたいなものと申告敬遠のインパクトでしょうか。

山村学園の3投手3イニングずつという、先を考えれば理にかなってるし点差やそこまでの試合展開を考えればそれほど危険はないと思われた継投が、いろいろな要素が絡んであれよあれよという間に首皮一枚みたいな感じになってしまったのもそうだし、延長10回と11回の二度の申告敬遠も、塁を埋め、かつ、相対的に危険度の低い打者に回す、という以上の意義が(結果的には)あったように思います。

好投の藤田君に代えて送った代打の森内君が敬遠されてしまった10回も、カウント悪くなったところで申告敬遠に切り替えた11回も。特に11回はカウント3-1になっていたから、そのまま1球外しても大差なかったはず。でもそうしなかったのは、勝負しないと決めた以上、インプレー中に起こり得るリスク(普通に外すつもりが大暴投とかクソボールをホームランとか)を回避するためもあるんだろうけど、バッターに圧されて結果的に四球になったんじゃなく、バッターとの勝負をこちらから切り捨てたんだよという主張を感じました。あくまで私が受けた印象ですけど。ここでは次打者が4番の杉本君ではなく、代走から入った虻川君だったから、ヤラれた感は余計に強かった(10回の代走自体は、盗塁成功どころか3塁まで行けたのだから大成功だったと思う。)。

もちろん普通の敬遠だったとしても結果は同じだったかもしれないけど、非常に印象深い場面でした。考えてみれば、申告敬遠というのは野球の試合の中で唯一、相手チーム自チームのプレー関係なく、守備側監督1人の意志が100%必ず反映される、そういう異質さがある。使いようによっては強力な武器になり得るのかも?とちょっと思いました。

 

【試合スコア】

山村学園 101 130 000 12 9 H14 E1

西武台  000 000 060 10 7 H10 E2