20111030 秋季東京都大会決勝 関東一×帝京

日曜日。神宮第二に来るのも、今年はこれが最後。

信濃町から球場に向かう途中の軟式球場脇に、高校野球のチケット臨時販売所が出来ている。今まで、神宮球場に臨時の高校野球チケット売り場が出来てたことはあったけど、それだと混乱しやすいし、こういうのはいいかも。ただ、立ち寄って買う人はいなくて、みんな(神宮かゴルフ場か)目的地に向かってずんずん歩いていく。さすがに皆さんチケット購入済みなのか?)。11時前にゴルフ場に着くと、意外にも券売所は行列もなく、まったりした雰囲気…ってあわわもう開門してたんか!慌ててスタンドに上がって見ると中はびっしりで、席を探すのに苦労する。それでもまあ、ひとりの身軽さ、間近の空きシートに滑り込む。いやー結構危なかった。

左右を見回すと、今日は両校共にブラバン&チアガールが出動!関東一は今大会最初で最後の登場です(ありがとう!)。

関東一は今日も先攻、アップの様子を見ると、やはり今日の先発は中村君のようです。一方の帝京は石倉君の連投になる模様。うーむ、いつも贅沢投手陣の帝京が連投(しかも昨日の石倉君は9回140球以上投げている)、こちらの中村君は先週の準々決勝の日大豊山戦でのリリーフ以来の登板。なんか、(球)数的優位を作り出せてるぞ。もっとも、彼我の経験や実績にはかなり開きがあるし、夏に比べれば連投の影響は少ないはずなので、凄く有利ということもないのかもしれませんが。

さて、決勝戦らしい緊迫したざわめきの中、両チームのスタメン発表。

先攻:関東一

1ライト磯部

2サード吉江

3セカンド木内

4センター秋山

5ファースト安西

6レフト伊藤

7キャッチャー松谷

8ピッチャー中村

9ショート岸田

今日も5~7番以降の打順が微妙に入れ替わり、更に中村君が入ったことで8番9番も入れ替わっています。ここまで毎試合のように打順が変わるのは、初めて見ますが、組み替えたことによってか個々人の成績・結果が微妙に移り変わっているようでもある。そして、今日はこの組み替えがどう働くのでしょうか。

後攻:帝京

1セカンド田中将

2サード堤

3ショート阿部

4ファースト渡邉(→ピッチャー)

5ピッチャー石倉(→センター)

6センター高山(→レフト)

7ライト谷田

8レフト金久保(→ファースト伊集院)

9キャッチャー石川

帝京の試合もこの秋何度か観ましたが、基本的にスタメンは変わっていない模様。投の柱がが中軸も務める打線。伊藤君や高島君などもそうだったし、帝京はそういうパターンが多いような気がします。

1回表、テンポ良く投げて来る石倉君。2番吉江君がファウルで粘ったりもしますが結果は三者凡退。

ま、まあ、想定の範囲内ですから(汗)

1回裏、中村君の立ち上がりは、少し球がうわずっている感じで、先頭の田中将君を四球で歩かせてしまいます。更に2番堤君のナイスバントで1死2塁とされますが、3番阿部君は空振りの三振!合ってない…!帝京のクリーンアップでも…そして次の4番・渡邉君の打球も微妙な当たりのサードゴロ。これを吉江君が慌てず騒がず、なんと、素手でキャッチしてそのまま1塁送球!この意味するところは私などにはわかりませんが、うぉー何かすげー、と盛り上がりつつ2回表へ。

以前の試合はわからないけど、私の記憶にある限り、過去の対戦で初回に帝京に先制されなかったことって、ないような。押久保君の完投で勝った08夏でさえ、初回にいとも簡単に2点取られている。振り返ってみれば、四球で先頭を歩かせながらも抑えたことで、だいぶ気が楽になったように思いました。三振+思わず唸るバックの好守というのもバランス良くて、イイ感じ(三振だけだと不安になる私)。

2回表、2アウトをとられ、バッターボックスには、伊藤君。今大会ずっと不調が続き、昨日ようやく久々のヒットが出たたばかり。今日は昨日より打順をひとつ上げての6番。

伊藤君は若いカウントから振っていき、1-1からライト線への2ベース!!大会最後にきて、ようやくらしい当たりが!後続はなく、無得点に終わりますが、ひょっとして、行けるかも?

2回裏、先頭の石倉君を見逃し三振!!続く高山君もサードへのファウルフライで2アウト。7番谷田君には3ボールから死球を与えてしまいますが、8番金久保くんはフルカウントから見逃しの三振!!

3回表、1死から9番岸田君が死球で出塁。打順は2巡目に入り、磯部君がバッターボックスへ。

磯部君は初球をライト前へ!続く吉江君も1-2と追い込まれながらライト前にライナーで抜けるヒット!ランナーは3塁ストップで、1死満塁の大チャンスでクリーンナップを迎え、盛り上がる1塁側。

しかし木内君の打球はショートへのやや弱いライナー。ショートの阿部君がキャッチ、3塁ランナーは戻れずダブルプレー。一瞬のうちにチャンスが潰えてしまいます(泣)でも2巡目で連打も出たし、この先もまだチャンスは必ずあるはず。

3回裏、2死から2番堤君にレフト線へのヒットを打たれ2死1塁。帝京にも初ヒットが生まれます。もう2巡目だしな…(このときはそう思いました)しかし後続は討ち取りここも無失点。

4回は共に三者凡退。帝京にも良い当たりが出始めますが、関一守備陣も好守を見せる。

5回表、1死から8番中村君の打球は完全に討ち取られた当たり。しかし高く上がり過ぎて少し流されたのか?野手が譲り合ってポトリとセンター前に落ち、その間に中村君は2塁へ…思わぬ形でチャンスを貰いますが、9番岸田君は三振、続く磯部君の打席でバッテリーエラーで3塁まで進むも、最後はサードゴロ。

連投の石倉君ですが、ピンチになっても粘り強く投げ、なかなか点をくれません。

さて、(逃した)チャンスの後にピンチあり。

5回裏、快投を続ける中村君、先頭の谷田君は見逃しの三振、続く金久保君もショートゴロに打ち取った…と思いきや、送球が逸れてセーフ。金久保君足速くて、ちょっと焦ったのもあるのかな…初めてのエラーでリズムを崩さなければいいのだけど…続く石川君は送りバント、2死にしても2塁に進めてきます。

ここで背番号18の山内君が伝令に走ります。どんな指示が送られたのか。

帝京のバッターは1番・田中君。田中君に対しては1-2からの4球目(ボールでした)から松谷君が2塁牽制!アウトに出来るかも?というタイミングでしたがやや連携が乱れ、ランナーは3塁へ。田中君も結局四球で、2死ながら1・3塁のピンチ。しかも打たれたわけじゃなく、ミスから招いたピンチというのがイヤな感じ…でも、だからこそ堪えてくれ!

ここで打席には帝京で唯一ヒットを放っている2番・堤君。堤君に対して1-2のカウントになったとき、帝京側から(だったと思います)タイムが。このタイムの間に、関一側も松谷君がマウンドへ。両チームとも、どんな指示、どんな確認がなされているのでしょうか。

さて試合再開後の1球は、ストレートを空振り!大いに沸く1塁側。そして2-2からの5球目、堤君の打球は1塁線上へのフライ、安西君が無事キャッチしてこの試合最大のピンチを切り抜ける。粘りでは中村君も負けてない。

6回表、2死から4番秋山君が四球を選び、2死1塁。コントロールの良い石倉君、ここまでは死球は1つありましたが、四球は初めて。秋山君は続く安西君の打席で盗塁を決め(キャッチャーの石川君も2塁送球できないタイミングでした♪)たりもしますが、安西君はショートゴロでここも無得点。

6回裏、帝京の先頭は3番阿部君。阿部君の打球は左中間よりの大きな打球でしたが秋山君が良く捕り、1アウト。続く渡邉君も、フルカウントから3塁ベンチ前に上がった難しいファウルフライを松谷君が追いかけナイスキャッチ、勢い余って転がりながらもボールは離さず2アウト!そして5番の石倉君に対しては、今度は中村君が、バックの好守に応えるように、空振りの三振にとり3アウト!!

7回表。ゼロ行進の決勝も、いよいよ終盤。ここまで互角どころか押し気味に試合を進めて来ているけど、中村君も疲れて来ているだろうし、帝京にはまだリリーフ陣が控えているし、やはり先に点が欲しい。

「先頭出したいよな…」という誰かのつぶやき。そして打席には今日、ライト線への2ベースを放っている伊藤君。伊藤君は見事に期待に応え、右中間へのライナーでのヒット!そして続く松谷君の打席で、何と盗塁!勝負をかけてきます。そして2塁は…際どいタイミングでしたがボールがこぼれ、セーフに。そして松谷君は送りバントを決めて1死3塁。ビッグチャンスを作り出します。続くバッターは打撃にも期待の8番・中村君。中村君は1-2と追い込まれますがレフト線への2ベース!!ついに1点をもぎとり、なおも1死2塁。ここで帝京ベンチから伝令が走りますが、やはり動揺は拭えなかったか、次の岸田君に初球デッドボールを与えたところで石倉君が降板、ファーストの渡邉君がマウンドに上がります。クリーンアップも務める石倉君はベンチには下がらずセンターへ、センターの高山君がレフト、ファーストには伊集院君が入ります、

渡邉君も石倉君と同じくサウスポー。この秋はあまり登板はなかったはずですが、球威ある感じ…この後の短いイニングで渡邉君から打てるかわからないし、ここでもう1点でも取っておきたい。逆に帝京としては1点で何とか切り抜けたいところでしょうが…

その気持ちが力みに繋がったのか、渡邉君の1球目。あっ、と思う間もなくボールはホームベースの手前で大きく跳ね、キャッチャーの頭上を越える勢いで後方へ…ワイルドピッチで2・3塁。願ってもないチャンスが訪れます。そして磯部君のセカンドへのゴロも、セカンド田中君が弾き、3塁ランナーが生還、貴重な2点目が入ります。

しかし、その後はリリーフの渡邉君も踏ん張り、後続は討ち取られ、2点止まり。一気に行きたいところでしたが、さすがにそうは問屋が卸しません。でも、終盤に入ろうとするところでの2点。

7回裏、点取った直後が心配されましたが、すべて内野ゴロの三者凡退。みんな落ち着いている…

8回表、渡邉君も力のある球で3者凡退。

8回裏、先頭の石川君をストレートの四球で歩かせ、ノーアウト1塁。ちょっと疲れてきてるのかな??気をもみますが、キャプテン木内君がマウンドに近寄り、声をかけた後は再びストライク先行に。

送りバントで2塁まで進められますが、後続は討ち取り、ここも凌ぐ。

9回表。途中、薄日がさすこともあったのに、ここに来て、ぽつりぽつりと雨粒が。試合に支障が出るようなものではないけど、ああ、これも、帝京戦らしさ。

先頭の松谷君は見逃し三振。渡邉君も凄く良い球を投げて来る。続く中村君は積極的に振って来ますが最後はショートライナー。9番岸田君もレフトフライで2点差のまま、最後の守りを迎えます。

9回裏は4番の渡邉君から、

渡邉君はセンターへの良い当たり!ですが秋山君が…取った!!!

続く石倉君も空振りの三振!2アウト。

次の高山君もファウルで粘りますが、最後はレフトフライに打ち取り、ゲームセット!!

1年生の中村君が、完封勝利で帝京を破り、夏の決勝の雪辱を、そして07秋以来の都大会優勝を果たし、来春のセンバツ出場を(ほぼ)確定させました。

凄い試合でした。おめでとう!これまでのチームにもロースコアの試合はたまにあったけど、それと比べても少し違う感じの試合でした。決勝だから、というだけじゃなく。このチームがこれからどんな経験をしてどんなチームに成長していくのか、これからも楽しみにしています。まずは神宮大会♪できればその、初日のクジを引いて欲しいのですが…