101103 秋季関東大会 準々決勝 春日部共栄×水城

快晴の文化の日。雨による順延でセンバツ当確圏内のベスト4を決める準々決勝が祝日にズレ込んだのはラッキー♪でもおかげで、大学野球の方の神宮大会出場権を決める横浜市長杯の準決勝には行けなくなってしまいました(泣)いつもは10月末の平日開催なのに、今回はラッキー♪と思ってたのに……東海大の勝利を祈りつつも、足は大宮公園駅から、市営球場に抜ける裏道へ。

シートノックを見ると、力入り過ぎのような感じもするけど、それでも、初戦のときよりはだいぶ落ち着いてきた感じ。しかし市営はスタンドとグラウンドの距離が近いなー。前めの席に座ったせいもあるけど、声が良く聞こえる。

水城は茨城1位、今夏も甲子園に出場している経験豊富なチーム。初戦の日本航空戦でも、9回裏の土壇場に3点差を追いつかれ、サヨナラのピンチを迎えながら抑えて、延長戦で4点とって勝ち上がっている。エースの佐藤君の自在なピッチングといい、相手の乱れから貰ったチャンスをモノにするしたたかさを感じる。

先攻は水城。

1ライト谷井

2レフト飛田

3セカンド小野瀬

4センター萩谷

5ファースト海老澤

6キャッチャー佐藤大

7サード中村

8ショート阿久津

9ピッチャー佐藤賢

ファーストに、初戦では途中出場の海老澤君がスタメンで入り、打順も少し入れ替わっている。

共栄は後攻、かなりホッとする。

1ライト小泉

2セカンド藪内

3レフト佐伯

4センター鎌田

5ファースト板倉

6ショート竹澤

7ピッチャー竹崎

8サード若山

9キャッチャー佐々木

こちらは7・8番の打順が入れ替わっているだけで、あとは初戦と同じ。

マウンドに上がった竹崎君は、かなり調子よさそう…かな?

何なく2アウトをとりますが、3番4番に連続四球(汗)ちょっと慎重になりすぎてリズムを崩した感じですが、5番の海老澤君は若いカウントからファウルを打たせて追い込み、最後は見逃しの三振!

1回裏、共栄の攻撃。

水城の先発・佐藤君は立ち上がりからやや制球に苦しみ3ボール。その後も積極的に振ってファウルが続き、最後はボールを選んでノーアウトのランナーが!続く藪内君はもちろん送りバント…なのですが、1塁線ぎりぎりの打球はやや強く転がりファウルに。うーん…もう一回…ところが2回目も同じような打球がファウルに…これで普通に送ることが難しくなってしまいます。そして1球ボールを挟んで2-2となったところで、佐藤君が1塁けん制!リードの幅は全然大きくなかったと思いますが、虚を突かれた感じで(もしかしたら何かサインが出ていたのかもしれません)戻りが間に合わずタッチアウト!せっかくのランナーが…(泣)結局藪内君も三振で2アウトランナーなし。しかし3番佐伯君がフルカウントからライト線への2ベースを放ち、2死2塁!再び盛り上がる1塁側。更に4番鎌田君も三遊間を抜く強い当たり!やったー!で、でも、これで回すのか3塁コーチ!?当たりは強かったけど浅かったのですが、2塁ランナーは3塁を蹴り、ホームへ突っ込みタッチアウト!

確かに2アウトだったけど…でも、正直とても間に合いそうにない感じだったし、次は5番だし、佐藤君も今ひとつ安定してないみたいだし、2死1・3塁で良かったような気がするけどなあ…バントミス→牽制死→2死から連打→ホームタッチアウトという、勿体ないお化けが出そうな展開はちょっと心配。ひとつのミスが、何とかミスを取り返そうという焦りに繋がってしまったような感じもする。でも、長打も出たし、このままいけばまったく歯がたたない、ということはなさそう。竹崎君が落ち着いてきてくれれば…

2回表。水城の先頭・6番の佐藤大君に対して竹崎君は2ストライクと追い込みますが、その後はボールが続きフルカウントに。しかし空振りの三振!その後は2死からセンター前ヒットを打たれるものの、危なげなく抑える。3回表も先頭の1番谷井君を四球で歩かせ、初球送りバントで綺麗に2塁まで進められますが、その後は良い当たりですが外野フライに打ち取り、徐々にリズムは良くなって来た感じ。

3回裏は、初戦で9回表にだめ押しの追加点の口火を切る値千金の2ベースを放っている佐々木君から。

ここでも佐々木君は、レフト線への2ベースを放ち、ノーアウト2塁!更に続く小泉君の打席でパスボールがあり3塁に。今度こそ活かしたい大チャンスで、小泉君は見事にセンター前に抜けるヒット!1点を先制し、尚もノーアウト1塁。更にチャンスを拡げたいところ、続く藪内君は送りバント…ですが、これがやや強くピッチャー正面に転がり、佐藤君は2塁送球でアウト!フィールディングも良かったと思いますが、初回にライン際を狙ったバントでファウルにしてしまったので、今度はちょっと内側に入れる気持ちが強かったのかな…

1死1塁となり、打席には3番佐伯君。佐伯君は三振に倒れますが、同時に藪内君の二盗(エンドランだったのかも)がキャッチャーからの送球が高く逸れたこともあって成功、2死2塁となりますが後続はなく1点止まり。ああ、ここでも勿体ないお化けが…でもとにかく絶対取らなきゃならないところで1点取ったし、序盤からクリーンヒットが何本も出てるのも、何だか久しぶりのような…

1点もらった竹崎君の4回表はストライク先行、2死からショートゴロエラーでランナーを出しますが、第1打席で初ヒットを打たれている8番阿久津を三球三振に取り、ここも抑える。

更に4回裏も先頭の板倉君がファースト強襲のヒットで出ると、送りバントで1死2塁、2死となった後、8番若山君のレフト前ヒットで2塁ランナーがホームへ!際どいタイミングでしたが、初回ほどは返球も良くなく、今度はセーフ!2-0とします。

5回6回も竹崎君は快調なピッチング。良い当たりもされますが、コントロールが安定してきて、落ち着いて見ていられる。何というか、綺麗だなあ…いいなあ…

更に6回裏にも2死から四球とパスボール、竹崎君の右中間へのタイムリーで3点目をあげ、7回も1死から8番阿久津君にレフトオーバーの2ベースを打たれながら後続を断ち、3点差のまま8回へ。

うーん竹崎君も安定しているし、こんな戦いぶりはいつ以来かな…?と安心しかけた8回表。

1死から、3番小野瀬君がセンター前に抜けそうな良い当たり…を藪内君が良く止め、1塁へジャンピングスロー!しかしこれが悪送球となり、ランナーは一気に2塁へ。うう、せっかくのプレーが仇に…でも良く飛びついたし、これは仕方ないかな。

しかし迎えるバッターは4番の萩谷君。竹崎君は2-0と追い込みますが、2-1からセンター前に抜けるヒットを浴び、2塁ランナーが生還、2点差とされ、1死1塁。5番海老澤君は良い当たりですがセンターライナーに打ち取り2死1塁。ここで水城は何と、キャッチャーの佐藤大君に代えて左の鈴木君を代打に送ります。

鈴木君は鋭い当たりのファウルを放ちますがカウントは2-2、ところが次のインコースの変化球が足首の当たりに当たるデッドボール……2死1・2塁。

これで完全にリズムを崩した竹崎君は次の中村君にはボール先行、0-3から1-3まで戻しますが次の5球目はセンターへの大きな当たり、何とか取ってくれ!という願いもかなわず、白球が外野の芝に弾むのが見える。2者が還り、同点、バッターランナーは3塁へ。

まさかの3失点に気落ちする1塁側ですが、まだ同点、後攻でもありますし、何とかここで切りたいところ。続く8番阿久津君は力のないサードゴロ…やれやれ、何とか収まったか、と思いきや、サードの若山君が後逸、4-3と逆転されます。続く佐藤賢君の打球ももセンター前にポトリと落ち、更にピンチを拡げて泣きそうになりますが、後続はショートフライ(これもあわや落球という危なっかしさ)で長い守備を終える。

しかしまだ1点差、こっちも佐藤君を打てているし、食らいついていけば追いつけるはず!という8回裏は4番の鎌田君から。鎌田君はファウルで粘りフルカウントまでいきますが、最後は空振りの三振。

しかし続く板倉君のピッチャー返しの打球がセンター前に抜けるヒットに!

次の竹澤君は併殺を嫌ってか送りバントで2死2塁、前の打席でタイムリーを放っている竹崎君がバッターボックスへ。しかしここはセカンドゴロに倒れ、無得点。

9回表は立ち直った竹崎君が三者凡退に抑え、最終回の攻撃に望みを繋ぎます。

先頭は8番、今日は1安打1死球の若山君から。若山君はセカンドの脇を抜くセンター前ヒットで出塁!ノーアウトのランナーが!!

もちろん次は送りバント……なのでしょうが、相手にもプレッシャーはかかってるだろうし、少し揺さぶってくるかな…と思いきや、佐々木君は初球バント…これがまたもや打球が死なず、マウンドを駆け下りてきた佐藤君が迷わず2塁、そして1塁転送でダブルプレーに………佐藤君は3回にも送りバントを2塁封殺にしていますが、ここでのフィールディングも良かった。でも、ちょっとマウンド寄りに行ってしまったかな…この場面でのバントは奇襲ではなく定石だっただけに、初球で決めようとする必要はなかったかな、ファウルになっても良かったかなあ…

思わぬ形で一気に2アウトランナーなしとなり、最後の打者の小泉君もセカンドゴロに倒れ、試合終了。

春日部共栄は、センバツ切符を目前にしながら、逆転負けで準々決勝敗退となりました。

やはり水城は劣勢を耐えて、ここぞというところで一気に試合を決める勝負強さを持った良いチームでした。準決勝も頑張ってください。

試合後、クールダウンを始めようとしてできず、しゃがみ込んで泣いている竹崎君と、その脇で、何事か言葉をかけている佐々木君を見ていると、5年前の成田戦、サヨナラホームランで負けたときの難波君と前田君を思い出す。今回は関東でも一勝をあげ、今日も終盤までリードしていて、あのとき以上にセンバツに近づいていただけに、本当に悔しい負けだったと思います。でも、ここ数年、かなりおぼろに霞みかけていた甲子園の後ろ姿が、ようやく見えた秋でもありました(運が良かった面もあるのでしょうが)。攻守ともに、技術的にも体力的にも戦術とか判断とかも、課題はたくさんあると思いますし、ひとつひとつ克服して、夏には甲子園への切符を今度こそ掴んでください!ガンバレ共栄!