20230711県営大宮2回戦 松山×春日部、聖望×大宮南、狭山ヶ丘×埼玉栄

凍らせたペットボトルその他でずっしり重いバッグを抱え、朝も早から氷川の杜を抜け、目指すは灼熱の県営大宮公園野球場。今日も厳しい暑さの中ですが、3試合フル観戦の予定。3試合とも好カードとはいえまだ夏休み前の平日なのでそこまでの混雑はなく、無事屋根下をGET。

 


【第1試合:○松山1ー0春日部】

伝統ある県立男子校同士の対戦。応援スタンドは盛大に盛り上がりますが試合の方は、春日部・横山君。松山・山岸君の両エースの好投の前に打線は沈黙。山岸君は右サイドスロー、横山君はサウスポーで、どちらも凄い速いとかバッタバッタと三振とるタイプではないのですがコントロール良く、攻撃側は打ちあぐね0-0のまま最終回へ。9回表も0点に抑えた松山は、3番打者でもある山岸君のレフト前ヒットがバウンドが大きく跳ね、レフトがボールを収めるのに手間取る間に2塁まで行き、最後は5番荒井君がレフトオーバーのサヨナラタイムリーを放ち、1-0で接戦をものにしました。共に被安打3で完投の横山君山岸君、ナイスピッチングでした ♪

 


【第2試合:聖望1-2大宮南○】

昨夏優勝チームながら今大会はノーシードの聖望と、春ベスト8で今大会はCシードの大宮南の対戦。これが…とても面白い試合でした。

大宮南は、エース右腕の高山君が1回表を無失点に抑えたその裏、1番今井君が意表をつく初球セーフティバント!続く海北君の打席で2盗してから送りバントで1死3塁とあっという間に先制のチャンス。

ここで3番菊池君も初球を打ってセカンドゴロ。この打球についてキャッチャーはファースト送球を指示、大宮南が1点を先制します。ホームに投げても微妙なタイミングだったと思うので、1点入って1死1塁で4番…というよりは1点やっても2死ランナーなしを選んだのはまだ初回だし妥当な判断だったと思います。しかし同時に、大宮南が狙い通りに事を運んで1点を挙げたということでもある。

しかし2回以降、前半は聖望が毎回ランナーを出すのに対し、大宮南は聖望の背番号11、サウスポーの向深澤君にほぼ完璧に抑えられ、聖望が押し気味に試合が進みます。聖望打線は力任せに長打狙いというよりはコツコツ打ってバントやエンドランを多用して塁を進めようとしてるみたい。しかし大宮南の守りも堅く、なかなかホームまでは辿り着けません。特に印象に残ったのは3回表、ノーアウト1塁からの投前送りバント連続阻止!でした。ナイスフィールディング ♪ 

 そして5回裏には先頭の高山君がレフト前ヒットで出ると、7番山田君の打席で盗塁(たぶんエンドラン空振りだと思いますが)、8番深澤君のレフト前タイムリーで1点を追加、2-0と点差を拡げる。

しかし聖望もここで代わった2番手の背番号10、右腕の井上君が後続を断つと、グラウンド整備を挟んだ6回表には反撃を開始。

1死から3番の代打に出た小泉君がライト前に落ちるヒットで出ると、4番百済君は送りバントで2死2塁として、バッターボックスには今日2安打の清遠君。それだけにバッテリーも慎重でボール先行。2死で1塁も空いてるし歩かせてもいいんじゃないかな…と思いながら見ていた3-1からの4球目、ボールと思った清遠君は早々と屈んでバットを置きかけますが、判定はストライク。そして仕切り直しとなった5球目が高めに来たのを見逃さなかった清遠君の打球はレフトへのタイムリーヒットとなり、ついに聖望が1点を返す。あの4球目がボールだったら、入らなかったかもしれない1点だったんだよなーという勝負の綾。それにしても気持ち切らさずナイスバッティングでした。

6回裏、再び突き放したい大宮南は2死ながら1・2塁のチャンスで6番高山君が1・2塁間に痛烈な打球を放ちますが、なんとこのライナーが1塁ランナーを直撃、ランナーアウトで無得点に終わる。

7回裏にも7番山田君の右中間への3ベースヒットでノーアウト3塁の大チャンスを作りますがライトフライが浅くタッチアップできず、スクイズも阻止され、ここも無得点。

後半チャンスを逃し続け、8回裏は三者凡退に終った大宮南ですが、守りの方は7回8回はランナーを出しながらもテンポよく無失点に抑えている。

後はこの回さえ抑えれば…という9回表のマウンドに上がった高山君ですが、すぐに両肩を支えられながらベンチに戻ってしまう。この暑さの中で球数は100球ちょっと、攻撃でも打って走って、それに聖望のバントがほぼすべて投前バントだったのでバント処理のダッシュも幾つもあったし…無理もありません。

二番手として緊急登板となったショートの越石君から6番中條君がすかさずレフト前ヒットでノーアウト1塁。まずここは送りバントだなという場面で送られた代打・松崎君はバントの構えで揺さぶりをかけてきますがバッテリーは動ずることなくどんどん投げ込み、2ストライクに追い込み、最後は3バントファウルで1アウト。

すると聖望は8番近藤君の打席で2盗しかけ見事成功、バントは失敗したものの1死2塁、一打同点の場面に持っていきます。

しかし次の高めの球(ボール球だったように見えました)をバッターは空振り三振、エンドランがかかっていたのかスタートを切っていた2塁ランナーも3塁タッチアウト、三振ゲッツーで試合終了という幕切れとなりました。

聖望のシングルヒットにバントや足技を絡めてバッテリーを揺さぶる戦い方も興味深かったし、大宮南の初回の攻撃や3回の送りバント阻止や9回裏の守りなど、攻守にわたって攻めの姿勢が感じられるのも凄く面白かった。ナイスゲームでした。高山君は、次戦までに体調回復するよう祈ってます。

 


【第3試合:狭山ヶ丘3-7埼玉栄○】

14時となると気温はこれから最高に向かう時間帯だけど、日差しは結構しのぎやすくなってくる(慣れたってのもあるかもしれないけど)。朝からの熱戦と暑さに疲れたバックネット裏はだいぶ空いてきて、売店で買ってきたグレープフルーツ味の氷をシャリシャリ。あーこのまったりしたインターバルは、県営ならではだよな~という地元サイコー意識に浸っていると、ダイヤモンドの水まきに虹が浮かび、第3試合はDシード埼玉栄と狭山ヶ丘の対戦。

 


立ち上がり、狭山ヶ丘の先発・加藤君は制球に苦しみ、四死球3に3安打、バッテリーエラーもあって5失点。2回表に先頭打者にレフト前ヒットを浴びたところで二番手の右サイドスローの二宮君に交代、このランナーを返されただけの1点に止める。

その後の狭山ヶ丘はランナーを出しながらも1点を追加されただけ、打っては3点を返しますが序盤の失点が重く響き、7-3で埼玉栄が勝利。

狭山ヶ丘としては、序盤の失点はもちろんですが、3回裏のノーアウト満塁で犠牲フライの1点しか取れなかったのがちょっと勿体なかった。その後は大量点取れるチャンスがなかなかなかっただけに…試合、しかも初戦の立ち上がり、って本当に難しいんだなと改めて思った試合でした。

あとちょっと珍しいなと思ったのが、2回無死から交代し好投を見せた狭山ヶ丘の二宮君が、1番レフトの菊田君との交代だったこと。先発の加藤君がレフトに下がったので、残すとしたら誰かを下げる必要があるのだけど、ポジションをやり繰りして下位の選手と交代するケースが多くて、序盤から打線の中心選手が交代になったのは見たことがなかったので、どういう意図があったのか、とても気になりました。

 

 

 

という1日。飲み尽くし食い尽くした帰りのバッグは少し軽くなっている。やっぱ、県営屋根下っていいな。3試合日っていいな。