20151025 秋季東京都大会準々決勝 修徳×関東一

都大会もいよいよ大詰めの準々決勝。昨日の試合で東海大高輪台二松学舎が、今日の第一試合で帝京が準決勝進出を既に決めており、残る1つの椅子を賭けての修徳との一戦です。

今大会で修徳を見るのは初めてですが、2回戦からの登場で桜美林を4-2、駿台学園7-3で破ってここまで来ている。背番号1桁の1年生が4人もいますが、今夏ベスト8まで行った旧チームが1・2年主体のメンバーだったので、公式戦の経験なら関一よりも上ということになる。

試合前の練習。真っ先に背番号6を探しますが、元気そうでまずはホッとひと安心。村瀬君、早大学院戦の負傷は大丈夫なようです。

両チームのスタメンは

先攻:修徳

1レフト澤地

2セカンド遠藤

3センター淵上

4ファースト高山(匠)→H加藤→サード

5ライト青野

6サード高嶋→H高山(幸)→ファースト

7ショート牧野

8ピッチャー佐藤→飯田→井上→庭野

9キャッチャー宮本

佐藤-宮本のバッテリーは1年生。佐藤君は、2年生エースだった飯田君に代わって背番号1を付けています。

後攻:関東一

1センター宮本

2ライト本橋→H石田

3ファースト米田

4キャッチャー佐藤(佑)

5ピッチャー竹井→レフト

6セカンド山川

7レフト石塚→ピッチャー河合

8サード山室

9ショート村瀬

今日の先発は竹井君なので石塚君がレフトに。セカンドは森川君に代わって山川君が入り、打順も少し入れ替わっている。6番だった村瀬君の打順が下がっているのはやはり負傷の影響があるのでしょうか。

修徳の先攻で試合開始。積極的に振ってくる修徳打線は1番2番と初球を打っていずれも凡退。3番淵上君のショートへの打球は村瀬君もよく止めましたが送球が逸れて内野安打に。続く高山君の打席で盗塁を決められますが、高山君はセンターフライで無失点と、まずは無難な立ち上がり。それにしても、修徳ブラバンの音、重厚な感じが心地良い。神宮第二効果で空気を震わすように響くのがまた、迫力満点☆

1回裏、修徳のエース佐藤君は立ち上がり、ややコントロールに苦しんでいるようで、1番宮本君が四球を選び、送りバント後米田君も四球で出ますが4番佐藤君はセカンドゴロ併殺で無得点。

2回表。今度は竹井君が先頭の青野君に初球デッドボール(汗)しかし続く高嶋君の送りバントがピッチャー前に転がり、竹井君は躊躇わず2塁送球!送りバント阻止で1死1塁。続く牧野君は叩きつけるようなバッティングでセンター前に抜けるヒットで1・2塁とされますが、後続はサードゴロ併殺でピンチを切り抜ける。送りバント阻止が活きた形となりました♪

2回裏、1死から6番山川君が四球、7番石塚君はファーストの頭上を越える高いバウンドの打球で1塁ランナーの山川君は3塁へ。そして8番山室君のライト前で山川君が還り1点を先制!村瀬君もライト前ヒットで続き、1死満塁とします。

ここで修徳は早くもピッチャー交代。背番号10の2年生・飯田君がマウンドに上がります。関一の打順はトップに還り宮本君。宮本君の打球はライト前に落ち、2点目。後続は併殺に倒れますが、この回関一が2点を先制します。そんなに痛烈!という当たりではないのですが、シングルヒット4連打というのはそうしょっちゅうあることでもないので、やはり嬉しい♪

先制した直後、大事に行きたい3回表。しかし早く取り返したい修徳も、先頭の9番宮本君が早速ライト前ヒットでノーアウト1塁。ここで打順はトップに還り1番の澤地君。2点差でもあり打順も1番ということもあってか、送らず強攻でしたが空振りの三振に取り1アウト。続く2番遠藤君はセンター前ヒット…!しかし1塁ランナーが2塁を回りかけて止まろうとした…がちょっと滑ったのか、大きくオーバーランしたところから戻り切れない!センターからセカンドへの返球もボールがこぼれてヒヤッとしましたが、バックアップしていた村瀬君がフォローしてランナーはそのままタッチアウト!!これで2死1塁。残った1塁ランナーが3番淵上君の打席で盗塁を試みますがこれも2塁タッチアウトで難を逃れる。

3回裏、打順良く3番宮本君から。四球→送りバント→四球で1死1・2塁。6番山川君はサードゴロでしたがサードがこれを後逸、この間に2塁ランナーが生還して3点目が入り尚も1死1・2塁。続く石塚君の送りバントはやや3塁寄りのピッチャーへの小フライ…しかもゲッツーを狙った飯田君はフライを取らず、落ちたボールを拾って3塁送球!!ところが3塁に近すぎたせいもあったのかもしれませんが、この送球が逸れてオールセーフ!8番山室君のゲッツー崩れの間に4点目が入り、9番村瀬君はストレートの四球で2死ながら満塁。ここで1番宮本君がライトフェンスギリギリのところに落ちる満塁ホームラン!!これで一挙4点、8-0と大きく突き放します。

山川君のサードゴロがちゃんと処理されていれば…飯田君の3塁送球が逸れていなければ…あるいは送りバントの小フライを普通に捕球していれば…6点も入ることはなく、ゼロで終わった可能性も高かったと思います。関一としてはラッキーでもありましたが貰ったチャンスを活かし切った、修徳としては悔やまれる回でした。

でもまだ中盤に入ったばかり。恐怖の神宮第二球場でもありますし、ここで何点か返されたらまだわからない4回表。

1死から4番高山君のサードゴロを山室君が悪送球。続く青野君は初球をセンターオーバーの2ベース、6番高嶋君も初球デッドボールであっという間に1死満塁のピンチ(泣)しかし竹井君も後続は凡退に打ち取り、無失点で凌ぐ♪でも青野君の2ベース、良い当たりだったな…

やはりまだまだ安心できない4回裏。ショートゴロエラーで出た米田君を4番佐藤君の送りバントで2塁に進め、竹井君のレフト前ヒットと山川君のセンターへの犠牲フライで還して1点を追加。3回があんな形だったのでこの先の攻撃がどうなるかと思いましたが、非常に落ち着いた点の取り方だったのが心強い。試合結果から振り返ってみても、大きな1点だったと思います。これで9-0。

5回表。サードゴロ送球エラーでランナーを出しますが後続は抑えて無失点。

5回裏。先頭の山室君がライト前ヒットで出ると、9番村瀬君の打席でバッテリーエラーがありランナー2塁。村瀬君は叩きつけた打球のセカンドゴロで1死3塁。ここで1点入れば10-0、5回サヨナラコールドが目前に迫る。

ここで修徳はピッチャー交代。背番号11の左腕・井上君がマウンドに上がります。バッターボックスには前の打席で満塁ホームランを放っている宮本君。しかし宮本君は初球を打ち上げて1塁線へのファウルフライ、続く本橋君も良い当たりでしたがセンターライナーに倒れ、初回以来の無得点。この試合、ミスや四死球で貰ったチャンスをほぼ確実にモノにしてきた関一が初めて決定的なチャンスを逃した場面でした。

ピンチの後にチャンスあり、とはすなわち、チャンスの後にピンチあり、ということでもあるわけで。

6回表、修徳の攻撃は3番の淵上君から。淵上君は2-2からの5球目をライトスタンドに突き刺さるソロホームラン!打った瞬間に「やられた…」という感じ打球でした。しかしこれでもまだ9-1。切り替えて1つ1つアウトをとっていけばいいのですが、代打の加藤君はピッチャー強襲の内野安打、5番青野君はセンター前に落ちるヒット、代打の高山(幸)君も四球で、その1つのアウトが取れません(泣)あれよあれよという間に大ピンチの到来。ここで関一はエース河合君にピッチャー交代。竹井君はレフトに入ります。いかに点差があるとはいえ、ノーアウト満塁で交代とは…(汗)でもこうなった以上、河合君に頑張ってもらうしかないわけですが…

その河合君はやはりコントロールに苦しみ、7番牧野君は四球で押出し、8番井上君はセカンドゴロ併殺で9-3とされながらも2死3塁まで漕ぎつけますが、9番宮本君の内野安打で9-4と追い上げられ、1番澤地君のセンター前にセンターのエラーも絡んで2死1・3塁、続く2番遠藤君にも四球を与え、2死ながら満塁で打者一巡。どうしても切ることができません。そして…

さっきライトスタンドに凄いホームランを放ったばかりの淵上君が再びバッターボックスへ。ここでまた一発が出れば1点差です。盛り上がる1塁側スタンド。

何としても抑えるしかないこの場面、河合君も力を振り絞って投げ、淵上君もファウルで粘ります。息詰まる対決も10球目、フルカウントから渕上君がレフト深くに打ち上げた飛球、頭上を越えるかと思いましたがレフトに入ったばかりの竹井君が懸命に追って何とかキャッチ!大ファインプレーでようやくピンチを脱する。沸き返る3塁側スタンド。た、助かった…

6回表の大量失点の仕方を考えても、何としても追加点を取らなきゃならない6回裏。

先頭の米田君が1-2と追い込まれたカウントから四球を選んで出塁すると、4番佐藤君は今度は送らず強攻、センター前ヒットで続く。続く竹井君は三振に倒れますが、6番山川君のライト前ヒットで1死満塁。更に河合君のライトへの犠牲フライで1点を追加、10-4。6点差では安心できないとはいえ、3人目の井上君からも得点できたし、修徳の流れも一応堰き止められた…と少しだけホッとした私ですが、これで終わらなかったのがまた凄いところ。

2死1・2塁となったところで8番山室君がレフトスタンドに3ランを放ち13-4、再びコールドまであと1点と迫ります。そして村瀬君は2死ランナーなしからセンターオーバーの3塁打!

ここで修徳は4人目の庭野君をマウンドに送りますが、コントロールが定まらず連続死球で満塁。今度は関東一が打者一巡で、3番米田君がバッターボックスへ。やはり制球が不安定な庭野君、米田君に対しフルカウントから投じたボールが外れ、四球押出しで14-4となり、6回コールドが成立、関東一が準決勝進出を決めました。おめでとう!

しかしこの最後の押出しの場面、バッターボックスの米田君が、終わったと思ったらしく3塁側に戻りそうになったのにはギクッとしました。自分で気付いたのか誰かに促されたのか、ようやく1塁に向かってトコトコっと走りだし、ベースを踏んでくれたときには心底ホッとしました。気をつけてくれ~

意外な展開から思わぬ大差がつきましたが、正直投打の力そのものは、点差ほどの差はないように見えました。

5回裏にチャンスを貰いながら無得点に終わった攻撃から、6回表の4失点は、ちょっと修徳の勢いに呑まれてしまったような感じがしました(最初の淵上君のホームラン凄かったし)。どんなに点差がついてもあきらめない気迫の恐ろしさと大切さ、夏の堀越戦や今夏の甲子園での高岡商戦でもありましたが、改めて教えられた気がします。

でも、竹井君のファインプレーで何とか流れを切ってから、6回裏に10点差まで持ち込んだのには本当に凄かった(私は最低限、1点だけでも返してくれとひたすら祈ってました…)。脱帽です。

準決勝の相手は帝京。舞台は神宮球場に移ります。