090726 埼玉県大会準々決勝 春日部共栄×埼玉栄

ここのところのグズグズ天気が嘘のように晴れ渡った日曜日。昨日も混んでいたので早めに家を出て、試合開始の1時間くらい前には着いたのですが、既に屋根のある席は座るところがない(汗)バックネット裏の日向に座るとちょっとくらくら…そして売店の胡瓜の塩気と冷たさ…これぞ県営大宮の夏!しかし灼熱のグラウンドでプレーする選手たちにとってはかなり厳しい環境。例年ならこれが普通ぐらいかもしれないけど、今年は曇りがちで比較的涼しい日が多かったからなあ。

それはさておき、対戦相手の埼玉栄はこれまで接戦の連続。一方共栄は4回戦まではコールド勝ち、5回戦の富士見戦は後半エースの竹生君をなかなか打てずに苦戦はしたものの3-0の完封勝利と、危なげない勝ち方をしてきているのがちょっと心配です。

両チームのスタメンは、

先攻:共栄

1ライト渡辺

2セカンド高橋

3キャッチャー西村

4ファースト池内

5レフト柳川

6サード原

7センター小柳

8ショート阿部

9ピッチャー中村

やはりエースの中村が先発。富士見戦は完投だったし、終盤少し疲れが見えたけど、今日の調子はどうでしょうか。

後攻:埼玉栄

1サード飯沼

2センター宮内

3ファースト栗原

4キャッチャー林

5ピッチャー島野

6ショート田中

7レフト塩田

8ライト伊藤

9セカンド芝崎

栄を生で見るのは今年は初めて。こちらも背番号10ながら実質エースと言われる島野君が先発。投球練習を見ると、調子良さそう(汗)やはり打ち崩すのは簡単じゃないかも…

と思うそばから1回の表は三者凡退。栄の野手の動きもよく、あっさりと終わります。

1回裏。中村君の投球練習を見ると逆に、何だか調子悪そう……との危惧が早速的中、先頭の飯沼君を四球で歩かせ、送りバント後、3番栗原君の当りは左中間を破る大きな当たり!あっと言う間に先制される。後続は凡打に討ち取りますが、正直、予想外の展開。それはともかく、中村君の投球が、富士見戦のときとはあまりにも違う……疲れがあるのは当然だけど、まだ始まったばかりなのに苦しそうに見える。

早速反撃したい2回裏、1死から5番の柳川君がレフト前ヒット、初めてのランナーが出ます。続く6番原君は送りバントでなく強攻、ショートゴロ2塁封殺でランナーを進められません。更に残った1塁ランナーも牽制タッチアウト。

2回裏、先頭の6番田中君はライトフライに討ち取りますが7番塩田君への2-2からの5球めはレフトへの大きな当たりとなり、そのまま左翼の芝生席へ…逆に1点を追加される。更に2死から9番芝崎君にセンター前を打たれ、重苦しい雰囲気が流れますが西村君の牽制で盗塁を阻止、ここも1点で抑える。でもやっぱり中村君の様子は何かおかしい。

3回表、先頭の7番小柳君が四球を選び、ノーアウトのランナーが!!

続く阿部君は送りバント…しかし栄のサードが猛ダッシュしてきたため、打球はピッチャー正面に。2塁に送られ送りバント失敗。それでも9番中村君も送りバントを試み、今度は成功、2死2塁としますが1番渡辺君はセカンドゴロに打ち取られ、この回も無得点。

3回裏。

「ただいまから、外野席を解放します」というアナウンスが流れ、早速緑の芝生席にポツポツと観客の姿が。確かにもう、バックネット裏や内野席は一杯な感じだもんな…と思いながらグラウンドに目を移すと、共栄ナインがもう守備に着いているなか、マウンドには誰もいません。

???やがて、「選手の治療のため今しばらくお待ちください」というアナウンスが。もちろん中村君のことだけど、さっきの打席は普通の送りバント、際どくもなかったし、野手と接触した様子もなかったのに…

周りの観客も首を捻っていて、「脱水症状じゃないか」などと言う人もいます(※翌日の新聞によれば、バントのときに腰を痛めていたとのことでした)。

しかししばらくしてマウンドに向かった中村君はこの回、1番から3番までを三者凡退に切ってとる。やはり本調子のピッチングではないと思いますが、とりあえず栄の攻撃を断ち切ったわけだしまだ序盤、反撃はこれから。

4回表、2死から4番池内君がレフト前ヒットで出ると、続く柳川君が左中間まっぷたつの大きな当たり!1塁ランナーが還り、1点を返します。

1点返した直後、何としても抑えたい4回裏、4番林君のライト前ヒットでノーアウトのランナーを出し、送りバントと内野ゴロで3塁まで進まれますが後続は抑えて無失点で切り抜ける。以後終盤まで、殆ど毎回ランナーを出しながらも粘りのピッチングで無失点でしのぎます。

5回表、またも2死から中村君がショートレフトセンターの間に落ちるヒットで出ますが今度は後続なく無得点。

6回表からは栄の先発島野君がライトに回り、背番号1の左腕・芹澤君がマウンドへ。芹澤君も島野君と同じく安定したピッチング、シングルヒットは時折出るものの、散発で抑え込まれてしまい、なかなか付け入る隙がありません。でも1点差のままなら最終回だけでも何とでもなる!

というわけで大詰めの8回裏。栄は打順良く1番から。

先頭の飯沼君はライトフライに討ち取りますが、2番宮内君のセーフティバントがついに成功!(この試合で栄は4回やってすべて失敗してました)少しフライ気味で、よく見る綺麗なバントではなかったのですが、少し意表をつかれたのか、キャッチャーピッチャーともにボールが手に付かず、1塁送球できませんでした。

何としても抑えたい場面、バッターは先制タイムリー2ベースの栗原君。しかしここはファーストゴロダブルプレーに討ち取り、最終回の攻撃に望みを繋ぎます。

9回表、先頭の4番・池内君がライト前に運び、ノーアウトのランナーが!!池内君の代走で志村君が1塁へ。バッターボックスに向かう柳川君は今日2安打。強攻か送りか。固唾を呑んで見守る中、柳川君は送りバントを一発で決め、1死2塁。続く原君にはボール先行、結局四球で1死1・2塁。勝負を避けて塁を埋めたようにも見えました。

次の小柳君の打球は三塁線へのゴロ。3塁はフォースアウトになりますが1塁送球は間に合わずゲッツーは免れ、2死1・2塁。まだ一打同点のチャンスは続きます。

しかし最後は阿部君がファウルフライに倒れ、1-2のまま試合終了、春日部共栄はベスト8で姿を消すことになりました。

序盤、思わぬ形でペースを握られたまま、最後まで奪い返せなかった試合でした。ヒット数では栄の6に対し共栄は7でやや上回っていますが、押せ押せの場面は少なく、栄バッテリーには余裕を持って対応されていたような感じを受けました。中盤以降は無失点に抑えていただけに、打線の援護で勝利を掴んで欲しかった……そういう試合を見たかったし、ここでそれができれば、きっと甲子園にも行ける!とも思いました。でも、それだけ島野君・芹澤君が素晴らしく、また、栄の方に上手さ(技術だけでない、何か戦術的な)があった、ということなのかな、と思いました。

今年のチームは、春は一度も見られず、それだけに夏は凄く楽しみでした。中村君はもちろん、永田君たち他の投手陣の頑張りを見ることができたのは特に嬉しかった!3年生はお疲れさまでした。プロ志望だという中村君をはじめ、これからも野球を続けていく選手も多いと思います。新しい目標に向けて頑張ってください。

そして新チームは、どんなチームに成長していくのでしょうか。まずは8月、(おそらく)灼熱の牛島球場が楽しみです。ガンバレ共栄!