091010 秋季東京都大会2回戦 関東一×日大鶴ケ丘

いよいよ今日は関東一の初戦。秋に駒沢に来るのは初めてのような気がする。家から遠くてやや不便なのと、ぴっかぴかに生まれ変わったバックネット裏の太い鉄柱のせいで、個人的には苦手な部類に入る球場かなあ。

第1試合の成蹊×日体荏原は成蹊が初回に4点を先行し日体荏原が追い付くという展開でしたが9回裏のサヨナラ2ランで成蹊が勝利。初回はどうなることかと思いましたが、締まった試合になり、ほぼ定刻通りに終了。

しかし、昼ごろには晴れるって言ってたのに、思ったより天気は良くなく、何だか肌寒いぞ。

関東一は第2試合。アップのときの様子からして、今日の先発はやはり井手君の模様。ブロックで調子が良かったし、今週は明後日にも試合があるので、井手君もあり得ると思っていましたが…日鶴はこれまでの相手とは違うし、どんなピッチングを見せてくれるのでしょうか。一方、日鶴は今日もエースの岡崎君が先発らしい。

シートノックはちょっとミスがあるのが気になる。初戦でちょっと硬いのかも…しかしショートには早大学院戦で外れていた伊藤君が戻っるようで、一安心。日鶴の方は例によって赤ペラ伴奏つきのノック。今日も元気。

スタメンは、

先攻:日大鶴ケ丘

1セカンド東濱

2サード松崎

3センター石田

4ライト三田

5レフト浅野

6ファースト榎本

7キャッチャー上村

8ピッチャー岡崎

9ショート佐藤

後攻:関東一

1サード斉藤

2ライト渋澤(→PH小野寺)

3レフト宮下

4キャッチャー本間

5センター羽毛田

6セカンド山下

7ショート伊藤

8ファースト小山(→ピッチャー)

9ピッチャー井手(→白井→蔵野→秋葉→加藤→ファースト)

関東一は、早大学院戦では外れていた伊藤君が戻り、先発ピッチャーに井手君を持ってきた以外は打順もそのまま。日鶴は4番5番の打順を入れ替えただけで、ほかは初戦の小山台戦と同じメンバー。

初回、マウンドに上がった井手君のピッチングは、うーん…ブロックのときの方が威力を感じたような?しかし、初回は良い当たりもされながらも、三者凡退に切って取る、上々の立ち上がり。

1回裏は先頭の斉藤君がレフト前にライナーで持っていき、続く渋澤君の送りバントが内野安打になりノーアウト1・2塁のチャンス。3番宮下君は送らず強攻。しかし、初球ライトフライ、4番本間君はインコースへのクロスファイアーで見逃し三振、それでも5番の羽毛田君はライト前に抜けるヒットを放ちますが、2塁ランナーは3塁ストップ、2死満塁まで攻めますが後続はなく無得点。1イニング3安打で点取れないとは…何かちょっとチグハグな感じ…

2回表、初回は上々の立ち上がりを見せた井手君ですが、この回はボール先行。打ちとったとはいえ、良い当たりはされてたし、4番からということで慎重になり過ぎたせいもあるのかなあ?4番5番に連続四球でノーアウト1・2塁とされ、こっちは強攻ではなく送りバントで1死2・3塁とした後7番上村君の当たりはレフトへのやや浅いフライでしたがホームはセーフに。ノーヒットで1点を先制されます。更に次の岡崎君の打席で初球パスボール、3塁まで行かれますが、岡崎君は見逃し三振に取り1点でしのぐ。ちょっとガッツポーズが出る井手君(笑)。さあ反撃です。

2回裏は復帰した伊藤君から。伊藤君は2ナッシングと追い込まれながらレフトオーバーの綺麗な当たり。フェンスを越え、エンタイトル2ベースに。送りバントで1死3塁とし、井手君のショートゴロの間に生還、すぐに同点に追いつく。ホームに投げられていたら、ひょっとしてアウトになっていたかも?という気もしないでもないですが、日鶴の佐藤君は2アウトにすることを優先したのかもしれません。

3回表、井手君の調子はまだ戻らず、先頭の佐藤君にストレートの四球。続く1番東濱君はセカンドの頭上、右中間に抜けるかというライナー!でしたが山下君がジャンプしてキャッチ!1塁ランナーは戻れずダブルプレー。続く松崎君もレフトフライに討ち取り、結局3人で終わらせる。

以後、3回4回と無死や1死でランナーが出、1死2塁、1死3塁までは行くのですがその後が繋がらず、無得点が続く、ちょっとイヤな雰囲気。しかし井手君も4回までは好守備に支えられながらノーヒット、5回に6番榎本君にライト前ヒットを打たれ、2死から死球を出したりもしますが、ここも無失点でしのぐ。

井手君が抑えてくれているうちに逆転したい5回裏。先頭の斉藤君が貴重な死球を貰い、ノーアウトで出塁。しかし、岡崎君は左だっていうこともあるんでしょうけど、牽制も上手いみたいでちょっとハラハラ。送りバントで1死2塁とし、3番宮下君。宮下君はフルカウントから、一瞬、センターフライか??と思うような当たりでしたが打球はセンターの頭上を越え、これは3ベースか??ん?フェンスにつかまり向こう側を覗くセンター……またもやエンタイトルです(汗)これで2-1と逆転!なおも1死2塁のチャンスが続きますが4番5番は内野ゴロに倒れ1点止まり。うーん、エンタイトルにならず、3塁まで行けてればなあ…

でもとにかく逆転したし、日鶴もそんなにものすごい打力があるわけじゃない(小山台戦と、今日の試合を見る限り)、井手君が安定してくれれば……と思いながらマウンドを見るとなんと、白井君が!

今日の試合、初回から入れ替わり立ち替わり(?)ブルペンでの投球練習が行われていたし、継投は元々予定されていたのでしょうが、井手君もやや不安定とはいえ打たれてるわけじゃないし、白井君もブロックで見たときはあまり調子良さそうには見えなかったし、井手君下げちゃったら、白井君がもしも抑えられなかったときにどうするのか??っていうのもあるし…あえて変えなくても、という思いも頭を掠めます。井手君が不安というより、ひょっとしたら、次の試合を睨んで、井手君も白井君もどちらでも行けるようにしておきたい、という思惑もあったのかもしれませんが…

でも確かに、1年夏から公式戦で登板してきて、(負けた試合であっても)白井君が試合をつくれなかったのは一度も見たことがない。仮に1,2点取られても、こちらも岡崎君を打ててるし、何とかなるはず!四球さえ出さなければ…(汗)

しかし、その祈りに反して白井君の投球は上ずり、先頭打者に四球。思わずスタンドにため息が。続く3番の石田君にも2ボールでどうなることかと思いますが、なんとここでピッチャー交代。たった7球でエースがマウンドを降りる事態に。スタンドはざわめき、グラウンドにも何とも言えない沈黙が。

たぶん何らかのアクシデントがあったのだろうと思います。次にマウンドに上がったのは背番号17の蔵野君。左のサイドハンドの1年生です。蔵野君に限らず、井手君と白井君以外の投手は公式戦で登板したことがないし、多少制球が安定しないからと言って、白井君を降板させるのはいくらなんでも早すぎる。しかし、そうなると今度は白井君の無事も心配ですが…

蔵野君は石田君を四球で歩かせ、送りバントで1死2・3塁とされ、絶体絶命のピンチを迎えますが、何とか後続は抑え、この回は無失点で切り抜ける。これで何とか落ち着いて、立ち直ってくれればいいのですが…

何としても更に突き放したい6回裏、先頭の山下君が左中間を破る3ベースで出塁、更に伊藤君のレフト前で1点を追加!!なおもノーアウト1塁ですが8番小山君は1ストライクからの送りバントをファウル。更に3球めもファウルでスリーバント失敗!三球三振です…次の蔵野君のショートゴロと斉藤君のショートゴロエラーで2死1・3塁まではいきますが、2番の渋澤君はファーストゴロに倒れ1点止まり。打っても打っても打ち崩すところまではいきません。岡崎君も粘り強いピッチャーだし、そうそう上手くはいかないのだろうけど、だからこそ送りバントは決めたかったなあ…

7回表。蔵野君は先頭の岡崎君を2-1と追い込みますがその後は3球続けてボール。またも先頭打者四球。ここでピッチャーは背番号11の秋庭君に交代。同じく1年生、右上手のピッチャーです。

秋庭君はストライク先行、9番佐藤君をショートゴロ…しかしゲッツーは取れず1死1塁。1番の東濱君も見逃しの三振に取り、2死1塁にまで漕ぎ着けます。これで何とか試合が落ち着くか、と思いきや、またもストライクが入らなくなり2番3番に連続四球で2アウト満塁とされ、4番5番に連打を浴びて一挙4失点。

何とか反撃したい7回裏、打順は3番の宮下君から。しかし宮下君は1ボールからの2球目をセンターフライ。本間君も1ボールからの2球目をセカンドゴロ。5番羽毛田君はファウルで粘りますが空振りの三振に倒れ、初めての三者凡退。

8回表、今度は2年生の加藤君がマウンドに…仕方ないこととは言え、この調子で行ったら、最後は投手がいなくならないか心配です。もう、見てる方も平常心とはほど遠く、ガラスの~ロープを目隠しで渡る~♪なーんてフレーズ(古い)が、ぐるぐる頭の中でリフレイン。

加藤君は先頭の7番上村君を三球三振…しかし、最後の変化球を本間君が後逸、振り逃げで1死1塁。悪いことは続くもの、とはこのことです(泣)送りバントで1死2塁とされた後、9番佐藤君にも粘られた末にフルカウントから四球。更に1番東濱君の打席でパスボールがあり、1死2・3塁の大ピンチに。しかし次の投球の時に飛び出した3塁ランナーを挟殺、東濱君は四球で歩かせるものの、その東濱君の2盗を本間君の牽制で刺し、何とか無失点で終わらせる(しのいだというより、た、助かった…という感じ)。

8回裏も、1死から伊藤君がサードゴロエラーで出塁しますが後続なく無得点。

9回表、最後のマウンドにはファーストの小山君。加藤君が入れ替わりでファーストに入ります。

小山君はとりあえず安定した投球で2番3番を外野フライ、4番三田君にはライト前ヒットを打たれますが、後続は断ってここも抑える。

何とか追いつきたい最終回、打順よくトップの斉藤君から。斉藤君は期待通り、ショートの頭上をライナーで破るヒット!ここで2番の渋澤君に代わって小野寺君がバッターボックスへ。小野寺君はいい当たりのファウルも見せますが、サードへの打球を松崎君がうまく捌いて、ダブルプレーに。続く宮下君もサードフライに倒れ、3-5のまま試合終了、関東一は初戦で姿を消すことになりました。

なんというか、予想外の展開ばかりで試合後は呆然としてしました。

これだけ打てるとも正直思ってなかったし(初戦見ての研究の成果もあるのか??)、これだけ打って3点しか取れないとも、これだけ公式戦未経験の投手を送り出すことになるとも…

白井君の早々の降板がなければ、あるいは井手君続投だったらどうだったろう、というのがもちろん、一番悔やまれることでしたが、前半にヒットで出塁しながらいつも最少失点で凌がれてしまい、打力で圧倒できなかったのも(せっかくあれだけ打てていたのに)残念でした。

逆転された7回裏、クリーンアップが三者凡退に抑えられてしまったのも、守りの方がああいう形になってしまうと気落ちしたり、逆に焦ったりしてしまうのはわかるけど、あっさり終わらず、粘りを見せて欲しかったなあ。

投手陣をはじめ、守りの方は、7回以外は何とか切り抜けてくれましたが、相手の打力によってはコールド負けしてもおかしくない展開。白井君の降板は思わぬアクシデントで、白井君に一番の信頼を置いてたチームにとっては青天の霹靂だったかもしれませんが…そういうときでも、気持ちを切り替えて試合に臨める強さも身につけて欲しいな…欲張り過ぎかもしれないけど、特に、キャッチャーでありキャプテンでもある本間君には。

ちょっと捕球のミスが目立ったような感じがするし、経験不足のリリーフ陣を何とか落ち着いて投げさせて欲しかった(って、そりゃ、無理難題だよなあ…ゴメンナサイ)。

白井君のアクシデント(何かアクシデントがあったとしてですが)、とにかく、大事でないことを祈ってます。そして、それが防いだり予測したりできない種類のものだったら、もちろん残念としか言いようがないけれど、もしも万一、自分あるいは周囲がこうしてれば防げた、マウンドに上がる前に気付けた、というものだったのなら、次は繰り返さないようにして欲しいと思います。試合はみんなのものなのだから…

なんだか、くどくど書いてしまってますが、繋がりは今一つながら、岡崎君から2桁安打してるし、綺麗なライナーでのヒットも何本もあったし、エンタイトル2本にもびっくりしたし(おまけでホームランてことにしてくれないかな)、渋澤君の送りバントが内野安打になったのも見れたし(5回の送りバントも惜しかった!足速いんですね)、井手君も初めて強敵相手の登板でしたが不安定ながら5回を1安打1失点に抑えてくれたし(今度会うときは、強敵相手でも、監督に交代なんか考えさせないピッチングをしてくれると期待してます)、不安定な井手君を支える好守もあったし、先行された2回裏にはすぐ同点に追い付いてくれたし、場面場面ではホントに良かったと思えるところ、嬉しかったところも幾つもありました。例年のこの時期に比べても、個々の力は相当あるチームなのだと思います(@素人目)。でも、何か今一つ噛み合わないまま終わってしまった印象はぬぐえないし、噛み合わないままで勝ち抜けるほどには、個々の選手の力量が飛び抜けているわけじゃない。まして帝京をはじめ、個人の能力が上回ってるチームを相手にしたら尚更。

でも逆に、それがあれば、投攻守に突出した力がなくても、みんなが役割を力の限り果たし、その上で補い合っていければ、どんな相手とも戦えるチームになると信じてます。今日出場した選手も、ベンチやスタンドで悔しい思いをした皆も、みんなで競い合い、目標に向かって一丸となって、春、そして甲子園の最後のチャンスとなる夏を目指して、頑張ってください。春にまた、どんなチームに成長してくれているか、楽しみに待ってます。

ところで、日鶴がリードした終盤、スタンドの応援リーダーが、1塁側の観客席に、「今日、関東一を破って関東一になり、来年は日本一になります!」とか叫んでいたのには、敵ながら思わずくすっ、としてしまいました。心が和んだ瞬間でした。やっぱり、なんか憎めないチームだなあ。この先、強敵ばかりだけど、頑張ってください。