091017 秋季東京都大会準々決勝・土曜日

県大会も終わり、関東大会を待つばかりとなった近県に対し、まさに佳境を迎えている東京都大会。

今日からはいよいよ準々決勝、球場はすべて神宮第二、名物の手書きスコアボードにも選手・審判の名前もちゃんと表示されるようになります。

準々決勝一日目のカードは帝京×成立学園東海大菅生×日大二高の2試合。

球場に着くとチケット売り場が長蛇の列で驚く。うーん秋の準々決勝でこれだけ並んでるのは初めて見たかなー。気のせいかもしれないけど、以前より球場に来る人が増えたような…?ネットでの情報の露出が増えたせいもあるのかな。こんなことでは明日の早実×三高などは、どうなることやら…

帝京・伊藤君、成立・西潟君の両右腕の先発で始まった第1試合は、両投手共に立ち上がりのコントロールに苦しみ、四球を連発しますが、四球や守備の乱れに6番久保田君の満塁ホームランを含む5本の長短打で2回までに7点をあげた帝京に対し、伊藤君の球に力負けして打ち返すまでに至らない成立は内野ゴロで1点を返すにとどまり、序盤でほぼ大勢が決してしまいました。

3回から西潟君の投球も落ち着いて来て中盤は0で抑えましたが(帝京の各打者がわりと簡単に打っていたような気もする…)、6回裏には先頭打者四球とヒットで再びノーアウト1・2塁のピンチ。そのまま2アウトまで漕ぎ着けますが、最後は連打とサードゴロエラーで4点を失い、11-1の6回サヨナラコールドで帝京が準決勝進出一番乗りとなりました。

3回戦では二松の先発・鈴木君を中盤まで打ちあぐんだ帝京打戦ですが、今日は序盤に西潟君を打ち込み、試合を決めてしまいました。打っては相手の伊藤君(そんなに調子が良さそうでもなかったのですが…)にヒットは初回の1本のみ、外野に飛ぶことも滅多になく、中盤落ち着いてきた西潟君を援護できず、最後は送球エラーでランナー2人を一気に還してしまって6回コールド負け。ややあっけないというか残念な幕切れでした。

西潟君は、そんなに荒れているという感じではなかったのですが(いいなーと思う球もありましたし)、なかなかストライクが取れず、帝京打戦はその苦しいピッチングを見透かしたように、ここぞというところでバシバシ打っていました。今日は(素人目には)パワーもだけどむしろ上手さを感じる場面が多かったです。

それにしても、西潟君の調子次第で違う展開になっていたかもしれないとは思いますが、やはり打てないと、相手に怖さを感じさせられないと、帝京と勝負するのは難しいと、改めて感じた試合でした。

第2試合は今夏の西東京準優勝、ここのところ上位進出が多い日大二高と、久々の上位進出の東海大菅生の対戦。うーん…菅生見るの本当に久しぶり…もちろん東海のタテジマなのですが、少し青みがかって見えるのは日差しがないせい?そして懐かしのブラバン懐かしの青メガホン。この音を「み、耳が痛いよ…」と思ったこともあったけど、そして関一がボロ負けした3年前の春の試合を思い出してしまうけど、今日は何だか目頭が熱くなる。この狭い空間に口々の声援、メガホン打ち鳴らす音、大音量のブラバンが重なり合い、響き合う、これぞ東京の秋。ああ、やっぱりいいなあ…神二は。

二高の方もこれまた大応援団、蛍光ピンクのメガホンの根元近くの黒の二本線は、二高の証なのか!?

という感じでわくわくしながらプレーボール。

二高の先発はエースの右腕・横山君、序盤は時折りヒットを打たれたり四球を出したりするものの安定したピッチングで菅生打戦を抑える。

後攻の菅生もエースの佐藤君が先発。こちらは小柄な1年生サウスポー。初回のマウンドは、何と三者連続セカンドフライ。ちょっと珍しい…これには周りのおじさんたちからも驚きの声が。

佐藤君は、球威はさほどではなく、コントロールの良い変化球主体のピッチングだと思うのですが、右打者の内角に落ちてくる変化球の軌跡が独特というか綺麗。そのまま流れないで、ちょっとブレーキがかかっているように見える(素人の錯覚かもしれませんが…)。手を出せば凡打になるし、出さなければストライクになるこの球に翻弄され、二高は中盤まで1安打と攻めあぐねてしまいます。

一方菅生は4回に先頭の3番宮下君のレフト前などで1死1・2塁とした後、ダブルスチールを仕掛けこれが成功、1死2・3塁からタイムリーが出て1点を先制。

更に6回、二高の2番手の吉田君から、5番吉田君(あれれ?)がファウルで粘った末(もっとも、ファウルにも大きな当たりがありましたが)ソロホームランを放ち更に1点。その前に、死球で出たノーアウトのランナーが1・2塁間で転んでアウトになったりと、イヤな雰囲気を払拭する良い当たりでした!

終盤に入り7回裏、二高の先頭・2番の廣瀬君のショートへのゴロ…は打球は強くなかったと思いますが捕球位置がやや深く、そのぶん力が入ったのか送球がそれて1塁セーフ。送りバント後、4番秋本君の打球もショートへ…これも飛んだ位置がよく、どこにも投げられず内野安打に。これで1死1・3塁。

そして5番、5回からサードに回っている横山君の打球もショートゴロ(汗)ホームに投げれば間に合ったかもしれませんが、安全優先でセカンドへ。1点差に詰め寄る二高。しかし後続はピッチャーライナーで菅生がリードを守ります。

この試合最初で最後のピンチを1点でしのいだ菅生は8回表、1死から2番森谷君・3番宮下君の連打で貴重な追加点をあげ、再び3-1と2点差に。

9回表、既に2アウトとなり、8番の鴨志田君はボールカウント1-3。四球になるかも…と思ってふとネクストバッターズサークルを見ると、ん?背番号13?ということは佐藤君に代打??大丈夫かな?などと余計な心配をしますが、鴨志田君はフルカウントからセカンドゴロで3アウト。代打は出ずじまい。

9回裏、やはり交代か??と思わせる動きもありましたが結局、佐藤君がマウンドへ。続投のようです。

9回裏も、2番廣瀬君のショートへの良い当たりを、鴨志田君がうまく捌いてショートゴロに仕留める好プレーもあって三者凡退、3-1で東海大菅生が勝利、久しぶりの準決勝進出を決めました。喜びにわきかえるスタンド。おめでとうございます!!

派手ではありませんでしたが(いや、HRは出たけど)、引き締まったいい試合でした。

二高の横山君・吉田君も二人で3失点、被安打もバントヒット含め7本くらい、四死球も3つで、良いピッチングだったと思います。でも、それ以上に菅生の佐藤君はナイスピッチングでした。フォームは少し硬い感じがするのですが、クルンクルン♪曲がり落ちてくるみたいな?変化球は、すごく印象的でしたし、終始落ち着いたピッチング、四死球ゼロ(あれだけ内角に投げてるのに、なんで当たらないんだ!?)。それを支える守備も堅実、盗塁やセーフティバントなど足を使った攻撃も効果的だったと思います。ただ、援護射撃の弾幕厚い、という感じではないので、より打撃の良いチームと当たったとき、あるいは注目され研究されたとき、佐藤君が今日のようなピッチングができるのか、今日と同じく少ないチャンスを得点に繋げていけるのか…早くも来週が楽しみです。

応援も両チーム熱がこもっていて良かった!特に菅生のブラバンは久々に聴いて、やっぱり、上手いなと思いました。…キレイなだけじゃなく、迫力と熱気を感じる♪

最後、エール交換も終わり、1塁側で挨拶し合う菅生の応援団。試合後の整備が始まったグラウンドに向かって一列に並び、挨拶する二高の選手たち。どちらも、ああ高校野球だなーいいなー、と思った瞬間でした。