20190722 東東京大会準々決勝 帝京×日大豊山、上野学園×修徳

準々決勝2日目も微妙なミスト状の雨が漂っていて、かなり涼しい。2日目登場の4チームは4回戦5回戦が連戦で、5回戦から準々決勝が中1日。今日も含めて涼しい日が続いているので例年よりは気候的にはラクだけど、4回戦からここまでの日程はいつもより厳しい感じです。でもここを乗り切れば、準決勝まで中2日の休みがある。

 

◆第1試合 帝京×日大豊山

後攻の帝京は背番号10の2年生・大型左腕の田代君が先発。同じく2年生の右腕武者君が背番号1ですが、所謂ダブルエースで、ここまでの3試合は田代君2試合、武者君1試合を投げて3試合とも無失点。打線はあまり奮わず得点は少ないながら、守り勝つ野球で勝ち上がってきました。

先攻の日大豊山は右サイドスローのエース瀬崎君が先発。こちらは2回戦3回戦を2ケタ得点のコールド勝ち、その後は雪谷に3-1、郁文館に7-4と僅差で勝利して来ています。

1回表、豊山は1番古宮君のショートゴロが少し当たりが弱くて焦ったのか帝京のショート武藤君が捕り損ね、ノーアウト1塁。送りバントで2塁に進めますが後続は内野ゴロに打ち取り無得点。

1回裏は豊山のエース瀬崎君が3者凡退に抑える。

両先発とも球速表示は130半ば~後半くらい出ていて、変化球も良い感じで、投手戦になりそう…という予感そのままに、両チームともランナーは出すものの、後続を抑えられて決定的なチャンスは作れず、スコアボードに0が並ぶ。気になるのは帝京の守備で、初回のショートゴロエラーを始め、その後もミスがチラホラ。どちらも相手投手を打ち崩すのは難しそうだし、コントロールも良くて四死球もあまりもらえなそうなだけに、少し怖い。

そして7回表。1死から豊山の1番古宮君の打球が田代君のピッチャーグラブに当たり、セカンドがカバーしますがファーストへの送球が乱れ内野安打に。その直後、2番小野澤君が1塁側に絶妙なセーフティ気味のバント、これも1塁送球が逸れ、ボールがファウルグラウンドを転々とする間に1塁ランナーが一気にホームをつき、貴重な1点をあげます。内野安打自体は仕方のない当たりだったと思いますが、気持ちの揺れはプレーに関わった選手たちにはあったはずで、そこを突いた小野澤君のバントが素晴らしかった!ただ、何とかホーム突入は防ぎたかったところでしたが…

帝京のチャンスはその直後の7回裏。2死から7番遠藤君、8番浜崎君の連打で1・3塁のチャンス。初めてのランナー3塁です。しかし続く田代君は初球を打ってセンターフライに倒れ、無得点。8回9回もランナーを出して2塁までは進めるものの後続はなく無得点に終わり、1-0のまま試合終了、日大豊山が準決勝進出を決めました。

瀬崎君は被安打6四死球3奪三振8(うちスリーバント失敗2)の失点0、田代君は被安打6四死球3奪三振6の失点1、両投手共に素晴らしいピッチングでした。

 

◆第2試合 上野学園×修徳

第1試合の終わり頃になると涼しいを通り越して肌寒くなり、試合の合間に売店でホットコーヒーを注文。後ろのお姉さんも「ホットコーヒーお願いします」とオーダーする隣では、小学生の男の子がかき氷が出来上がるのを待っている。よく食えるなこの寒さで。これが若さか…

第2試合は初のベスト4入りを目指す上野学園と、3連覇を目指す二松を破った修徳。アイボリー系のユニが良く似たチーム同士の対戦。

修徳は二松をわずか1失点に抑えた結城君、上野学園は突如としてこの夏登場した150キロ右腕・赤坂君が先発し、第1試合と同様投手戦となる。

先手を取ったのは修徳。2回の裏、この回先頭の横手君を四球で出すと、すかさず盗塁で2塁へ。しかし5番村田君の三遊間を抜けそうな当たりを上野学園のショート土肥君が好捕、2塁ランナーがタッチアウトとなり、1死1塁。チャンスがしぼみかけましたが修徳はあえて送りバントで2死2塁とし、7番八十原君のセンター前タイムリーで1点を先制します。

その後は中盤まで、双方ランナーを出しながらも両エースのナイスピッチングと堅守で無得点が続く。

しかし5回表。上野学園の先頭7番川邉君に対して修徳の結城君は、1-2と追い込みながらも四球で歩かせ、ノーアウト1塁。続く土肥君の送りバントはピッチャーフライ(完全に下からバットが出ていました)1死1塁となり、バッターボックスには9番の赤坂君。赤坂君は初球をファースト後方に落とすような打ち方で、ライト線にボールが弾む。ライト前ヒット…と思いきや、ボールはファウルグラウンドをブルペン方向に転がっていき、1塁ランナーが生還、バッターランナーも3塁へ!どちらかというと緩い当たりで、まさか、あれが3塁打になるとは…これで1-1の同点。しかも1死3塁でバッターは1番の成川君と、絶好の逆転のチャンスを迎えた上野学園はここで攻撃のタイム。どんな指示があったのか。

初球は1塁線ギリギリを狙ったバントでこれはファウル。

そして2球目。今度は3塁側へのバントでサードはホーム送球しますがセーフとなり、2-1と上野学園が逆転に成功。もしかして、この2度のバントが指示だったのでしょうか。

それはともかくまだ1死1塁。次の1点を狙う上野学園の仁坂君は初球送りバント。これがマウンドからかなり離れたところに上がった小フライとなり、結城君が懸命に飛びつき倒れ込みながら好捕!そして3番小泉君は三球三振!修徳としては不運な展開でしたが、結城君も素晴らしい、必死のプレーで上野学園の攻撃を断つ。

その後は双方ランナーを出しながらも両投手の力投とバックの守りに阻まれ、無得点のまま試合が進む。上野学園のセカンドの仁坂君、初めて見たけど上手いな~

そして8回裏。先頭は9番の結城君からでしたが代打に角田君が送られますが三球三振。後続も倒れ、修徳の攻撃は9回裏を残すのみとなります。

9回表。結城君に代わって背番号20の長柄君がマウンドに上がります。長柄君は先頭の6番徳山君を四球で歩かせ、続く川邉君の送りバントはナイスフィールディングで2塁封殺。しかしバッターランナーは1塁に残り、8番土肥君のセカンドゴロで2死2塁。ここでバッターボックスには9番赤坂君。第2打席で初球を3ベースにしている赤坂君はここでも初球を打ってレフト前ヒット。続く1番2番の連打で上野学園にとっては貴重な、修徳にとっては重い追加点が入り、3-1と上野学園がリードを拡げる。

9回裏は3番の染田君から。染田君は3塁線を抜く痛烈な2ベースヒットを放ち、望みを繋ぎますが、終盤威力を増した(なんか150近い数字が連発されてるんですけど)赤坂君の投球の前に後続は凡退に終わり、3-1のまま上野学園が勝利、初のベスト4進出を決めました。

ナイスゲーム。赤坂君結城君、本当にナイスピッチングでした。

 

凄い投手戦だった今日の2試合。好投手を打つのはやはり簡単なことではないと改めて思いました。そういうとき勝敗を分けるのは四死球だったりエラーだったり、ワンプレーで次の塁までやってしまうかそれとも進ませないか、ほんの小さな綻びなのだと、とも。