20231115神宮大会1回戦 熊本国府×関東一

関東一にとっては2015年以来8年ぶりの出場となる神宮大会。これまでの戦績は、都大会初優勝した2007年に始まり2011年、2013年、2015年と過去4回すべて初戦敗退。惜しかったと言えるのも中村祐太と愛工大名電・濱田投手との投げ合いの末1-2で敗れた2011年くらいで、後は初出場で横浜にコールド負けしたのをはじめ、完敗の内容。

地区優勝校が出場する大会なのでひとつ勝つことさえ物凄く難しいのは当然ですが、そうは言っても5回目。今度こそは初戦突破して欲しい…!

 

アップの様子では背番号10の右腕が先発のようで、坂井君かな?と思ったけどなんか違う感じだぞ。

パンフレットを見ると、都大会のときと背番号が変わっていて、背番号10は大後君、坂井君は1番で畠中君は11番になっている。これはどういう…いや坂井君の背番号1は全然あり得ると思っていたけど…

いやそれはともかくまず今日、今日。大後君先発なのか!とうぜん畠中君か坂井君(さらに言えば次戦の大阪桐蔭戦まで考えると坂井君)が先発するものだと思い込んでいましたが……正直驚いた。都大会準決勝で6回無失点の畠中君から坂井君に継投したときも驚いたけど、攻めてるなあ…この秋。

 

先攻:関東一

1センター飛田

2ライト成井→レフト

3レフト坂本→H井田→ライト石田

4サード高橋

5キャッチャー熊谷

6ファースト越後

7ショート市川

8セカンド小島

9ピッチャー大後→H堀江→坂井

 

途中出場が多かった成井君がスタメン起用、しかも2番に入り、坂本君高橋君が3番4番に座るなど、野手にも入れ替わりがある。やっぱり高橋君は4番の方が(私は)落ち着く。チーム事情やそのときの調子で最適の打順は違ってくるんだろうけど、高橋君はやっぱりどっしり4番で打てる選手になって欲しいし、高橋君を4番に据えられる打線になって欲しいな…

 

後攻:熊本国府

1サード梅田

2セカンド野田

3センター内田

4ファースト中嶋

5ライト岡本

6レフト山下

7ショート山田

8キャッチャー寺尾

9ピッチャー坂井→植田→H元山

 

熊本国府は九州大会初優勝、従って神宮大会も初出場ということになる。ホームページを見ると、80年以上の歴史を持つ伝統ある学校ですが、元々女子高だったこともあり野球部自体は創部18年と比較的新しいようです。こちらもエースは右腕の坂井君で、今日はその坂井(理人)君が先発。 もう一人、左腕の植田君との二枚看板のようで、継投のタイミングも気になるところ。

 

1回表。マウンドに上がった坂井(理)君は、やや小柄な右腕。そんなに凄い速いという感じではないですが、コントロール良く、安定した感じ…しかしその坂井君から、先頭の飛田君がライト線に良い当たり!の2ベース、続く成井君の打球はショートゴロでしたが2塁ランナーの飛田君が避ける動きと被ったためか、ショートが上手く捕球できず1・3塁。3番坂本君のショートゴロの間に3塁ランナーが生還、1点を先制!

しかし4番高橋君はセカンドフライ、次の熊谷君の打席で盗塁失敗(ナイス送球でした)で1点止まり。

1回裏。大後君は一次予選や本大会の初戦では短いイニングを投げたことはあるけど、先発は初めてのはず。それがいきなり全国大会初戦の先発ですから内心は緊張したと思いますがそういう様子は見せず、落ち着いたピッチング。

2番野田君のレフト前ヒットでランナーを背負い、2死から盗塁+キャッチャーからの送球エラーで3塁までいかれますが4番中嶋君をそのまま三振にとり、無失点で切り抜ける。いいぞー

その後は双方無得点のまま前半を終える。

特に3回4回は関一は三者凡退なのに対し、4回表の熊本国府は5番岡本君6番山下君の連続センター前ヒットでピンチを迎える局面もあり(三振とショート市川君の好守+セカンド小島君とのナイス連携 ♪ で切り抜けたものの)、ちょっと不安。

しかしそういうとき、何とか点をもぎとってくれるのがこの秋の関一打線の頼もしいところ。5回表には今日6番の越後君がサードの頭上を越すレフト前ヒットで出ると、7番市川君3バント失敗などもありましたが、続く小島君のサードゴロで2死2塁とすると、代打・堀江君がみごと!ライト線への3ベースを放ち、貴重な追加点をあげる。やった!しかしここで先発の大後君は降板ということに。公式戦初先発とは思えない落ち着いたテンポ良いピッチングでした。ナイスピッチング!

5回裏からは今大会エースナンバーを背負った坂井(遼)君がマウンドに上がり、どちらかというと変化球主体のピッチングで三者凡退に抑える。

6回表にも先頭の成井君がセンター前(スコア書き込んでる隙をついて2塁行ってた)2ベースと高橋君の(普通ならアウトの当たりでしたが)レフトへの2ベースで1点を追加、3-0とします。

しかし6回裏。この回の坂井君はやや制球に苦しみ、先頭の3番内田君はフルカウントから三振に取るものの、4番中嶋君はフルカウントから四球、5番岡本君も三振に取りますが6番山下君には右中間を越える2ベースを打たれ、1点を返される。山下君には大後君からも良い当たりのセンター前打たれてる。うぬぬナイスバッティング。

7回表。熊本国府のマウンドには背番号10の植田君。植田君は長身左腕でサイドスローでトルネード投法で…という打ちづらさ要素満載。九州大会準決勝で神村学園を相手に1失点完投したというピッチャー。2点差に詰められてるしまだ3イニングあるし、植田君打てないとちょっと怖い。

それでも市川君がファウルで粘り、小島君もフルカウントまで行ってからのアウト。そして2死から9番の坂井君がしぶとくセンター前に打ち返す。そして飛田君への死球と2番成井君のレフト前タイムリーで再び3点差とします。

8回にも高橋君のセンター前を起点にスクイズや長打で2点を加え、8回裏の熊本国府の反撃を1点に抑えると、9回は双方無得点で6-2のまま試合終了、関東一が神宮大会出場5回目にして初めての勝利をあげ、準々決勝進出を決めました。おめでとう!

 

投手陣&バックで失点を最小限に抑え、大量点はなくてもしぶとく加点していく…という都大会での戦いぶりは健在で頼もしかった!それに加えて大後君の先発、成井君のスタメン起用、代打堀江君も膠着状態の中で貴重な2点目をあげる3ベースと、新たな一手がこの試合の勝敗という意味でも、個人やチームの成長と言う意味でも良い結果を生んでいたと思います。

熊本国府は、エース坂井(理)君の好投には苦しめられたし初出場とは思えない(関一が初出場したときのことを思い返すと余計に…)プレー。後から知ったのですが山田監督は30歳の若さで就任も2021年からだとか。センバツが楽しみなチームです。

 

 

次は目下神宮大会3連覇を狙う大阪桐蔭と。これまで甲子園や神宮大会で全国の強豪と戦う機会はあったけど、大阪桐蔭との対戦は初めてのはず。神宮大会出場決まったときからこの対戦は目標のひとつだったと思います。今の力を出し切って、全力でぶつかってください。新チームの今後、あるいはその先にわたって、糧になるもの多い一戦になると思ってます。ガンバレ関一!

 

ところで、現地から帰ってきて、スポブルで見逃し動画観られるのに気づいて見始めたけど、須江監督(仙台育英)の解説を聞いていると、なるほど~と面白いのと同時に、私なんか現地で見てても何も見えてなかったんだなーと改めて気づかされる。もっと幅広く、注意深く観れたらいいなといつも思うんだけど、いざ見始めると試合展開追うのが精いっぱいになっちゃうんですよね…観戦力ってどうすれば向上するものなのか…

 

【試合スコア】

関東一  100 011 120 6 H11 E2

熊本国府 000 001 010 2 H8 E1

関東一 :大後(4)、坂井(5)ー熊谷

熊本国府:坂井(6)、植田(3)ー寺尾