準決勝進出!そして敗退…

5度目の正直で初戦を突破した関東一の次の相手は、神宮大会3連覇を狙う「あの」大阪桐蔭。初戦で登板のなかったとっておきの畠中君を先発でぶつけるとはいえ苦戦は必至、大敗もあるかも…とびくびくしながら見守っていましたが…

初回に桐蔭のトップバッター境君のレフトへのヒット性の当たりを坂本君が好捕したのを皮切りに、外野の好守備に助けられながら畠中君は4回を被安打2(ただし2塁打3塁打のすごい当たりでしたが)無失点に抑え、攻めては桐蔭の先発・長身右腕の平嶋君を序盤からとらえ、熊谷君の2ランなどで4回までに4点をリード。

5回からリリーフした坂井君は5回はエラーのランナーを背負いながらも無失点で切り抜けますが、打順が上位に回る6回には1番の境君を四球で歩かせると、2番3番4番に3連続2ベースを浴びて3失点、1点差に詰め寄られます。しかし坂井君もここで踏ん張り後続は連続でレフトフライに討ち取ると、裏には桐蔭の2番て南君の立ち上がりを攻めて3安打、桐蔭の守備の乱れにも助けられて4点を取り返し、7回には3番手の川上君からも1点を奪う。これにも守りのミスが絡んでいました。

9-3と再び大量リード(大阪桐蔭相手だとそうも言えないけど)した8回表、1死から4番ラマル君にライトスタンドへの2ラン(これもライトライナー?え?え?て感じのなんかよくわからん凄い当たりでした。こわ…)を浴びて坂井君は降板。マウンドを引き継いだ大後君はヒットや四球のランナーを出しながらも無失点で残りの5アウトを取り、9-5のまま関東一が勝利、準決勝進出を決めました。

 

両チームの監督も仰っていたし、あちこちの記事でも言われていることですが、直前まで大雨が降ってた神宮球場の人工芝、という環境への慣れに差があったこと、それが結果に影響したことは間違いない。

現役選手で雨の人工芝を経験したことがある人はいないかもしれないけど、チームとしては何度となく経験してますしね…試合開始前、控え部員たちか、あるいは3年生たちからか、3塁側スタンドから雨で打球速度はやくなるから気をつけろ、という注意が飛んでいました。東京、特に使用球場のほとんどが人工芝である東東京の文化とも言えるかもしれない…

でも畠中君が4回無失点に抑えたこと、坂井君が連続長打で3失点した後も怖がって崩れず踏ん張れたこと、打線が相手のミスにつけこんで効果的に加点できたこと、失点した直後に突き放せたこと、最後引き継いだ大後君がきっちり役目を果たしたこと。これもみんな事実だし、神宮大会三連覇を狙う近畿王者を相手にこれができた、っていうのは、自信持っていいことだと思う。同時に、これが相手の力のすべてではない、というのも事実。

 

そして対照的に、相手が全力(に近い力)を出してきたときどうなるか、というのがはっきりあらわれたのが準決勝の作新学院戦だと言えるのかもしれません。

共にエースが先発回避、関一は石田君、作新は小池君、今大会初登板同士の先発で始まった一戦は、点の取り合いで始まり3回から2番手大後君にスイッチした関東一が中盤までに6-2と4点差にリードを拡げますが、4回途中から登板した作新の右サイドスローの石毛君には越後君の左中間への2ベースのみに抑えられ、5回6回は無得点。その一方で6回表にはここまで無失点に抑えていた大後君が先頭打者死球から微妙な当たりの内野安打、ライト前ヒットにエラーも絡んで3失点、7回にも四球と連打で同点に追いつかれ、なおもノーアウト1・2塁のピンチ。

ここで関東一は坂井君を投入、坂井君は持ち前の強気なピッチングで4番5番6番を見事に抑え、大ピンチを切り抜ける。文字通りエースのピッチング!でした。

7回裏。同点に追いついた作新はエース小川君をマウンドに送ります。2番成井君からの好打順とはいえ、2番手の石毛君は2 2/3投げて被安打1、制球も良く危なげないピッチング。小川君は初戦で9イニングを投げているし、この試合に勝てば明日は決勝。表のピンチでの関東一の坂井君投入のような、交代しなければならない客観的な理由というのはなかったように思いました。エースによって断ち切られかけた流れを、エースで取り戻す、という以外には。

その思惑どおり、小川君は成井君坂本君で難なく2アウト。それでも4番高橋君がサードへの内野安打とバッテリーエラーで2死2塁のチャンスを作りますが、続く熊谷君の1・2塁間を抜いた!かと思った当たりを深めに守っていたセカンド柳沼君が好捕、無得点に終わる。

すると8回表。先頭の8番、守備から入ったライトの菅谷君がライトスタンドへのホームラン…その後も2死から1番小森君を四球で歩かせると、バッテリーエラーとヒットで1・3塁にされたところで3番小川(亜)君のボテボテの内野安打の間にさらに1点、この終盤で2点のビハインドを背負う。

8回裏は当たりは悪くなかったと思いますが三者凡退。9回表は坂井君も立ち直りきっちり三者凡退に抑えると、9回裏にはショートゴロエラーと死球でノーアウト1・2塁と、思わぬチャンスが転がり込む。

しかし今日ここまで3塁線に見事なバントを2つ(ひとつはサードエラー、ひとつはバントヒット)決めている成井君のバントがここではややピッチャー寄りでバウンドもある打球となり、小川君がフィールディングよく3塁送球でアウト。続く坂本君もセカンドゴロダブルプレーで試合終了となり、初の決勝進出は果たせず、逆に作新学院に譲ることとなりました。

スコア的には6-8ですが、4点差を守りきれず逆転されたこと、石毛君小川君からは無得点だったこと、9回裏にもらったチャンスを拡げられず潰してしまったことなど、点差以上に力の差を感じる内容でした。特に9回裏の攻撃は、もう一度高橋君熊谷君に回すことを最優先して欲しかったかな…

でもそれができない、それをさせないのが彼我の力の差、個々の力の差でありチームとしての力の差でもあったのだと思います。それが全国大会の準決勝の舞台で、今の段階ではっきりしたのは冬越した春夏に向けてすごく大きいと思う…なーんて私ごときが言う話ではありませんが…

この秋は久しぶりに都大会一次予選の江戸球から観戦することもでき、はらはらひやひやする試合あり、頼もしさを感じる試合あり、8年ぶりの都大会優勝から神宮大会でも初勝利、大阪桐蔭をやぶる金星(これは客観的に見てそう…いつかそう言われないぐらいのチームになって欲しいけど)をあげての準決勝進出と、本当に楽しませていただきました。

今後の更なる躍進に期待しております。怪我などに気をつけて、実りある冬をお過ごしください。春待ってるよ、ガンバレ関一!