20141108 秋季東京都大会準決勝 二松学舎×関東一

準々決勝から半月後となる準決勝。舞台もお隣ゴルフ場こと神宮第二球場からここ、神宮球場に移り、更には東都の入替戦も通しで行われるということで、これまでとはまた違った雰囲気。去年から採用されたこの方式、確かに神宮球場のキャパなら観客が入り切れずに溢れることはまずないし、開門も早いので、ゴルフ場ではしばしばあった長蛇の列もなくなって有難い。でも一方で、大会の中で2週間空くのはいささか間延びした感じもするし日程が後ろにずれればその分だけ寒くなるし日も短くなるし、何と言ってもゴルフ場の独特の空間も捨て難くて、複雑な気分。特に今朝のような天気が悪くて寒い朝は、その思いが強くなる。

それはそれとして、いよいよセンバツ甲子園を賭けた戦いも正念場。第1試合では勝俣君擁する東海大菅生が、今大会の台風の左目とも言うべき(右目は篠崎か)・小松君擁する法政大高に4-1で勝利し決勝進出を決めている。

そして去年の決勝と同じカードとなった第2試合。既に第1試合の途中から、時折小雨のパラつくこともあった怪しい空模様の下(こんな寒空の下でもビールの売り子を呼び止める人がいるのが信じられない。ぶるぶる。と思ったらホットワインも売ってるようで、ちょっとだけ心惹かれますが、関一の試合前だとさすがに飲む気にはなれない)、第2試合の準備が始まる。3塁側スタンドを見ると、正念場とあって、なかなか来られない吹奏楽も来てくれてます♪

今日の関東一は後攻。アップの様子からすると阿部君が先発のようです。3回戦の国士舘戦では2番手で登場するも不安定なピッチングで、3イニングで降板、準々決勝は登板がなかった阿部君。復調してくれているといいのですが。守備陣は、シートノックを見ると篠崎戦のときよりは落ち着いているようなので少し安心。

両チームのスタメンは、

先攻:二松

1セカンド三口

2ショート島根

3サード北本

4ファースト橋本(→H平野→ファースト)

5レフト岡田

6キャッチャー今村

7ライト大林

8ピッチャー大江

9センター鈴木

もちろん先発は1年生エースの大江君。

後攻:関東一

1ライト井橋

2レフト桑名

3センターオコエ

4ショート伊藤

5ファースト五十嵐

6キャッチャー鈴木

7セカンド森山(→ピッチャー田邉→H日原)

8サード眞田(→H黒田)

9ピッチャー阿部(→サード松永)

五十嵐君が5番に戻っているところを見ると、復調してくれているのかな♪サードは篠崎戦の松永君から、眞田君に戻っている。

1回表。投球練習はいい感じかなと思った阿部君の立ち上がりですが、好打者の三口君に対してちょっと球が上ずってる感じでボール先行、それでもフルカウントからレフトフライに打ち取り、1アウト。しかし続く島根君・北本君に連打を浴び、1死1・2塁と早くもピンチ。やっぱ打つなあ二松は…しかし後続は凡退に打ち取り、無失点で切り抜ける。

1回裏、二松のマウンドには1年生エース・サウスポーの大江君。大江君とは初めての対戦になるわけですが、これまで幾つかの試合を見る限り、いつも安定したピッチングをして、大崩れすることのない困った相手。今の関一打線が完全に打ち崩すのは正直難しそう。ならばどこまで喰らいついて、点をもぎ取れるか。

その大江君に対し先頭の井橋君、2-2からの変化球をうまくライト前に運び、送りバントで2塁に進めて3番のオコエ君。

オコエ君の打球はセカンド後方への詰まったフライでしたが捕球エラーで井橋君が生還、打ったオコエ君はなんと、3塁へ!続く伊藤君は四球を選び1・3塁として、5番五十嵐君。五十嵐君は初球を叩いて痛烈なレフトオーバーの2ベース!!やったー!!1点追加で1死2・3塁…と思いきや、ま、回すんですか3塁コーチャー!?というわけで余裕でホームタッチアウト……何かデジャビュが襲ってきたぞ(篠崎戦参照)。まだ1死でしょ2・3塁だったらヒットでなくても点入るかもでしょ次は好調で6番に上がってる鈴木君でしょ(泣)もったいないお化けが出るぞー。ともかくこれで2死2塁となり、鈴木君もセカンドフライで2点止まり。

2回表、6番1年生キャッチャーの今村君から。今大会でもホームラン打ったりして、何かの記事でキャッチャーだから下位に置いてるけど、本来は中軸打たせてもよい選手とかコメントを見たこともある。

その今村君は1ストライクからの2球目をレフト前にライナー性のヒット、続く大林君は送りバントではなく強攻、初球を打ってやや2塁ベース寄りのショートゴロでゲッツーと思いきや、バウンドが合わずセンター前へ…ノーアウト1・2塁でバッターは大江君。大江君の送りバントはピッチャー前に転がり、3塁フォースアウトが狙える…と思いきや、安部君の送球が逸れてノーアウト満塁(泣)今村君のレフト前はともかく、その後をきっちり処理できていれば…とちょっと悔やまれる中、バッターボックスには9番の鈴木君。鈴木君の打球はレフト前に落ちるヒットで1点を返され、なおもノーアウト満塁で打順はトップに還り三口君。ここで3塁側ベンチから伝令が走ります。三口君もライトへの大飛球を放ちますが、これは桑名君が捕り、3塁ランナーの生還で同点に追いつかれはしたものの、ようやく1アウト。しかし依然1・3塁のピンチ。それでも2番島根君の打席で1塁ランナーの盗塁を鈴木君の2塁送球で見事刺して2アウト、島根君もセカンドゴロに打ち取り、何とか同点で切り抜ける。

2回裏は三者凡退。大江君もだいぶ落ち着いて来てしまったか。

3回表、先頭の3番北本君の打球はセカンド後方にふらふらっと上がり、セカンドの森山君が下がりますが思ったより深かったのか、ライトとの間に落ち、ヒットに…ライトに任せてもよい感じの深さだったと思うけど…ちょっと中途半端だったかな。

しかし4番橋本君をセンターフライ、岡部君の打席でまたも鈴木君が盗塁を阻止して2アウト、岡部君もピッチャーフライにうちとり、3人で終わらせる。

その裏、先頭の井橋君が死球で出ると、2番桑名君の打席でピッチャーの牽制悪送球で井橋君は一気に3塁へ!桑名君は三振に倒れますが、続くオコエ君は(完全に捉えた打球ではなく、力で持っていったような感じ?)三遊間を抜くヒットで井橋君が生還、再び1点リードしますが後続はなく1点止まり。

4回表、先頭の今村君はフルカウントから振り逃げ、大きく跳ねて逸らしたボールをファウルと勘違いしたのか鈴木君の反応もやや遅れ、1塁セーフに。送りバントで2塁に進めたあと、8番大江君のファーストへのゴロが、ベースカバーのタイミングがやや遅れて内野安打となり(ファーストの五十嵐君が自らベースに入っても良かったかもという感じの微妙な間合いでした)1死1・3塁。9番鈴木君のピッチャーゴロの間に3塁ランナーが生還して、再び同点に追いつかれる。2回といい、イヤな失点の仕方ですが、逆に言うと阿部君としてはそんなに打ち込まれているわけじゃないのだ。でも、この回最後のマウンド近くに上がったサードフライにファーストの五十嵐君まで寄ってきたりとか、バックの守備は見てて危なっかしいというか、ちょっと平常心を失ってるような気がする(泣)声かけあって!怖いよー。

4回裏は三者凡退。それにしても大江君、球速表示を見ると130後半のストレートと100キロ切るスローカーブとか、40キロの差があるわけで、打つ方は並大抵の苦労じゃないだろうな(汗)

5回表、先頭の2番島根君は良い当たりのピッチャー返し!でしたがこれは阿部君が良く反応し、ピッチャーゴロに抑えて1アウト。続く3番北本君にはライト前ヒットを打たれますが後続は抑え、無失点で切り抜ける。しかし最後の左中間への当たり、なんかオコエ君が普通に捕ってましたけど、あれ、センターの打球か?フツー(笑)スタンドもどよめく。

しかし5回裏もさくさくと三者凡退。大江君、なんか調子を上げてきてしまってるかな…球数は結構行っているので、後半勝負とは思うけど、阿部君も毎回ランナー背負う苦しい展開だし…

6回表、この回も6番今村君から。阿部君は今村君に対してボール先行、3ボールから1ストライクは取りますが、5球目をセンター前に運ばれ、ノーアウト1塁。続く大林君もライト前ヒットでノーアウト1・2塁のピンチ!送りバントで1死2・3塁とされ、バッターボックスには9番鈴木君。鈴木君の打球はファーストゴロ、ホームは間に合わないタイミングと思いましたが五十嵐君はホーム送球、フィルダースチョイスでついに逆転され、なおも1死3塁。しかし後続は抑え、ここも何とか1失点で切り抜ける。フィルダースチョイスで傷口拡がらなかったことにホッとする。

何とか取り返していきたい6回裏。先頭のオコエ君はサードゴロに倒れますが4番伊藤君はフルカウントからの死球。つま先の辺りに当たったらしく、凄い痛そうにしていて心配しますが、次の五十嵐君の打席できっちり盗塁(笑)。五十嵐君も結局四球で1死1・2塁となりバッターボックスには鈴木君。今日は2打席ノーヒットですが、最近の試合では好調だし、期待のかかるところ。その鈴木君の打球は微妙な当たりのサードゴロでしたが、2塁ランナーやらショートやらの動きが錯綜してボールを見失ったか、捕球はできずボールはレフト前へ…その間に2塁ランナーが生還し、4-4と関東一が同点に追いつく。なおもランナー2塁で一気に逆転したいところでしたが、続く森山君はセンターライナーで2アウト。そして8番眞田君に代えて、黒田君が代打に送られますがセカンドゴロで同点止まり。

7回表。関東一はこの回から背番号10の田邉君にスイッチ。ただし素直に阿部君の代わりではなく、7番のセカンド森山君との交代。阿部君のところには松永君がセカンドで入り、代打の黒田君がサードに回ります。

田邉君は3番4番を外野フライに打ち取ると、5番岡部君はストレートの四球で歩かせるものの、次の今村君もライトフライに打ち取り、無失点に抑える。このときは、まさかあんな展開が待っているとは、思っていませんでした…

7回裏は三者凡退。

8回表。先頭の大林君にレフト前ヒットを打たれるも、続く大江君の送りバントはファーストへのライナー気味の小フライとなり、ファーストランナー戻り切れず一気に2アウトランナーなし!これで一気にラクになるかと思いきや、田邉君、9番の鈴木君に対してはボールが浮いて四球で歩かせ、打順はトップに還って三口君という(汗)三口君はここで初球セーフティバント!しかし松永君も我慢して良く見て、ファウル。しかし続く2球目はセンター前ヒットにされ、続く島根君にはストレートの四球で2死ながら満塁とされたところで、関東一は3番手に左サイドスローの小松原君を投入。もう終盤だし大江君の出来を考えるとやむを得ない交代だったと思いますが、田邉君のここでの降板は、ベンチとしても計算外だったのでは。交代した小松原君も3番北本君に対しボールが続き、3ボールノーストライクと崖っぷち。しかしこれまで何度も厳しい場面でリリーフのマウンドに立ってきた小松原君、フルカウントまで戻した後、見事!ファーストへのファウルフライに打ち取り、無失点で凌ぐ!ちょっとうるっとしてしまう。

ピンチの後にチャンスあり!な8回裏。1死から4番伊藤君がサードゴロ送球エラーで出塁、続く五十嵐君が死球を選んで1・2塁とすると、続く鈴木君がセンター前ヒット!というような当たりでしたが二松の内野もよく抑え(抜けていれば確実に1点だったのに…)、1死満塁でピッチャー小松原君の打席。代打を送りたい場面ではありますが、まだ8回。公式戦未登板の竹井君もブルペンでは肩を作っているものの、もう3枚カードを使ってる関一としては、1死でもあるし、あえて勝負をかけなかったということかもしれません。満塁でなければスクイズもあったかもしれないけど…そして小松原君は三振、続く黒田君もファーストへのファウルフライで、絶好のチャンスを逃す。

9回表。先頭の4番橋本君の代打平野君がライト前ヒット、しかし続く岡田君はショートゴロダブルプレー、続く今村君もピッチャーフライに打ち取り、無失点。しかしこのフライも、マウンドにわらわらと内野陣が集まってくるのが何とも言い難い不安感を醸し出す。声かけろよー。

9回裏、先頭の松永君はライトへの良い当たりでしたが二松のライト大林君のダイビングキャッチに阻まれ1アウト。後続も倒れ、試合はまたしても延長戦へ。

10回は共に三者凡退ですが、2松は7番からの下位打線なのに対して、関一はクリーンナップだったのが、大きな違い。オコエ君のファーストライナーとか、良い当たりだったのであれが抜けていれば…と思う気持ちもありますが。

11回表。トップの三口君に対して初球デッドボール(泣)送りバントで2塁に進まれ。3番北本君には四球。更に代打からファーストに入った平野君のレフト前で1死満塁。5番岡田君のセンター前で1点勝ち越され、尚も1死満塁。続く今村君の打球はセンター方向に上がり、オコエ君が捕球しますが、ホームへの返球はなく、タッチアップした3塁ランナーが還り、2点差となる。振り返ってみればこれが決勝点となったわけですが、守備陣にタッチアップを是が非でも阻止しようと言う動きがなかったように見えたのが、なんかよくわからなかった。

1点差ならともかく、2点差で迎える延長の裏。11回裏、先頭の鈴木君が3-1からセンター前への良い当たり!中盤以降、大江君からランナーは出しても会心の当たりはなかった関一だけに、一気に盛り上がる3塁側。まだ終わらない!そしてここで小松原君の代打・日原君。日原君はやや詰まりながらもセンター前に落ちるヒットでノーアウト1・2塁!送りバント後松永君のセカンドゴロの間に3塁ランナーが還り5-6と1点差、なおも2死ながらランナー3塁で井橋君。井橋君は2ストライクに追い込まれながら、難しい球を見極めて粘りますが、最後はアウトローのストレートを見逃し三振(ナイスボールでした)、ゲームセット。昨秋と似た展開から、今回は関東一が振り切られ、二松が決勝進出。関東一は準決勝敗退で、決勝の舞台を前に姿を消すこととなりました。

勝つチャンスもあったけど、あと1点が取れず、あと1点を守れなかった惜しい試合でした。が……倍以上のヒットを浴びていたことを考えれば、延長戦にまで持ち込んだのは大健闘であって、敗北は今の実力通りの結果だったのだ、とも思います(認めるのは辛いことではありますが)。そして、このままではいけない、このままでは来夏も甲子園まで辿り着くことはできないだろう、とも。もちろん、このまま終わるはずがないことも、信じているけど。投攻守、課題はいろいろあると思いますが、ひとつひとつ克服して、来夏は笑顔で終われるように、これからの一日一日を大切に、頑張ってください。春にまた会える日を楽しみにしてます。