20180720東東京大会5回戦 関東一×日大豊山

家を出るときは曇り空だったのに、信濃町はやっぱり薄青の空。今日も予報通りになりそうです。

東東京大会も折り返し点を過ぎ、今日明日の5回戦でベスト8が出揃う。関東一の5回戦の相手は3年前の夏の決勝でも戦った日大豊山。昨秋はエース名倉君の好投に支えられて都大会ベスト4、今夏はノーシードながら毎試合大量得点と3投手の継投で勝ち上がってきている。

正直言って怖い。夏の豊山打線に勢いがあるのは毎年恒例だし、実際ここまでの3試合の得点はいずれも10点前後。投手陣は継投ですがエースの長身右腕・名倉君は好投手と評判も高い。もし名倉君を打てなかったら……でででも、そこを何とかする練習をずっと積んで来ているはずだし、それができなきゃ甲子園なんて、まして甲子園で勝つなんて。

球場へ向かう道すがら、関一チアたちが1塁側に小走りに向かっていくのが見えた。おぉー今日はチア出動か!!宜しくお願いします。と、心の中で呟きつつ、逆回りで球場入口へ。

スタンドに出ると平日の朝ということもあってバックネット裏は空いていますが1塁側・3塁側の応援席はかなり入っている感じ。ここが正念場だものね。

スコアボードを見ると関一は後攻。練習の様子を見ると、両エースが先発の模様。

先攻:日大豊山

1センター佐藤

2ライト青木

3サード西村

4キャッチャー村高

5ショート平林

6レフト金井→H冨居

7ファースト鈴木

8ピッチャー名倉→瀬崎→廣岡

9セカンド小杉

後攻:関東一

1センター齋藤

2レフト大久保→ライト天野

3キャッチャー石𣘺

4ライト松田→レフト

5ファースト泉

6セカンド冨樫

7サード石田

8ショート宮田

9ピッチャー藤本

予想通り、両エースの先発。関東一は初戦こそ藤本君完投だったけど、元々は継投が多いし、豊山もここまでの3試合すべて継投で来ている。果たして、今日はどうか。そして関一野手の方は、打線爆発した小岩戦と同じスタメン&打順です。

初回、先発のマウンドに上がった藤本君は立ち上がり、豊山の1番佐藤君にいきなりレフトフェンス直撃の2ベースを浴び、2番青木君にはストレートの四球、更に3番西村君のショートへの打球が高く弾んで内野安打となり、ノーアウト満塁の大ピンチ。初っ端からムンク「叫び」状態となる私。

それでも4番村高君は浅いセンターフライに打ち取りますが、続く平林君はライト前に抜けるかという当たり。冨樫君が何とかファースト後方に回り込んでアウトにしますがその間に3塁ランナーが生還、1点を先制されます。それでもともかくこれで2アウト、落ち着きたいところでしたがその後も藤本君はボール先行、6番金井君に死球で再び満塁となり、続く鈴木君の打席で藤本君の2塁牽制をベースカバーが弾き、この間に3塁ランナーが生還、0-2に…それでも何とか鈴木君は三振に取り、2点で止める。

取られたら取り返したい1回裏。マウンドの名倉君は長身右腕から投げ下ろすいかにも本格派な感じで、やっぱ速いよね…

しかし先頭の齋藤君がショートへの内野安打、続く大久保君のバントも1塁セーフでノーアウト1・2塁とすると、3番石𣘺君は四球で今度はこっちがノーアウト満塁の大チャンス。ここで前の試合から3番に上がった石𣘺君の代わりに4番に入った松田君が見事レフト前に抜けるヒットでランナー2人が還り同点!!更に1死から6番冨樫君のライトへの犠牲フライで3-2と逆転に成功します。

早くも打撃戦の様相を呈してきたかと思わせる滑り出しでしたが、その後は4回まで双方無得点が続く。と言ってもその内容は彼我で大きく異なり、落ち着いた投球で関一打者を次々と討ち取っていく名倉君に対し、リードを貰ってもなかなか思うような投球ができず、毎回ランナーを背負う苦しいピッチングの藤本君。送りバント阻止やキャッチャーからの2塁牽制などバックの好守に支えられて凌いではいるものの、このままでは…

5回表。先頭の2番青木君にレフトオーバーの2ベースを打たれ、ノーアウト2塁でバッターボックスには3番西村君。西村君の打球は右中間を破られる…!!という素晴らしい当たりでしたがライトの松田君が追いついて好捕!しかし4番の村高君にはレフト前に打たれて同点に追いつかれ、更にヒットとエラーで1死満塁のピンチが続く。そして7番鈴木君は三振に取るものの、8番名倉君の打球がセンター前に抜け、ついに3-4と逆転される。しかし続いてホームを狙った2塁ランナーはセンター齋藤君の好返球でホームタッチアウト!!1点のビハインドで食い止める。

再び「取られたら取り返し」たい5回裏は9番藤本君からですがライトフライで1アウト。いやその、打席の結果云々より、代打が送られなかったことに正直驚く。今日の藤本君はここまで被安打8、四球4。球数も100球を超えていたし、さすがにここは交代かと思っていたのですが…

それはともかく、打順はトップに還り、1番齋藤君が内野安打で出ると、2番大久保君は死球で1死1・2塁のチャンスを作ると3番石𣘺君がレフトスタンドへの3ラン!!6-4と再びリードされた直後の逆転♪更に松田君の内野安打と泉君へのストレートの四球で再び1死1・2塁となったところで名倉君が降板、背番号11の2年・右サイドスローの瀬崎君がマウンドに上がる。名倉君の方が早く降りることになるとは…こちらとしては有難いことなのだけど、この場面でエースの降板を見るのは、やっぱりちょっと辛い。

瀬崎君の代わり端、連打と押出し四球で更に2点追加しこの回打者一巡の猛攻で5得点、8-4とします。

6回表、5回裏に2度打席に立った(両方凡退でしたが)藤本君がマウンドへ。点差があるとはいえ、後4イニングで4点では全然安心できないわけですが、この回は初めての三者凡退。疲れもあるはずですが、ここに来てようやく落ち着いてくれたのか?

6回裏は2番大久保君から。大久保君のセーフティバントと盗塁でノーアウト2塁のチャンスを作ると、石𣘺君はセンターフライに倒れたものの、4番松田君の右中間への3ベースを皮切りに5番泉君・6番冨樫君・7番石田君の4連打!!ところが石田君のセンター前ヒットで2塁ランナーの泉君が3塁を回ったところでホーム突入を躊躇い、既に1塁ランナーが来ていたので3塁ベースにも戻れず3本間でタッチアウト…イケイケ状態に水を差された格好になって、ちょっと勿体ない走塁ミスでした。その後は宮田君がストレートの四球で2死ながら満塁となりますが、ここで瀬崎君に代わってマウンドに上がった背番号10の右腕・廣岡君に抑えられ、2点止まり。

7回表、先頭の3番西村君の痛烈な打球がピッチャー強襲の内野安打となり、ノーアウト1塁。しかも足に打球が当たって一時試合が中断される。ただでさえ疲れてるところに(泣)大丈夫でしょうか。しかし暫くすると藤本君が無事にマウンドに戻ってきてホッとする。

そして4番村高君をサードゴロダブルプレーに打ち取ると、5番平林君の三遊間への難しい当たりも宮田君が綺麗に捌いて3アウト!この回も3人で終える。

6点差で迎えた7回裏。先頭の齋藤君がセーフティバント成功で出塁すると、続く大久保君のバントで悪送球を誘いノーアウト2・3塁でバッターボックスには石𣘺君。あと1点でコールド成立という場面。バッテリーは石𣘺君との勝負を避け、ノーアウト満塁として4番松田君。しかし松田君は廣岡君の落差のある変化球に空振り三振で1アウト。6回裏の藤本君も同じ球に三振だったよな(汗)意外と点が入らないことがあると言われるノーアウト満塁ですが、ここで無得点だったりするとまた流れが変わってしまうかもしれない。藤本君ももう120球以上投げているし、何でもいいから1点取ってくれ!というところで5番・泉君。決めてくれ!

そして初球を叩いた打球はセンターへの大きな飛球。よーしやった!これなら犠牲フライに十分…………って入った!?なんと、センターバックスクリーンへの満塁ホームラン!!

14-4のサヨナラコールドで関東一が勝利、準々決勝進出を決めました。おめでとう!

結果的に大差がついてコールドゲームになりましたが、やはり豊山は強かった。

5回の攻防を終えるまではどちらに転ぶかまったくわからない、見ている方はこんなんじゃ心臓が保たないよ(泣)という試合でした。初回こそ失点直後に逆転することができたけど、その後はむしろ防戦一方、実際に失点した初回・5回以外も、いつ決壊して大量失点してもおかしくないピンチの連続でした。そこを切り抜けられたのは守備の力だし、藤本君も調子は良くなかったと思いますが我慢して持ちこたえてくれました。普通に考えれば「関一が打ち勝った」試合ということになるのでしょうが、守り勝った試合だとも言える。

取られたら取り返す!でセーフティバントからホームラン(齋藤君大久保君の脚に、石𣘺君の逆転3ランと泉君の満塁HRとか、嬉し過ぎる)まで飛び出した攻撃はもちろんのこと、芯を喰った打球を打たれまくりながら失点しながら、最後まで投げた藤本君も、ピンチの連続を耐えて藤本君を支えた守備陣も。こういうある意味関一らしい勝ち方はここ暫くなかったから、そういう意味でも凄く嬉しかった。チームとしても貴重な経験だったし、自信になるんじゃないかなと思います。

準々決勝の相手は修徳豊山とはタイプの違う強さを持ったチームで、今日とはまた違う種類の厳しい試合になるでしょうが、どんな展開になっても、これまでやってきたこと身につけてきたことを出し切って戦えれば、必ず勝てると信じます。

あと、今以上の酷暑が予想されるようなので、応援の皆様を含め、体調には本当に本当に気を付けてください。