甲子園日記(8月7日)

今日も晴れ。バックネット裏から見るアルプスは、朝は3塁側、夕方は1塁側アルプスが特に美しいと気付く。背後からの日差しが作り出す淡い陰影、その中できらめくチームカラー。やっぱいいなー甲子園って。

第1試合:佐賀商業1×4高岡商業

公立の商業校同士の対戦ということになりますが、スタンドは「赤」対決。高岡商はサウスポーの山田君、佐賀商は右腕の木村君の両エースの先発で始まった試合は両エースの好投により中盤まで双方無得点が続きますが5回裏に高岡商が7番井林君のセンターへのソロホームランで先制。7回表に佐賀商がヒットで出たランナーを送りバント失敗などありながらも相手エラーも絡んで同点に追いつきますが、その裏には高岡商が反撃、3点を奪い返して4-1と突き放し、8回表からは右サイドスローの大島君にスイッチ、佐賀商打線を8回9回とゼロに抑えてそのまま勝利。両チームの投手陣ナイスピッチングでした♪敗れはしましたが佐賀商のエース木村君は140キロ台半ばを序盤から連発する力強いピッチング。個人的に一番印象に残ったのは、3回表に高岡商の山田君からたぶん変化球をライト前ヒットにして(得点にはなりませんでしたが)、その裏に山田君に打席が回ってきたときは、ストレート勝負の三球三振に打ち取ったところ。気が強いんだろうなー。高岡商はそれを攻めて4点を取ったし、山田君―筏君のバッテリーもなんかピッチング上手いなーと感じましたが、エラー4はちょっと心配。次から建て直してくれればいいのですが。

ちょっと気になったのはこの試合、8時から10時ごろまでの時間帯でさほど暑さや日差しの強さも(他の日に比べれば)なかったように思うのですが、足を攣ったらしき選手が複数いました。今日はそういう負傷者が毎試合のように出て、暑さのせいというのももいろん根本的な原因としてあるのだろうけど、大会序盤で馴化の不足や移動の疲れ、環境の変化、初戦の緊張など様々な要因が複合的に重なってのものなのではないかと思いました。東京や埼玉でも、大会序盤は誰も足を攣らない試合はない、というぐらいだったし…

第2試合:智辯和歌山3×7近江○

これは赤と青の対決。アルプスのCの人文字は、強打で名高く、この春のセンバツも準優勝の智辯和歌山が2点を先取しますが近江はなんと、3番のホームランで追いつき、勝ち越し、ダメ押しをして、守っては4投手の継投で智辯和歌山打線を3点に抑え、7-3で勝利!特に4番の北村君は2HRの2見逃し三振、まさにホームランか三振か、を地で行く活躍ぶりでした。智辯和歌山もチャンスは作るのですが最後が繋がらず、走塁死も幾つかあって、10安打しながら3得点に終わってしまいました。智辯和歌山にはセンバツ準優勝というプレッシャーもあったでしょうが、とにかく近江が良く守りました!9回裏、5点差とは言え石満塁のピンチを迎えたときは、まだ何か起きるんじゃないかとハラハラしながら見てましたが、9回からマウンドを任されたエースナンバーの金城君も四死球を出しまくりながらも犠牲フライの1失点に止め、4投手の継投策が見事奏功した形になりました。

第3試合:○前橋育英2×0近大付

前橋育英は右の恩田君、近大付は左、大石君の両エースの投げ合いによる投手戦。前橋育英が2回と4回に1点ずつ得点しますが、5回以降は大石君の独壇場となり出したランナーは死球の1人だけ、5回までゼロだった奪三振も6回以降だけで7。後半は変化球が凄く良くなってバットに当てるのも難しいくらい。それでも前橋育英の恩田君はちょくちょくランナーを出しながらも要所を抑えるピッチングを最後まで崩さず完封。近大付としては、8回裏にノーアウトのランナーを送りバントで進めてレフト前ヒットが出たとき、2塁ランナーがホーム突入してアウトになり、結局無得点に終わったのが勿体なかったかな。打順も上位に回ったところだったし…

でもとにかく、両エースの力投が素晴らしかった投手戦でした。

第4試合:益田東7×8常葉大菊川○

アルプスは緑対決。

3回表に益田東が1点を先制しますがすぐにその裏、常葉大菊川が例の止まらない連打で一挙4点をあげて逆転、4回にも1番奈良間君の2ラン(センターバックスクリーンのすぐ左辺りの深いところでした)で6-1と突き放した…と思ったら直後の5回から益田東が反撃、5回にまず1点、6回には4連打で2点と差を縮め、7回にはついに同点に追いつき、1死3塁の場面から先発の漢人君をリリーフした2番手椎村君からも1点を奪い、7-6と逆転に成功。このときの益田東、ヒットのつるべ打ちも凄かったのですが、一番驚いたのが、先頭打者四球で出たランナーを1塁においての2番首藤君のプッシュバント。強めに転がった打球が三遊間を抜いて、外野との境の芝生の切れ目の辺りまで転がっていきました。いやーびっくりした。良い物を見せていただきました。

一方、この間の常葉大菊川の打線は前半とは人が変わったように(益田東打線に生気を吸い取られたように?)大人しくなり、ランナーは出ても後が続かず無得点が続いていました。

再び潮目が変わったのは8回表。前の回からリリーフした椎村君が連続見逃し三振+ショートゴロで三者凡退に抑えると、裏には1死から四球で出たランナーを9番神谷君のレフトオーバー2ベースで同点、更に3盗を刺そうとしたキャッチャーからの送球が逸れて常葉大菊川が8-7と再び逆転に成功。9回表の益田東も先頭の3番藤本君がセンター前ヒットで出塁、更なる波乱も予感されましたが後続は抑えられて8-7のまま試合終了。凄い試合でした。両チームお疲れ様でした。つ、疲れた…でも投手戦も良いけど乱打戦もイイな。特に夏は。