7月30日 東東京大会準決勝 帝京×関東一@神宮球場(試合経過)

試合経過について、とりあえずまとめます。

【帝京】

1センター本間

2セカンド上原

3サード長田

4ファースト中村

5キャッチャー鎌田

6ショート杉谷拳

7レフト高津

8ライト杉谷翔

9ピッチャー高島(→垣ケ原)

【関東一】

1ショート長谷川

2セカンド津久井

3レフト伊東

4ファースト江川

5キャッチャー椎名

6センター広瀬

7サード鈴木

8ライト核(→ピッチャー水落)

9ピッチャー甲斐(→ライト富樫)

午後から雨という予報でしたが、既に試合開始前からぽつりぽつりと雨粒が落ちる中、ついに試合が始まりました。

関東一は後攻、マウンドには甲斐君が上がります。投球練習を見ると、球威はあると思うのですが、右の本格派は大得意だという帝京打線が相手、春は実際、1人で10点以上失点しているわけですが…どうなることかと心臓はバクバク。でも、春のようなことはもう、絶対ない。それだけはこの10日間で確信できた。そうは言っても相手は帝京打線だし、どうなるか。

まずは1番本間君。いきなりレフト前に打たれ、送りバントの後の3番・長田君のショートへの打球は長谷川君が上手く捌いて2アウト。4番5番は死球・四球で満塁になりますが、6番杉谷拳君はセカンドゴロに討ち取り0で凌ぐ。

ほっとしたのも束の間、1回裏マウンドに上がった高島君の球は………なんか、速い…速すぎる!話には聞いていたけど、これはマズい。春は高島君から6点取った関一打線ですが、それでもすぐには打てないかも…との不安が的中、長谷川君津久井君が外野フライに倒れ、伊東君江川君が連続デッドボールで出塁するも、椎名君は3球三振。もう少し慣れてくるか、高島君が疲れてくるかしないと厳しいかも…コントロールは荒れてるみたいだけど…とにかく、それまで踏ん張ってくれ甲斐君!

しかし2回表、7番高津君はショートへの高いバウンドとなるイヤーな打球。長谷川君のグラブを弾いたボールを津久井君がキャッチしますが内野安打に。8番杉谷翔君の打席で盗塁、更にセカンドゴロの間に3塁へ。9番高島君は四球、1番本間君は三振にとり2死1・3塁となりますが、続く上原君のセカンドへのゴロも内野安打となり、先制を許してしまいます。しかし3番長田君はセカンドフライで1点に抑える。よく1点で抑えたな…と聞こえてくるのは、関一ファンではなさそうな観客の声。しかし、さすが帝京のバッティングは上手いというか嫌らしい。雨の人工芝に叩きつけるバッティング。長谷川君津久井君のとこに2つの内野安打だもんな…(汗)

2回裏、関東一の攻撃は6番広瀬君から。3球三振ですが、最後見送ったボールは相当低かった…今日のストライクゾーンは広めのようです。余計にマズイ。高島君相手にこんなストライクゾーン広めに取られたら…次の鈴木君もフルカウントから空振りの三振、8番核君もセカンドゴロで三者凡退、ただ、球数は多めで1・2回とも(多分)16球ずつなのが救い(←?)かな。

3回表、4番の中村君はセカンドの頭上を超えるヒットでまたもノーアウトのランナーが。続く5番の鎌田君は見送りの三振にとりますが、6番の杉谷拳君に右中間をやぶる2ベースを打たれ、1点追加されます。

7番高津君の打席で杉谷君は3盗を試みますがさすがにこれはタッチアウト!(舐めんなよ!)高津君もサードゴロに討ち取り、これも1点で凌ぐ。

3回裏、9番甲斐君はフルカウントからの見逃し三振、次の長谷川君も低めの球を見逃し三振。これは……(汗)明らかなボール球以外はファウルにしないとアカン。しかしあの球ファウルにするのも楽ではないだろうし…2番の津久井君もレフトフライに討ち取られ、この回も三者凡退。

4回表、先頭の8番杉谷翔君は四球でまたしてもノーアウトのランナーが。続く9番高島君はセンターオーバーの3ベースで3点目、1番の本間君はショートライナーで1死としますが、2番上原君の打席でパスボール、4点目が入ります。後続は断ちますが、じわじわと毎回加点されていく苦しい展開。2巡目に入ったし、ここらで何とか反撃したい。打順は3番の伊東君から。伊東君の打球はセカンドゴロ…ですが悪送球で初めてのノーアウトのランナーが!そしてバッターボックスには4番・江川君。2-2からの5球目がワイルドピッチとなり、ノーアウト2塁!願ってもないチャンスです。次の6球目、江川君の打球は大きなフライとなってセンター方向へ。センター本間君がキャッチしますが伊東君は3塁へ。この走塁は落ち着いていて良かったと思います(いつだったか、前に帝京とやったときは、こういうのやられてましたよね)。そして打席には5番・椎名君。2-3からの6球目をついに!ライト前へ!初ヒットがタイムリーとなり、1点を返す。やったー!続く広瀬君も内野安打で1死1・2塁となりますが後続はたおれ1点どまり。でもさすがに、高島君の球にも少しずつ慣れてきたかな。

一点返してなんとか抑えたい5回表でしたが、先頭の中村君にレフトオーバーの2ベースを打たれ(取れるか?と思った当たりでしたが)、5番鎌田君はライトフライに討ち取ったものの、前の打席で2ベースを打たれている杉谷拳君にまたもライト前に運ばれ1死1・3塁、レフト高津君もセカンドフライに討ち取り2死としますが杉谷翔君はレフト前ヒットで5-1。9番高島君の打席でパスボール、2死2・3塁。結局高島君は四球で満塁となります。打順はトップに還り、1番の本間君。粘られたあげくの打球は二遊間へ。決して良い当たりではなかったのですが、一塁に間に合わず6-1、更に2塁ランナーが3塁を回ったのを見てサードの鈴木君へ、そして鈴木君からのバックホームのボールを椎名君が落球、7-1と突き放されます。打たれた!という感じでないだけに、この2点は悔やまれる失点でした。この試合の結末を考えても。

ここで甲斐君が降板、左の水落君がマウンドに上がり、同時に富樫君がライトに入ります。核君のところに水落君、甲斐君のところに富樫君が入った模様。いつもは四死球出しまくりの水落君ですが、ここは落ち着いたピッチングで2番上原君キャッチャーフライに討ち取り、とりあえずほっとする。

5回裏、打順は変わったばかりの富樫君から。しかし空振りの三振。やっぱり高島君の球、初見では厳しいみたい。しかし次の長谷川君はうまくレフト前へ!さすが!ようやくヒットもぽつぽつ出始めましたが6点差でコールド(普通のコールドね!)も気になるし、何としても返しておきたいところですが、津久井君はサードゴロ、伊東君はセンターフライにたおれ、無得点。それにしても酷い雨・雲の上はなんかゴロゴロ言ってるし、大丈夫か?ていうか歯の根が合わないほど寒い…そういえば、日大三高創価の準決勝は、雷のために途中から木製バットに替えさせられたとか。この試合もそうなるのか?(実際は、5回表、帝京の攻撃の途中から木製バットに替わったとのこと。それにしては高島君から毎回安打。よく打ったなあ…)

さて、5回終了でグラウンド整備が入り、土の入れ替えをやっています。しかし、いつも思うんですけど、埼玉とかだとグラウンド整備は両チームの控え部員が中心になってやるんですよね。人数が足りないとベンチ入りの部員まで動員されたりして。神宮や神二は人工芝だから、素人は手を出しにくいのかもしれないけど、秋春のブロックとかもグラウンド整備は当番校の部員だもんなー。この試合では帝京の選手(誰かな?)が手伝いたいようすを微妙に見せていましたが…前日の埼玉県大会、グラウンド全体にバックスクリーンが大映しとなるほどの大雨の中、両チームの部員や審判やらが入り乱れてスポンジに水を吸わせては砂をまく作業を協力してやってた(結局浦和学院に敗れて準優勝に終わった本庄第一は、9回表のその時点で、5-1で負けていました)姿を思うと、なんか…都大会は、東京の聖地であるはずの神宮の杜は、何か大切なものが抜け落ちているような気がしてならない。

6回表、帝京は3番長田君から。長田君はセンターライナー、次の中村君もピッチャーゴロ、5番鎌田君も空振り三振!初めての三者凡退!帝京もアッサリしすぎな感じは否めませんが、四死球のない水落君なんて!どうしちゃったんだ!

6回裏、4番の江川君からですが、やはりフルカウントから低めのボールを見逃し三振。やはりストライクゾーン広いなあ…しかし続く椎名君はピッチャー返し!高島君のグラブに当たるかと思いましたが避けてくれたので(?)打球はそのままセンター前へ。さすがキャプテン!!凄い打球でした!そして広瀬君も四球を選び1死1・2塁。しかし続く鈴木君はショートゴロゲッツーでまたも無得点に終わる。

7回表、三者連続三振。水落君、いつもとは打って変わった安定したピッチングを披露。帝京もどんどん振ってますが、それにしてもちゃんと際どいコースに入ってるし(汗)なぜそのピッチングを去年の秋の修徳戦で(略

反撃の望みをつなぎたい7回裏、高島君の球数も100球を超えています。

先頭は好投を見せている水落君。初打席ですが右中間へのヒットでノーアウトのランナーが!続く富樫君も粘って四球を選び、ノーアウト1・2塁で打順はトップに還り、長谷川君へ。長谷川君はライトフライに倒れますが、津久井君も四球を選び、1死満塁。更に3番伊東君の打席でパスボール、水落君がどろどろのホームにヘッドスライディング、7-2とします。

そして4番・江川君のファーストゴロの間に富樫君も還って7-3と追い上げ、なおも2・3塁、今日2安打の椎名君に打順が回ります。何としても打て!打ってくれ!

椎名君の打球はライトへの低い弾道のライナー、しかし前進してきた杉谷翔君がナイスキャッチ…さすがです…

しかし当たりは良かったし、こっちは水落君は好投しているし、あと2イニングあれば…

しかし、ここでまた試合中断。今度はベースにシートがかけられます。降雨コールドのことも頭を掠めますが、正直、あまり心配はしていませんでした。だって、5回6回当たりもそりゃーもう酷い状態で、あり得ないくらいの土砂降りの中、ホームベースが見えないような状態だったのに続行してるんだもの。あれに比べれば今はぜんぜんマシ。小降りになったらまた土入れてやるでしょう…とタカをくくっていました。埼玉の大会でも、水はけが悪いと言われる県営大宮で、凄い長い中断の後で水抜きして再開したの何度か見たし。第1試合だし、今日はヤクルトの試合もないはずだから、お尻が詰まってるわけでもない。

中断の間もテンション高く応援を続ける3塁側スタンド。ここからでは見づらいのですが、今日は制服の吹奏楽も来てくれているようです。ちょっと目頭が熱くなる。そう、まだ負けたわけじゃない。帝京は確かに強い。でも追いつけない点差じゃない。2イニングで4点なんて、奇跡でもなんでもない。

そうこうするうちに、人が減ったように見えていた一塁側にも人影が戻り、負けじと校歌(かな?)が聞こえてくる。向こうもやります。負けるな関一応援団!

だいぶ雨が弱まり、できそうな感じになってきたのに、なかなか動かない運営にイライラし始めた頃、シート外しが始まります。しかし再び雨脚が強まり、いったんキャッチボールを始めていた選手たちはまたベンチへ。もう少し待つのか…それにしても、シートかけ直さないのは何なんだろう。あ、少し弱まってきたかな?しばらく待てば、これなら行けそ…っていうか、キャッチボール始めてるし…とか暢気に考えていたら、審判員がそれを制止するジェスチャー

そのとき初めて、嫌な予感が胸を過ぎりました。

一塁側のベンチから帝京の選手たちがぞろぞろと歩いてくる。まさか…3塁側のグラウンドからかスタンドからか、言葉にならないような怒鳴り声が響く。整列しようとせず、守備位置につこうとする選手(たぶん、鈴木君)を誰かが抱きかかえるようにして列に連れ戻す。一礼の後、わずかのあいだ手を取り合い、再び離れていく両軍の選手。スタンドに一礼してベンチに姿を消す選手たち、駆け寄ってくるカメラマンたち、バックスクリーンに表示される降雨コールドゲームを告げる文字。どんどん弱まっていく雨の中、呆然と立ち尽くす3塁側スタンド。すべてが、悪い冗談のよう。でも、これは現実なのだ。

スタンドを後にする頃にはもう、傘はほとんど必要なくなっていました。

初戦の二松学舎戦から4連続のコールド勝ち、破竹の勢いで準決勝まで勝ちあがってきた関一の夏は、ついに8回9回を一度も迎えることなく、この日、終わりました。

帝京 0112300  7

関東一0001002  3

*7回降雨コールド

 雨天のため中断11:38~11:46(5回裏終了後のグラウンド整備)、12:10~12:12(7回裏、ホームベースが水没、トンボで泥をかき出す)、12:25~12:57(7回裏終了時から試合終了まで) 合計42分