20110403 春季東京都大会1回戦 国士舘×東海大菅生

どんよりした空と、冬のような冷え込みですが、2つとも東西の実力校同士の対戦という、東京の高校野球ファン垂涎の好カードに吸い寄せられて、今日もまた神宮第二へ。寒さに震えながらも、信濃町の陸橋の桜や、神宮の軟式球場に草野球チームの姿を見つけてホッとする。

球場に入ると既にシートノックが始まっていた。菅生の青のデカメガホン、チアの黄色と緑のコスチュームが嬉しい。対する国士もかなりの動員、この寒空に神宮第二は結構埋まってる。売店は閉まっていましたが、ホットドリンクをポットに詰めて売れば、結構商売になるのではと思ってしまう。

第1試合は国士舘×東海大菅生

国士舘の先発は、背番号11、長身左腕の西川君。菅生の先発はこちらも左腕、一昨年の秋の準優勝の立役者となった佐藤君。初回は共にランナーを出しながらも無失点に抑えますが、2回は菅生が2死から2ベース→タイムリーで1点を先取したのに対し、国士舘は同じように2死から三盗をしかけて失敗と明暗が分かれます。

それでも4回裏には2死から5番巻島君のレフトフェンスギリギリのソロホームランで国士舘が同点に追いつく。

ところがその直後の5回表、菅生は、前の打席で左中間への2ベースを放っている6番西野君が今度は右中間への2ベース、更にセンターが足を滑らせて?いる間に3塁へ!続くバッターは四球でノーアウト1・3塁のチャンス。次はピッチャーの佐藤君ということで、スクイズかもと思いましたがなんと、ここで代打・山田君とのアナウンス。ここまでHRの1失点のみの佐藤君をおろして、勝負をかけてくる菅生。国士舘打線は佐藤君に苦労しているようだったので、この交代は果たして吉と出るか凶と出るか。山田君は見事期待に応え、低い弾道の当たりがレフト前に落ちるタイムリー。更に送りバントで1死2・3塁となったところで国士舘はピッチャー交代。背番号10、オーソドックスな感じの右腕・本村君。本村君はかわりばな、菅生の先頭・松井君にタイムリーを浴び、更に2番大場君がスクイズ!ピッチャー前に転がり、ひょっとしたらホームで刺せたかもしれませんが、本村君は1塁へ送球。ちょっと大事に行き過ぎでは?と感じましたが、4-1と3点差をつけられながらも確実に2死をとったこのプレーが、ひょっとしたら、勝敗に繋がる大きなプレーだったかもしれません。

5回裏、菅生の二番手は背番号10の右腕・真島君。ここで国士舘はショートゴロ内野安打で出塁した相馬君が相手のボークを誘い、続く9番山森君の絶妙なサードへの送りバントで送球エラーを誘い、速攻で1点取り返す。この辺りは国士の真骨頂と言うべきか。しかし菅生もノーアウトランナー2塁のピンチを切り抜け、2点差は守る。

交代した直後に2失点した本村君ですが、6回は菅生のクリーンナップをサードゴロ・サードゴロ・見逃し三振と、試合を通じて初めての三者凡退。試合の流れを引き寄せる投球。

6回裏・7回裏の国士の攻撃は無得点に終わりますが、気落ちすることなく、バックの好守にも支えられて本村君が踏ん張り、スコアボードに0が並ぶ。

8回裏、先頭の3番岡君がライナーでライトスタンドに飛び込むソロホームラン!3-4と1点差に迫りますが、後続は凡退で1点止まり。5回をの1点をのぞき、流れの中での得点がないのが辛いですが、それでも1点差。

そして9回表も1死から死球のランナーを出しながらもダブルプレーで切り抜け、1点差のまま迎えた9回裏。

先頭の一ノ瀬君が左翼へのソロホームラン!土壇場で同点に追いつき、なおもノーアウトの国士舘。しかし後続は凡打に討ち取られ、あっと言う間に2アウト。これは延長かなと思った矢先、1番川内君がレフト前に抜けるヒットで出塁、更に2番坂本君の打席で初球スチールが間一髪成功、2死ながら2塁。そして今日ノーヒットの主将・坂本君の打球は右中間へ……国士舘の今日初めてのタイムリーが、サヨナラタイムリーとなった、劇的な幕切れ。仲間と抱き合って喜ぶ坂本君。このときだけじゃなく、良いキャプテンなんだろうなーと思う場面が多々ありました。おめでとう!

国士舘としては追い上げてはいるのになかなかリズムに乗りきれない、もどかしい展開だったと思いますが、リリーフの本村君の好投もあって、逃げ切ろうとする菅生を何とか土壇場で捕まえた試合。逆に菅生としては佐藤君も、リリーフの真島君、松井君も打たれながらも粘って凌いでいたし、そもそも神宮第二でなかったら、1試合で3本もホームランを打たれることもなかったかもしれませんが…何より、後半1点でも追加点が取れていれば、また違った結果になっていたかもしれません。

それにしても、両チームのスタンドが気合いが入りながらも賑やか和やかで、春季大会らしい試合だったのが、すごく嬉しかった♪春の明るさ春の希望、こんな劇的な試合でも、いやー凄かったなー、とのほほんと観戦していられるのも、春ならでは。

などとお茶をすすりながら(とにかく凄く寒い)第2試合の開始を待つ私には、更なる大嵐が待ち受けていることを、知る由もありませんでした……

東海大菅生 010030000

国士舘   000110012×

(第2試合に続く)